生育条件と品種
○生育環境: 日当たり、風通しのよいところ。
○生育適温: 22~30℃
○水やり: 乾燥は大敵、たっぷりと与え葉の裏表にもかける(アブラムシ対策)。
○作業日程
○品 種
・筑陽
・千両二号
容器と用土
10号鉢に1本植え。用土は果菜用。
植えつけ~収穫
①苗を選ぶ
4月中旬から5月始めに苗を購入。接ぎ木苗がお勧め。耐病性の野生種のナスに接ぎ木されているので丈夫で育てやすい(接ぎ木でないもので失敗した経験から、ここは無難に・・・・)。本葉が7~9枚程度で葉の色が濃い苗が良い。蕾または花がついていて、病害がないがっしりしたものを選ぶ。
②植えつけ
植えつけて土の表面をしっかり押さえる。接ぎ木部分を埋めないように気をつけること。仮支柱を立てて麻紐などで軽く誘引し、たっぷり水を与える。
思い通りに育った初回を除き、たびたび生育不良を繰り返したのでナスの栽培は断念していた。別件で、縦方向にスリット(細い切り込み)がある鉢を使ったときに、水をやってもダダ漏れ状態になり生育に問題が発生することが判明。うまくいかなかったナスも同じ鉢を使っていたので、今後、別の鉢を使って再度チャレンジしたいと思っている。
③わき芽欠き(植えつけ2~3週間後)
一番花が咲いたらわき芽欠きをする。一番花の下の第1わき芽と第2わき芽を残して、下のわき芽はすべて切り取る。残したわき芽が成長して枝になり、主枝と合わせて3本の枝で構成される。これを3本仕立てという。
④支柱立て
仮支柱は残したままで100cmぐらいのポールを1本立て、支柱どうしを縛って固定し伸びた枝を誘引する。
⑤追肥(最初のわき芽欠きから2週間程度後)
チッ素肥料を好む。ナスは肥料食いなので肥料切れにならないように気をつける。2週間に一度を目安に化成肥料をひとにぎり追肥する。花を観察して、雌しべが雄しべより長く伸びていると栄養が行き届いている。逆に雌しべが雄しべより短かったり花の色が薄い場合は栄養不足と判断できる。
⑥収穫まで
土地を乾かさないよう水やりに気をつける。
⑦収穫
一番果は手の横幅ぐらい小さめで収穫する。二番果以降も大きくなりすぎないように注意。大きくし過ぎると樹勢が衰えて花が落ちやすくなる。
⑧秋ナスづくりの剪定
8月になったら秋ナスづくりの剪定をする。古い枝を切り落として若い芽を伸ばし、全体を若返らせる。3本仕立てになっている各枝の根元から、3枚ほどの葉を残して切り落とす。すぐに新しい枝葉が出てきて、約1カ月程度で秋ナスを収穫できる。
栽培のポイント
○肥料不足ならないように注意
2週間ごとに一握りの追肥というペースを守り、こまめに施肥すること。
○水不足に注意
乾燥に弱いので土の表面が乾いたらたっぷり与える。真夏には朝夕2回チェックすること。水分の蒸発を防ぐために藁などで土を覆うこと(敷き藁)も有効。ただしその場合は水をやり過ぎないように注意。
○早めの収穫
実が大きくなりすぎると樹勢が衰え、花の落下や害虫などの影響が出やすいので早めの収穫を心掛ける。
○病害虫対策
テントウムシダマシ(テントウムシとよく似ているが艶のない褐色で28個の黒い点がある)は葉や実を食べるので見つけて捕殺、アブラムシは葉裏のチェックと水やりで対応。病気については知識不足かつ無農薬へのこだわりで未対応。今後の課題です。
栽培レスキュー
○花が落ちてしまう
肥料不足、水不足、日照時間不足、害虫などの原因が考えられます。肥料不足は上記の雄しべと雌しべの状態で判断、水不足は自ずと判ると思います。日照時間が短かくなると落下率が増加するので、少なくとも半日以上日の当たる場所に移動しましょう。害虫については、観察して手作業で除去するか薬品を使用することになります。一説によれば、そもそもナスの花の4割程度は落ちるそうなので、これも判断の参考になるかも。
○実がカチコチに硬い
私がいちばん悩まされたのがこの現象で、「石ナス」と呼ばれていることを後で知りました。実が石のように硬くなってしまい大きくならない。当然食べることはできません。この原因が複雑で、もっとも多いのは受粉が不完全で発生するというもの。これに対処するには、花に「トマトトーン」などと呼ばれるスプレー式の植物成長調整剤を散布すると良いらしい(試していません)。また受精しやすいよう、植え付けは十分暖かくなって(例えば温暖地ならゴールデンウィーク頃)行うと失敗が少ないようです。その他の原因としては「樹勢が強すぎたり弱すぎたり」した場合ということで、先の肥料や水の過不足、日照などの諸条件が関係してくることになります。
以上はご参考までということで、私にとっても今後の研究課題です。