§  ESP32による近距離無線通信の実験④ Wi-Fi通信

 当初はメーカーや製品間で互換性が保証されてなくて普及が危ぶまれた無線LANですが、Wi-Fi Allianceが設立されて国際標準規格(IEEE 802.11)を設定し、その登録商標である「Wi-Fiロゴ」の使用を許可することで普及し、Wi-Fiは無線LANの代名詞のようになりました。
 そして現在、Wi-Fiは情報機器を手軽にインターネットに接続し、フレキシブルに運用できることからいたるところで利用されています。伝送距離の制約や、Bluetooth Low Energyと比べた消費電力の問題などもありますが、必要な場所に自由にネットワークを構築できる利便性とコスト面で優れることから、様々な分野で情報通信インフラの一翼を担っています。
 ここでは、『ESP32による近距離無線通信の実験① 準備作業編』で作成した計測用と監視用のデバイスをWebサーバーに仕立てて、IoT分野に絞り込んだ実験を行います。
 実験の初期段階では、ESP32をWebサーバーにするために「汎用性のあるHTTPリスンメソッド(関数)」を作成します。このメソッドを使うことで、サーバーのロジックが簡素化されわかりやすいコードを記述できます。また実験を通して、ブラウザ画面やユーザーインターフェイスをいかにシンプルに、そして簡単に作成するかについても考えます。

Ⅰ. Wi-Fi通信とHTTPのおさらい  ・LANとWi-Fi通信  ・ESP32のサーバー化 ・Webアプリケーションの基礎
 ・今後の実験予定
Ⅱ. 計測情報をブラウザーに表示  ・コード上のHTMLの記述 ・HTTPリスン処理の定型化 ・HTTPレスポンス処理
 ・コードの解説 ・動作検証
Ⅲ. 非同期サーバーで自動表示更新  ・非同期Webサーバーのライブラリー ・非同期サーバーの構造 ・コードの解説
 ・動作検証
Ⅳ. LEDをスマホから点灯/消灯  ・HTMLコードの作成 ・ボタンとLEDの動作 ・コードの解説 ・動作検証
Ⅴ. スライダーでLEDの輝度を制御  ・HTMLコードの作成 ・スライダーとAjax ・LEDの明るさ制御 ・コードの解説
 ・動作検証
Ⅵ. リレーによる電源ON/OFF制御  ・リレーモジュール ・リレーと電気回路の配線 ・コードの解説 ・動作検証
Ⅶ. 遠隔地からESP32を制御する  ・ESP32側の準備 ・通信ツール「ngrok」の導入(Windows版/Linux版)
 ・動作検証