1.新三田駅から有馬富士公園へ
岡山方面から普通電車と新快速で、姫路・尼崎・川西池田と三度乗り換えて新三田駅に着いた。10時30分にスタートし、駅前を左折して線路をくぐり抜ける。
交差点を渡って北摂里山街道を直進する。ここ数日は梅雨らしからぬ天候だが湿度は高い。それに猛烈に暑い。わずかな勾配の坂道なのだが、進むに連れて汗が噴き出してくる。
汚水マンホールの蓋が面白い。三田市のマスコットキャラクター、きじの「キッピー」がデザインされている。大気が不安定で雷雨が予想されるとの予報と、移動途中に車窓から見たゲンコツのような雲が気になって、とにかく早く行動しなければなどと考えながら急ぐ。
「ありまふじ橋」が見えてきた。その先の左が有馬富士公園の正面入口だ。
2.有馬富士公園~有馬富士登山口
駅から25分のウォーキングで大汗をかき、とりあえず水分補給と小休止。パークセンターが見えるのだが、天候を考えるとゆっくりできない。
広い駐車場の向こうには立派なトイレが設置されている。パークセンターを奥に進むと自然学習センターがあり、その左側へと入って行く。
箱のような小屋があり、丸窓を通して有馬富士が見える。階段を下りて行くと、オブジェの石柱が林立した庭園の向こうに有馬富士。
福島大池の遊歩道に下り着いた。広々とした水面に暑さを忘れるひと時。ゆっくりと東に向かい、ビューポイントから有馬富士の姿を眺める。右の裾野の東側登山口まではかなり距離がありそうだ。平日にもかかわらず何人もの歩く姿がある。
福島大池を反時計方向にたどると東詰に花菖蒲園がある。イノシシ侵入防止のフェンスを開けて、木道を東屋の方へ向かう。
東屋で水分補給の小休止、とにかく暑い。すぐそばに「有馬富士登山道」の道標がある。
なだらかな道を行くと蕎麦の花かと思われる一面の白。近づくと、よく見かける雑草だった。ヒメジョオン(姫女菀)という憶えにくい名前だが、花弁が細くてきれいだ。この花はとても繁殖力が強い。
「棚田園路<-->有馬富士登山道へ」の分岐道標だ。と言うことは、ここは登山道ではなくて、登山道への道ということになる・・・。直進して林を通り抜ける。
道端に番号を書いた杭がある。後でわかったのだが、園内の道には50mごとに杭が設置されていて、この番号で場所を特定できるそうだ。「緑の少年団・活動の森」の標識が立っている。
小粒の砕石が敷き詰められた道の右に広い駐車場が見えてきた。生垣のハナツクバネウツギは花が溢れている。
満開のヤマアジサイが谷を埋める。すぐに「芝生広場」に到着した。この一帯もよく整備されている。
登山口を目指して車道を歩きを始めると、フワフワの花を戴くネムノキ。その向こうには真っ赤なモミジ。
閑かな山中の道ながら、僅かな時間に車4台と出会った。途中にあった案内板の記憶を頼りに進んでいたら、左側に登山道の標識が見えてきた。
3.頂上広場~有馬富士山頂
公園で行動を開始して40分、ようやく登山口に到着した。実際の姿よりウンと恐い「まむし注意」の掲示板。
日陰が増えてほっと一息。急な階段を登り始めるとすぐに古墳があった。
木の根の道と階段とをひたすら登って行く。
わずか10分ほどで頂上広場に到着する。休憩所があり「ひと休みして下さい」と記されている。木が茂って展望がきかないので、飲み物を口にしただけで移動を続ける。
「わんぱく砦をへて山頂へ」の道標。平坦な道をどんどん進む。公園と違って誰とも出会わない。
わんぱく砦に着いた。「注意 気をつけて登って下さい」とある。最初は難なく登り始める。
バランスを取りにくいところは草木に力を借りて登る。やがてロープが現れるが、ここはロープに触ることなく通過。
ところが、一見つるりとした岩は滑りそうで、手足を使ってよじ登り、最後の岩場も四つん這いでよじ登った。写真ではわかりにくいが傾斜は急だ。
登り詰めた所に男性が立っている。四つん這いから立ち直りながらの対面で、これはちょっと気恥ずかしかった。実はこの男性、ここを下りたものかどうかと思案中とのこと。下を覗き込むと「あ~怖~」。風景を眺めながらしばらく話し込んで別れる。
山頂に着いたら、直前に到着した女性が三角点標石にタッチしていた。遅れている同行のご主人を置いてさっさと登ってきたらしい。やはり女性は強いと感心しながら、山頂標識と標石を撮影する。
その女性のお勧めで、山頂から南に張り出した一角に下りる。六甲山系を一望できるビューポイントである。しばらくしてご主人が到着して休む間もなく下りていった。自分はここでランチタイムとする。心配していた天候がすっかりよくなり、のんびりとくつろぐことができた。
4.西側ルートを下山して帰路に
下山は西側のルートを選ぶが、山頂に近い部分は急な岩場が多くて気を抜けない。
階段をしばらく下りると、頂上広場と下山道の分岐がある。水平にたどると頂上広場に出るらしい。
ここは下山道を目指して右の階段を下りて行く。
左側に覆い被さるようなシダの群生が続く。千丈寺湖と芝生広場の分岐になり、芝生広場へ向かう。
平坦な道になった。少し進むと再び先ほどと同じ道標が現れ、同様に芝生広場へ向かう。
芝生広場・パークセンターへの道標にしたがって、笹薮の細道をしばらく歩く。
またもや芝生広場・パークセンターへの道標があり、その方向に進むと芝生広場に隣接した東屋の建つ広場に出た。
往路に戻りついた。これを逆にたどって「有馬富士登山道」の道標へと帰着した。
もう天気の心配もないので、引き続き福島大池を反時計方向に半周してパークセンターへ戻ることにする。古民家に立ち寄ってみたら、実は立派な茅葺き屋根の古民家風新築民家だった。当番の管理人さんと立ち話、「こんなに暑いと誰も来ない」。確かに目眩するほど暑い。設置されていた募金箱に小銭を投入して早々に移動する。
福島大池の北端を左折してパークセンターに向かう。少し歩いた位置から先ほどの古民家を振り返る。
福島大池の南西端に着いた。遊歩道に架かる橋の両側に溶岩のような岩が貼り付いている。これは火山岩の一種の流紋岩だそうである。
最後に振り返って有馬富士の姿をもう1枚。この有馬富士公園周辺は四季を通じてウォーキングを楽しめそうである。涼しい季節に、北にある千丈寺湖を含むコースを歩いてみたいものだ。
14時30分にパークセンターへ戻り、十分に水分補給をして帰路に。空は晴れ渡り太陽がギラギラ、帽子を深くかぶり、サングラスに長袖シャツと指なし手袋で身を固めてゴー! 新三田駅にはびしょ濡れ状態での帰着となった。