名 称

だいもんじやま

所在地

京都市左京区

標 高

465m

山行日

2011年4月5日

天 候

快晴

同行者

相棒と

アクセス

京都市営地下鉄東西線・蹴上駅下車

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

蹴上駅(地下鉄東西線) 10:58ねじりマンポ 11:06インクライン 11:16日向大神宮 11:30〜11:36
七福思案処(昼食) 11:55〜12:25大文字山四つ辻 13:35大文字山山頂 13:39〜13:55
大文字火床 14:20〜14:34哲学の道周辺 15:15

1.出発〜スタート地点

 JR岡山駅発8時6分の新幹線こだまで姫路まで出て、新快速で山科に向かう。山科ではコンビニで昼食弁当を買い、地下鉄東西線に乗り換えて蹴上には11時前に到着した。蹴上駅の案内地図板の前にはウォーキング姿の女性たちが見える。
 この蹴上駅が今回のスタート地点だ。

2.ねじりマンポ〜インクライン

 満開の桜の下を「ねじりマンポ」に向かい、通り抜ける。入口の右にトレイル標識31が見えている。

 かつては、琵琶湖疎水を上った船を丸ごと乗せて陸へ引き上げていたインクライン。近代遺産にも指定されている大がかりな構造物跡の傾斜を進み、左手の階段から疎水を跨いで行く。

 橋の右下には、琵琶湖疎水に煉瓦造りの建造物が映えている。インクラインを動かすためにつくられた日本初の水力発電所で、琵琶湖疎水を利用している。現在では用途こそ変わっているものの、現役で稼働中である。

3.日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)〜七福思案処

 山道にさしかかると2枚の掲示。里山で頻繁に出没しているイノシシに加え、ここではニホンザルまで出るらしい。「陵ケ岡(九条山地区)に出没する猿は凶暴です」と但し書きがついている。

 日向大神宮の鳥居が現れて道が3本に分かれる。右の鳥居へと進むと境内に至り美しい外宮がある。外宮手前には能舞台も建っている。

 さらに一段高いところに本宮があり、敬虔な気持ちでお参りする。

 ここには天の岩戸があり、「開運厄除の神天の岩戸くぐり」と表示されていた。手前の穴を直進して左折するようにくぐり抜ける。
 なお、境内手前の階段の途中には観光トイレがある。ここから先はしばらくトイレがないので、必ず用を足しておくこと。

 でこぼこ道、穏やかな道、根っこの張り出した道をどんどん進んで行く。
 やがて五差路の七福思案処に着く。蹴上からの2本のルートと、南禅寺方面、山科方面、大文字山方面のルートの交差点だ。
 時計は11時58分。スタートからまだ50分ほどだ。
 ゆったりとした日だまりがある平地に、ビニールシートを広げて昼食にする。食事中にカップルがやってきて挨拶。そばのベンチで休憩して先に発っていった。

4.大文字四つ辻〜大文字山頂〜大文字火床

 ゆっくりと休憩して12時25分に出発。歩き始めると眼下の谷に、大きな竹細工の篭のようなものが見える。送電鉄塔のようでもあるが何か判らずじまいだ。

 今回初めて使用するストック。こんなスタイルで凸凹道をすいすい歩くので、トレイル標識41付近では、先に会った二人が昼食をとっているのを追い越して「お先に〜」。

 両側が林で見通しの悪い道が続く。向こうからきれいな外人の娘さんがやって来るのが見えたのと同時に、左側にポッカリと穴が空いたように景色が広がる。手前左には平安神宮の大鳥居が見え、しばらく美しい景観に見とれる。

 路肩が谷へと落ちている道や根っこ道などを根気で前進する。

 そして13時35分、ついにトレイル標識45の大文字山四つ辻に到着した。大文字山を示す手製の案内板がナビゲートしてくれる。京都一周トレイルのコースからは外れるが、大文字山頂行きは最初から計画済みで、コンディションがよければ火床まで行きたいと思っていた。
 この時間とコンディションで、とまどう理由はまったくなし。山頂までは200mほどなので即前進。

 前方が急に開けて、建設省国土地理院の「菱形基線測点」の碑と人影が見えてきた。ちなみにこの基線測点は地表の歪みを知るために設置されたもので、4つの観測点で一つの菱形基線を形成している。
 眼下には絶景が広がり、しばし風景に見入った。やはりここまで来てよかったと得心する。

 そして相棒は、双眼鏡で下界ウォッチング。京都御所や平安神宮がよく見えたそうである。
 そのすぐ近くに設置されている三等三角点をカメラに収めて出発だ。

 山頂から火床までの距離は650mほどのはずなのだが、なかなか行き着かない。途中、息を切らせながらすれ違うトレイルランの若者2〜3人。さらに、銀閣寺から登ってきた青息吐息状態の母親を含む家族もいて、先頭を行く父親の不機嫌な様子が印象的。
 そのうち、汗だくの3人娘に出会ってルートを確認。火床という言葉が通じなかったのだけれど、もうすぐそこと聞いて安心。しかしそれからも、なかなか先が見えず路面の険しい下りが続く。
 ああ、やっと視界が開けた。もうすぐだと確信した風景がコレ!

 そして14時20分、ついに火床に到着した。しかし火床といっても、あの大きな文字をつくるのだから、これはほんの一部。他の部分はどうなってるんだ?あの町の一角から、ここはいったいどのように見えているのだろうか。

 眼下には急角度の階段がはるか下まで続いている。その階段を一組のメンバーが上ってきた。これなら息切れするのはムリもないと納得する。
 そんなことなどお構いなく、上では大勢のウォーカーが絶景を楽しんでいる。

 山頂からここまでの道程を振り返ると、もういちど四つ辻に戻る気はとうに消え失せている。しかし、この階段を降りるのも楽ではなさそうだ。
 そんな折り、一団が下山を始めた。うむ、やはりここから銀閣へ降りるのが正解かなと決心する。ただこのルートを選ぶと、コースのかなりの部分をショートカットすることになってしまうので、それをどうするかは銀閣寺に着いてから考えることに・・・・・。
 気がつくと、こんなにゆるりとくつろいでいる人もいたりして。

 すぐ下に大の字の中央部があった。大師堂があり弘法大師をお祀りしている。

 「+」の形。これが大の字の中心になる火床なのだろう。
 おっ!大学生らしい娘さんが大の字になって撮影中。隣からお姿を1枚いただきました。
 このポーズを指南したのは同行の教授らしき御仁。この御仁は、京大の学生たちが娘さんの立っている向こう側のレンガから首だけ出してずらりと並び、「さらし首」撮影をやって喜んでいたという話もしておった。

 下り始めた坂道に沿って並ぶ火床。これは大の字のハネの部分かな?
 その階段を下りてくる相棒。下りは苦手なのだが、ここはよく整備されていて段差が小さいこともあり、足を前に出すだけで降りて行ける。まるで空を歩くような感じで快適だ。

 何百段を歩いたのだろうか。平地に近づくとビニール梱包した材木の山がびっしり。カシノナガキクイムシを薫蒸駆除している光景だ。
 緩やかな坂道を銀閣寺方面へと下りて行く。

5.哲学の道周辺〜帰路に

 銀閣寺そばの哲学の道には大勢の観光客。15時15分にトレイル標識51に到着した。
 この後、銀閣寺に出かけ、外からの拝観ではあったが法然院、安楽寺、霊鑑寺にも足を運ぶことができた。
 そして今回のゴール標識54にタッチして、北白川仕伏町から市バスで四条河原町へ。名代「おめん」の四条店にて反省会をもち、京風の味に舌鼓を打ちながら春の宵を堪能することになった。