1.三原駅〜佐木島鷺港へ
JR三原駅には9時7分に到着。出迎えのスタッフの指示に従って三原港へ向かうと、すでに大勢集まっていた。
鷺港までの切符(乗船料500円)を買ってフェリーに乗り込む。
9時25分に三原港を出港、穏やかな海だ。やがて佐木島が見えてくる。あの高いのが太平山だろうか。丘の桜が美しい。
9時50分、鷺港に到着した。黄色いジャケット姿のスタッフの皆さんが出迎えてくれる。
おや、ここでは表記が鷺島と佐木港になっている。鷺に佐木、どちらもありのようだ。
2.出発式〜幸神(さいのかみ)登山口
案内板「波光きらめく佐木島」の前に集合して、スタッフから島の特長と今日のコースについての説明を聞く。準備体操をして、10時に元気よく出発。
港に隣接した桜の丘に登って、七分咲きの花を愛でながら幸神登山口へと歩く。
途中に、映画「裸の島」ロケ班の宿泊地があり、庭に進藤監督直筆の記念碑が建てられていた。
歩道を行くウォーカーたち。生垣に囲まれた民家の庭には、満開のコゴメザクラと隣り合って大きな木にミカンがびっしり実をつけている。
長閑な島のお店は食堂かな? 暖簾の右の画架に立てかけられた黒板に「おーぷん」と書いてある。向かいのお宅の庭先では、洗濯ばさみでワカメを干している。
そして、今は使われていない牛舎。車がほとんどやって来ない道路を、ウォーカーが気ままに歩いて行く。
10時40分頃、ちょっとトロピカルな長浜海岸に到着してトイレ休憩。ここでミカン「はるみ」ちゃんのプレゼントがあり、一人ひとつづつ皮をむいて頬張る。実がプリプリしていて甘い果汁が口いっぱいに広がり、あちこちで「これは美味い!」の声。
10時57分、幸神登山口に全員集合。
3.太平山頂上に向けて
少し歩き始めると暑くなり、上着を脱ぐなどして体温調整。渓流が滝をなしており、それを眺めながら急坂を行く。
急坂を登る仲間たち。コバノミツバツツジが咲きかけている。
途中で何十人もの人たちとすれ違いながら、ぐいぐいと高度を上げていく。この島と山を愛する人たちがいかに多いかがわかる。
急な山道の先には絶景ポイントの「みはらし岩」があり、眼下に瀬戸内の多島美が広がる。
それにしても天気が心配。急に暗くなり、ポツリポツリと降り出した。
広く平らな地が拓けている千畳敷に着いた。宮島に祀られている「市杵島姫命」(いちきしまひめのみこと)が、宮島に定住する以前に大平山に登り、一時はここを安住の地に選んでいたとの伝説があるそうだ。
千畳敷の先に、島のもうひとつの山である狗山(いぬやま:251m)への分岐標識がある。
尾根道になり、向かいに太平山の山頂が見える。素晴らしい眺望を眼下してに最後のひと踏ん張り。
11時57分、幸神登山口からちょうど1時間で山頂に到着した。お昼になっているが、ここでは軽めのエネルギー補給だけで、昼食は「塔の峰千本桜」まで先延ばし。手早く、持参したチョコロールパンを頬ばった。
素晴らしい景色なのだが、暗くてカメラのレンズに雨粒がついている!
4.太平山下山〜塔の峰千本桜
山頂での滞在はわずか8分。12時5分に下山を開始する。
向田登山口へ向けての下山路は急坂の連続で、途中には鎖もあった。バランスをとりながらゆっくりと降りるが、それでもスリップして時々悲鳴が聞こえてくる。
二本松は、向田登山口と「観音さん、ねんねこ岩」との分岐点にあたる。
傾斜はやや緩くなるが、足元が滑りやすいので注意深く下りて行く。
前方が開けて果樹園に出るとやがて舗装道路になった。しだいに青空がもどってきた。
向田登山口の手前を右にとって、塔の峰千本桜方面へと畑中の道を行く。
塔の峰千本桜は小高い丘になっている。目の前が急に華やかになってきた。
5.塔の峰千本桜の花見〜向田港
桜のトンネルをくぐって丘を登り、頂上に着くと大勢の先客がくつろいでいた。もうすでに12時50分になっている。
「塔の峰ガイド板」なる石碑には、塔の峰から東西南北に望める景色と、股覗き風景が刻まれている。
眼下の風景を楽しみながらゆっくりと昼食をとる。
麓の桜は八分咲き、頂上は二〜三分も咲いているだろうか?わずかな高さの違いなのに面白い現象だ。
丘を下りながら、これはもう「Viva ソメイヨシノ!」
そして、「Viva 山ガール!」。向こうの斜面には菜の花とミカンが同居している。
こうして、塔の峰千本桜を後にして向田港に到着。
港の広場では、テント販売している「はるみ」ちゃんを買い、さらにお土産のミカンをいただいてフェリーに乗り込んだ。
14時30分に向田港を出港。楽しい山歩きと美味しいミカン、そして親切な島のスタッフの皆さんに感謝だ。