1.富山駅~室堂ターミナル
5時の目覚ましで起き出し、ホテルの窓のカーテンを開けると真っ青な空。「グー」と右の親指を突き出して準備を開始する。コンビニで朝食のパンや牛乳などを買って富山駅へ急ぎ、電鉄富山駅へは6時前に到着した。
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電鉄富山駅出発は6時10分。20名ばかりのハイカーたちと共に乗り込み、1時間13分かけて立山駅へ向かう。
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立山駅には7時23分に到着して切符売り場へ駆けつけ、室堂までの往復切符を購入する。往復を購入すると割り引きが適用されるのでお得。長い列に並んで買ったのだが振り返ればなお長蛇の列。ケーブルカー乗り場のディスプレイには室堂の温度が「9.3℃」と表示されている。
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8時発のケーブルカーに乗る予定だったが7時40分に出発。立山黒部アルペンルートは状況に応じて弾力的に対応してくれるのが嬉しい。ケーブルカーは美女平までの標高差502m、平均勾配24度をわずか7分で引っ張り上げる。
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美女平からのバスは8時20分でかなり待つことになるが、これも7時50分に出発して室堂ターミナルには8時40分に到着した。紅葉は弥陀ヶ原を過ぎたあたりから色濃くなり、ナナカマドの赤が美しい。しかし満員バスの補助席に座っていたので、車窓の風景を撮影できなかったのは残念。
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2.室堂ターミナル~室堂山荘広場
室堂ターミナルの外へ出ると、手持ちのカメラで撮影してくれるサービスがある。利用したらこんな写真ができた。手前は雷鳥の置物、立山が青空に映えている。広場では大勢のハイカーたちが出発の準備をしている。
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広場には立山開山伝説の地である立山玉殿(たまどの)にちなんだ「立山玉殿の湧水」があり、水を補給したり飲んだりしている。雄山直下から湧き出す水で、全国名水百選に選ばれている。「立山」と刻まれた石碑の前で記念写真を撮りたいのだが、待ち行列ができているのでここですませる。
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バスが室堂に近づくと見えてくる剱岳の険しい姿は印象的だが、この位置からはその一部が見えるだけ。9時16分に一ノ越・雄山への道を歩き始める。
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足元にはヤマハハコの花。草原は草紅葉が美しい。
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チングルマの穂が同じ方向になびいている。葉は草紅葉の主役で、ナナカマドに負けない深い赤で彩る。
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一ノ越への道は石畳で歩きやすい。左手に立山室堂山荘が近くなった。
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室堂ターミナルから10分ほどで室堂山荘西側の広場に到着する。真っ青な空、最高の天気だ。ベンチに腰を下ろして、東に聳える雄山~大汝山~冨士ノ折立を眺める。当分ここに留まっていたいような風景だ。南には浄土山とこれから登る室堂山が聳え立つ。
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タテヤマアザミとコウゾリナが咲いている。どちらもいささか草臥れているようだ。
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3.室堂山展望台を目指して
室堂山へ向かう道にはすでにたくさんのハイカーたちが登っている。室堂山荘広場では20分あまり山に見とれて過ごす。ふたたび一ノ越・雄山の道を進むと、すぐに「室堂山・浄土山」への道標が現れて右折する。
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ミヤマリンドウの可愛い花が咲いている。このあたりもヤマハハコが多い。
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石積みの階段を浄土山へ向かって登って行く(正面の三角山が浄土山)。すぐ後ろを相棒が一生懸命がんばっている。背後には室堂平が広がり、ふたこぶの大日連山が横たわる。
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道端に笹が多くなり、やがてハイマツが取って代わる。
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室堂平と室堂山展望台との標高差はわずか225mなので、楽に登れると思っていたのだがそうでもない。相棒は急坂と足場の悪さに手間取っていて、少し進むごとに小休止を繰り返す。石ころの多い坂道をつまずかないように登る。山腹にはまだ雪だまりが残っているところもある。
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かなり登って来た。ベンチが設置された休憩スペースがあり、ふり返ると室堂ターミナルから歩いてきた道を一望でできる。みくりが池が美しい。
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初めて雄山へ登った時のように高山病的な体調変化はないが、空気が薄いようで息が切れる。浄土山登山口に到着してもう一踏ん張り、展望台までは300mだ。
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展望台が見えてきた。ハイカーがひしめき合っているかと思っていたのだが、滞在しているのはわずか数人である。多くは浄土山へ登っていったのだろう。
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4.室堂山展望台風景
展望台に立ったとたん、広がる風景に思わず息を呑む。
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南には北アルプスの山々を一望できる。
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写真左は槍ヶ岳、奥穂高岳、赤牛岳。右は笠ヶ岳、黒部五郎岳。
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薬師岳とその手前には雪渓が残る五色ヶ原。五色ヶ原山荘も見えている。ぐるりと首を右に振ると大日連山だ。
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五色ヶ原には鳶山(とんびやま)の大崩壊跡が凄い地形を形成している。その右(西側)には立山カルデラが広がる。弥陀ヶ原の一角が何回も崩壊してできた大きな凹地である。遥か遠くに白山が見えている。
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展望台でくつろぐ相棒。自然が創り出したダイナミックな景観に満足しているようだ。で、自分も被写体になってみる。
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狭い岩場に貼り付いている生命。左上はチングルマともうひとつは判らない、右上はシラタマノキか? 左下はミヤマダイコンソウ、右下はタカネヨモギ。
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5.室堂山荘方面へ下山
雄大な眺望に魅了されておよそ1時間、雲が増えてきたのでようやく下山を開始することに。浄土山登山口が近づくと賑やかな声が聞こえてくる。浄土山から下山するタフな感じの4人組が通過するのを待つ。
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すぐ脇に縦方向の板状節理が露わになっている。下の方から大勢のヘルメットが登ってくる。中学生らしい数十名のグループと引率の先生たちで、このあたりで講義をするのでどうぞと言われて通過する。元気な挨拶が気持ちいい。
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慎重に足場を選ぶ相棒は手間取っている。のんびりした進行だが、それでもベンチのある休憩所が近くなった。
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浄土山をふり返ると雲がかかっている。やがて石畳の道に戻り歩きやすくなった。
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雲の動きを見ながらゆっくりゆっくり下りて、室堂山荘広場には12時54分に帰り着き10分間の休憩をとる。
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6.室堂平散策
展望台では軽食をとったが昼食はまだ。どうしようかと相談したが、引き続き室堂平を散策することに決定。まず、現存する日本最古の山岳宿泊施設「立山室堂」に立ち寄り、立山室堂山荘の脇道を通り抜ける。
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みくりが池回遊路を雷鳥沢方面へと進む。歩きやすいコンクリート道だが、石ころ道の感触が残っていてバランスが崩れそうだと相棒。
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写真では尽くしがたい紅葉風景。浄土沢に向かって色とりどりの模様が描かれている。
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雄山が映り込んだミドリガ池。周辺のハイマツに実がついている。
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展望スポットで剱御前の方を眺めていたら、建築資材を満載したキャタピラー運搬車がやって来た
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ガスがかかってきた浄土山が写るミドリガ池を見てぐるりと廻り、雷鳥沢方面へと踏み込む。
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広場に火山ガス情報ステーションがあり、警報のパトライトなどが設置されている。その先の広場にハイカーたちがいるので出かけてみる。
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ここは地獄谷を展望できるエンマ台だ。向こうには紅葉の奥大日岳が煙っている。地獄谷からはもうもうと火山ガスが吹き上がっている。
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湿地に点在する水たまり。ここからは色が分からないが、酸化鉄で赤くなっているものは血の池と呼ばれるそうである。谷間を真っ黄色に染めているのはイワイチョウだろうか。
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標高2,430mに位置する日本で最高所の温泉宿「みくりが池温泉」に着いた。ここからも地獄谷を観察できる。歩道が見えるが、火山ガスと噴気活動の活発化によりガス中毒のリスクが高まっていて、平成23年度から通行止めになっている。
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風に乗って硫黄の匂いが流れてくる中をみくりが池へ下りる。山にかかったガスが晴れるのを待って、さざ波のフィルター越しに映り込んだ雄山をカメラに収める。
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みくりが池温泉が遠くなったころから始まる階段は疲れた足にキツい。それをこなすと室堂ターミナルが見える石畳になる。
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室堂ターミナルに帰り着いて、スタート時より混雑が緩和している石碑の前で記念写真を撮影する。すでに午後2時を過ぎていて腹ぺこ状態。2Fの立ち食い蕎麦店へ飛び込んで、楽しみにしていた白海老かき揚そばを食べる。「立山」の文字入りカマボコや山菜が入っていてボリューム満点。かき揚げのサクサク感と白海老の風味を楽しんだ。
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