専用ケースの製作

 2013年にRaspberry Pi1 Model Bのケースを作成しました(写真)。といってもアクリル板でボードをサンドウィッチのように挟んだだけのものですが、強度が優れている上に開放型なので(ケースに密封されていないので)温度障害の心配が少なくなります。飾りっ気はないがシンプルで美しいことから、今回もPi2用に同じ仕様のケースを製作することにしました。


1.材料

 材料はすべて大型のホームセンターで入手しました。太さ2.6mmのステンレスネジは店頭在庫がないことがあり、ネットのネジ専門店からも調達できますがかなり割高になるようなので、お店探しがおすすめです
 ネジ類はビス、ナット、ワッシャがセットになって小袋に入っているものが安くて便利です。また、ステンレス製やニッケルメッキのものが高級感があり錆びにくいのでお勧めです。

〔材料明細〕
  ①アクリル板 厚さ 2mm、 サイズ 160mm x 180mm、 1枚 \570
  ②ステンレス鍋ネジ 太さ 4mm、 長さ 40mm、 4本 \148(4本組み)
  ③スペーサー 太さ 5mm、 長さ 20mm、 4本 \100程度(8本入り)
  ④ローゼットワッシャー 内径 4mm、 外径 11.5mm、 4枚 \100弱(8枚入り)
  ⑤ステンレス鍋ネジ 太さ 2.6mm、 長さ 10mm、 4本 \100(10本組み)
  ⑥スペーサー 太さ 5mm、長さ 1mの透明ABS丸パイプ(1本 \128)から作成(下記※を参照)

 なぜこのような規格の材料を選んだかを簡単に述べておきます。
 Raspberry Pi2 Model Bでは、取り付け穴が以前のPi1では2カ所だったのが4カ所に変わり、使用できるネジが3mm径から2.6mm径になったので少々工夫を必要とします。太さ2.6mmのビスが入手しにくいという事情に加え、入手できるとしても長さは10mmまでと考えておいたほうが無難です。
 したがって長さ10mmのビスで基盤をアクリル板に固定しようとすると、基盤下部のスペースを4mm確保するとすればアクリル板の厚さは2mmが限度となります(Pi1では3mmを使用していました)。さらに、基盤下部のスペース4mmの確保に対応できるほど狭いスペーサーがないので、これは手作りしなければなりません。
  ※⑥のスペーサーは、透明ABS樹脂のパイプをカッターナイフで4mm幅に切断して4個作成します。

2.工具

 手元に日曜大工道具があれば十分ですが、アクリル板をカットするので専用のアクリルカッター(200円前後)を準備する必要があります。

〔工具一覧〕
  ①カッターナイフ
  ②アクリルカッター
  ③金属製の定規
  ④ドライバーセット
  ⑤電動ドリル
  (「ステンレス・アルミ・鉄工用」ドリル刃 1mm, 2.6mm, 4mmの3種類)
  ⑥当て木(かまぼこ板)
  ⑦紙ヤスリ
  ⑧ラジオペンチ

3.加工方法

(1)レイアウトの検討

1)Raspberry Piの採寸
  ボードのサイズや取り付け穴の位置を実測する。
2)加工図面の作成(写真①)
  セクションペーパーに上下両面を描き、すべての穴開け位置を作図する。
3)アクリル板への転記(写真②)
  加工図面を利用して、アクリル板の保護シートに切断位置と穴開け位置を転記する。
  ・100mm x 76mmを2枚切り出すよう線引きする。これが底板と天井板になる。
  ・2枚の四隅それぞれに、長辺から6mm、短辺から7mmに支柱用穴開け位置をマークする。
  ・底板に基盤取り付け穴を、長辺から上下各13mmの位置に、左から13mmと右から29mmの2点をマークする。

(2)アクリル板への穴開け

1)準備加工1(写真③④)
  穴開け位置にドリル刃が噛みやすいように、ドライバーセットの錐を使って窪みをつくる。
2)準備加工2
  まず1mmのドリル刃で、すべての穴の中心に小さな穴を開ける。
  当て木を敷いてドリルの刃を垂直にし、ムリな力を加えぬようにゆっくりと進める。
3)基盤取り付け穴を開ける
  底板の内寄り4つの穴に2.6mm径のドリル刃を通していく。当て木を敷き無理な力を加えぬように。
4)支柱穴を開ける
  同様に2枚のアクリル板の四隅に4mm径の穴を開ける。

(3)アクリル板の切断

1)アクリル板の切断(写真⑤)
 ・切断位置に金属製の定規をあてて最初は傷を付けるように引き切る。
 ・次第に強く欠き切るように溝を引く。
 ・溝の深さがアクリル板の厚さの1/3程度になったら、溝が外側になるように両手で曲げるときれいに割れます。
2)保護シートをはがす(写真⑥)
3)仕上
  切断面を紙やすりで磨いて仕上げる。

(4)絶縁スペーサーの作成

 透明ABS丸パイプをカッターナイフで4mm幅に切る。
 これは基盤を取り付ける際の絶縁スペーサーとして使用します。

(5)組み立て

1)2.6mmネジを基盤の穴に通し、先の絶縁スペーサーを通して底板の基盤取り付け用穴に差し込む。
2)底板裏から2.6mmネジにワッシャーをはめてナットで締め付ける。ドライバーとラジオペンチを使う。
3)以上の1)と2)を4つの取り付け穴について行います。

4)40mmネジにローゼットワッシャーをはめて天井版の支柱穴に通し、20mmスペーサーをはめて底板の支柱穴に通す。
5)裏側からワッシャーをはめてナットで締め付けて固定する。ドライバーとラジオペンチを使います。
6)残り3個所も同様に締めると完成です!!