生育条件と品種


○生育環境: 日当たり、風通しのよいところ。一日中日が当たるのが良好。

○生育適温: 25℃

○水やり:  表面が乾いたらたっぷりと。暑い時期には1日に2回必要なことも。

○作業日程

○品 種

 ・ホーム桃太郎
 ・トマト甘太郎
 ・サターン
 ※わたしは病害虫に強く丈夫なサターンを育てています。

容器と用土


 深底プランターに2本、または10号鉢に1本。用土は果菜用。
 トマトは弱アルカリ性の土を好むので、植え付け2~3週前に1株あたりひとつかみ程度の苦土石灰を混ぜて酸性度を調整しておくこと。

植えつけ~収穫


①苗を選ぶ

 4月中旬から5月始めに苗を購入。接ぎ木苗が病気に強くて育てやすいが、最近は高価なブランド苗(400円を超えるもの)が多い。50円くらいの接ぎ木でない苗を購入しているが、ほとんど問題なく育っている。ひょろりとしてなくて、傷のないがっしりした苗を選ぶ。

②植えつけ

 ずっと10号鉢に1本を植えていたが、最近になって深底プランターに2本植えしたら、こちらの方が保水力の面で良好であった。プラスティック鉢の場合、水やり時に底部のスリットから水がザザ漏れになるのが保水力低下の原因であり、短時間で乾燥してしまっていた。
 植え付けでは根元の部分が地表面より低くならないように注意、根元に土を寄せておく。風でふらふらしないように、小さな支柱を立てて麻紐などで軽く誘引する。そして、たっぷり水を与える。

③わき芽欠き(植えつけ2~3週間後から随時)

 トマトは一本仕立てで育てる。つまり、メインになる茎が真っ直ぐ伸びるようにする。写真の赤丸のようなわき芽はこまめに取ること。晴天の日にきれいなハサミで切り取るとよい。わき芽を取ることで栄養分の分散を防ぐことができる。また風通しが良くなるので病気の予防にもなる。

④支柱立て

 根元から土面に円を描き、等間隔に3本のポールを立てて、その先端(上端部)を縛って支柱とする。

   

⑤追肥(最初のわき芽欠きから2週間程度後)

 第1段の実(いちばん下の果房)がピンポン球くらい大きくなったら、化成肥料ひとつかみを根本から離して施す。プランター沿いに浅い溝を掘って埋めればいい。2回目の追肥は、第3段の実が同様の大きさになったとき、同様に施す。
 施肥の量についてはトマトの栄養状態をみて判断することも大切。葉がデコボコして内側に巻いていると「栄養過多状態」、いっぽう茎が細く葉がやや上向きなら「栄養不足状態」、などと大まかに判断できる。

⑥収穫まで

 頻繁に観察し、わき芽をすべて取って真っ直ぐ1本に伸びるように麻紐で誘引する。

⑦収穫と摘心

 植えつけから約2カ月で実が色づくので、赤くなったものを収穫する。もぎ取って茎を傷つけないようにハサミで切る。約2ヶ月間収穫を楽しむことができるが、3~4段に実がついたらそれ以上伸びすぎないように摘心する(一番上の葉2枚を残したあたりが成長点なので、そこを切る)。

   

栽培のポイント


○植え付け用土の調整

 野菜用の培養土を買ってくる場合は別として、用土を準備する際には苦土石灰を施すことで酸性度を中和するとともに、トマトの生育に必要なカルシウムとマグネシウム不足を防ぐことができる。

○肥料のやり過ぎに注意

 肥料をやり過ぎると、枝葉が育ちすぎて実がつきにくい「つるぼけ」になる。

○水不足に注意

 プランターは水はけが良いので乾燥しやすい。乾燥し過ぎは「尻腐れ」の原因になるので、土の表面が乾いたらしっかり水を与えること。

○大きさの調整

 高くなりすぎると樹の負担が大きくなるので、花房は3~4段を目安として摘心する。また、一房に沢山の実がつくが、そのままだと実の大きさが小さくなったり不揃いになるので、一房あたり4~5個を残して摘果する(摘み取る)こと。

○ひび割れ(裂果)を防ぐ

 雨によって果実が膨張して裂けるのが裂果です。露地栽培と違って身軽なプランター栽培の特長を活かして、長雨なら軒先などに一時退避しましょう。

栽培レスキュー


○尻腐れが発生した!

 このショッキングな写真が尻腐れ果です。原因はカルシウム不足による生理障害なので伝染はしませんが、こうなると摘み取るほかありません。緊急対応として、即効性のあるカルシウム肥料を施す方法があります。土の量にもよりますが、植える前の用土に1株当たりひとつかみ程度の苦土石灰を混ぜておくと症状が出にくいので、事前の対策がより重要です。