§  超小型格安チップ「ESP-WROOM-02(ESP8266)」はどこまで使えるか?

 私事ながら、2016年11月に右ふくらはぎに肉離れを起こして山歩きができなくなり、久しぶりにArduino Unoとゆっくり向き合うことになりました。少しまとまったソフトを開発してみようと取り組んでいるうちに、メモリー不足が発生して動作が不安定になり解決策が見つからない。そのとき手元に控えていたDEVICE PLUSの「Arduinoマインコンとしても使える小型WifiモジュールESP-WROOM-02を使ってみる」に眼がとまりました。
 これは面白いとネットに検索ワード「ESP-WROOM-02」を投げると、大量の情報が返ってきてビックリ。当面の開発には十分な性能を備えている上にArduinoの開発環境がそのまま使えるので、即ためしてみることにしました。これがESP-WROOM-02との出会いです。しかしこの長々しい名前はどう呼べばいいのだろう?
 テーマは、すでに多くの事例がある温湿度や気圧センサーによる計測アプリの作成なのですが、指定条件に従った自動計測とデータの保存、Wi-Fi通信による遠隔地からの計測データ抽出指示と配信までを、ひとつのシステムとして統合することにします。

全体の構成と流れ

 かなり欲張った機能をもたせることから、以下のようにステップ・バイ・ステップで検討しながら開発を進めます。
 ボックスをクリックするとそれぞれの詳細な内容が表示されます。

Ⅰ. 開発準備と専用電源の製作  ブレッドボードにESP-WROOM-02を組み付けます。また専用電源を製作して接続し、
 PC上のArduino IDE(開発環境)を整備してMCUボードを完成させます。
Ⅱ. システムクロックの製作  電池バックアップ機能と時刻自動補正機能を持ったシステムクロックを製作します。
Ⅲ. I2Cバスと複数センサー  I2Cバスに複数のセンサーを接続して計測を制御します。
Ⅳ. データ記録とアナログ入力  SDカードを増設してデータの入出力を可能にし、アナログセンサーを追加します。
Ⅴ. 定期自動計測とデータ記録  タイマー割り込みを利用した定期自動計測とデータ記録の仕組みを実装します。
Ⅵ. Webサーバーの構築  Wi-FiによるWebサーバーを構築してWebアプリケーションを組み込みます。
 ブラウザからの計測指示やデータ抽出要求を受けて、計測・抽出結果を送信します。
Ⅶ. 完成品としての仕上げ  以上で開発した機能を統合して、自動計測システムAirMonitorとして仕上げます。
 ブレッドボード上の回路をプリント基板に組み付けてハードウェアを完成させます。