名 称

かんなべやま(かんなべこうげん)・かんなべようがんりゅう

所在地

兵庫県豊岡市日高町

標 高

469m

山行日

2016年8月19日

天 候

晴れ時々曇り

同行者

相棒と

アクセス

JR山陰本線・江原駅

マップ

〔神鍋山〕

〔神鍋溶岩流〕

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

江原駅 11:12~12:47(全但バス:神鍋高原行き)神鍋温泉ゆとろぎ前バス停 13:19
道の駅「神鍋高原」 13:21~13:24神鍋山山頂展望台(噴火口周辺散策)13:49~13:59
神鍋温泉ゆとろぎ前バス停 14:16~14:25(全但バス:江原駅行き)山宮バス停 14:38
清滝遊歩道入口 14:53(滝巡り)テリガシ滝 15:26山宮バス停 15:37~15:53
江原駅帰着 16:11

1.JR江原駅~道の駅「神鍋高原」

 姫路からJR播但線で和田山へ着き、山陰本線に乗り換えて江原駅に降り立った。駅舎を中心に洋風屋根が延びるバス乗り場は落ち着いた雰囲気だ。時刻は11時12分、バスの出発まで1時間半以上あるので昼食をとることにした。駅周辺を歩いてみるが猛烈な暑さに目眩しそうで、近くの軽食喫茶店に腰を落ち着ける。

 今回はいつもの山歩きと違って約3時間のウォーキングなので、比較的時間に余裕がある。バスの時間までゆっくりと食事をして、予定どおり12時47分のバスで神鍋方面に向かう。

 車内の停留所表示が次々に変わってゆく。ところが、降車予定の「但馬ドーム」が、いったん表示されてすぐに別の停留所名に切り替わった。一時的なクラッシュかと様子を見るが、但馬ドームの屋根らしきものが近づき、遠ざかって行く。乗り合わせた人に尋ねると、平日は但馬ドームに入らないという。これは、大変なことになった。
 それならば神鍋山に登ることにしようと急遽予定を変更。道の駅が登山口に近いと知っていたので、その近くの「神鍋温泉ゆとろぎ前」で降車した。

2.神鍋山へ登る

 山歩きにはいつも地図を携帯するのだが、今回はまったく準備できていない。山頂まで30分ほどと近いのでルートに問題はない。道の駅「神鍋高原」に立ち寄り、近くにいた土地の人に道順を教えていただいて歩き始める。道の駅左側に設置されている「とよおか観光マップ」の前を右折し、その次を左折して進む。オヤッ、相棒の顔が山歩きの顔に変わっているゾ!

 スキーシーズンにオープンするのだろうか、今は閉じている店が3店ばかりあり、右手の緩斜面にはリフト風景。

 突き当たりに立っている道標に「噴火口」と記されている。そうだ、神鍋山の山頂には火山の噴火口が残っているので、ぜひこれを見なければならない。道標の方向には「関係車両以外進入禁止」の車止めが設置されており、その脇を進む。

 真新しい道標には「神鍋山山頂(噴火口)1km」とある。道辺にはいくつもお地蔵さんが祀られている。道標のすぐ先には「十一面千手千眼観世音」。

 豊かなコナラの林に陽差しが遮られて涼しい。どこまでも路面が舗装されているので、トレッキングシューズよりウォーキングシューズかスニーカーのほうが良さそうだ。

 道中に咲いていた花。紫はクガイソウのようだが葉が付いていなくて、ミソハギのようでもあるが色が違っていて、何か分からないなぁ。その先にはハギが花を付け始めている。

 これはフウロソウの仲間かな? そしてツリガネニンジン。

 こんな可愛いお地蔵様もいて、近くのムラサキツメクサとバッタをツーショット。このあたりにはシロツメクサもたくさん咲いている。

 山頂休憩所まで0.1kmの道標。逆の方向へ0.5km行くと市民農園があるようだ。山頂が近づくとほとんど傾斜がなくなった。

3.神鍋山山頂風景

 山頂展望台に到着、道の駅からちょうど25分かかっている。展望台中央には可愛いラビットを刻んだ方位盤が設置されている。まずは神鍋温泉ゆとろぎ前バス停でメモしたバスの時刻をチェックし、14時25分発のバスに間に合うよう下山することに決定。そうすれば一部の滝巡りもできそうだ。

 東にはゲレンデとリフト、その向こうに大岡山(652m)。南の山は雲に覆われている。

 左の写真は南東の風景。左端の屋根は但馬ドームで日高町名色(なしき)の街が広がっている。遠くに山々が見えるが山名は同定できない。右は南の風景で、ブルーリッジホテルと雲が晴れて蘇武岳(そぶがだけ:1,074m)が見えてきた。

 山頂中央部に噴火口があるのだが、底が深く周辺に草が茂っていて全体の形をとらえにくい。周囲750mの噴火口に沿って時計回りに90度ばかり進んだら、やっと全容が明らかになったが底部までは見通せない。

 この辺りは火山岩が表出していてまだら模様になっている。さらに90度進んだ位置に神鍋神社と東屋が見えるのだが、時間が押しているので前進はここまで。ピラミッド型のケルンのような神鍋神社と東屋をズームでカメラに収め、展望台へ引き返す。

 ヤマボウシの実がもう熟し始めている。「道の駅・神鍋高原 1.2km」の道標、下山開始だ。

 下山途中に、登りでは気づかなかったハナツクバネウツギとサルスベリの花。

 山登りは嫌がるがウォーキングは大丈夫な相棒、急な登りさえなければ元気いっぱい。どんどん下りて神鍋高原体育館が見えてきた。その手前のグランドゴルフ場では数名がプレイ中、さらに奥にはリフト乗り場がある。山頂展望台から17分で神鍋温泉ゆとろぎ前バス停に帰着し、余裕を持って江原駅行きに乗車する。

4.清滝遊歩道入口から滝を巡る

 10分少々走って山宮(やまのみや)バス停で下車する。進行方向の「チェーン脱着・休憩ゾーン」の標識に向かって歩く。

 右手にチェーン着脱スペースがあり、スキーヤーの像を戴く時計台が立っている。駐車スペースと立派なトイレ棟がある。

 ここは神鍋溶岩流の東端にあたり清滝遊歩道の入口になっている。

 さっそく遊歩道に踏み込むが、「熊の目撃情報があり、鈴やラジオを鳴らすよう」との掲示。久しぶりに熊鈴を取り出して身につける。何とも涼しげな小径に嬉しくなる。

 「せせらぎ」は浅瀬に水が流れている所、また、その流れ・音。「せせらぎ淵」に立つと上流から微かな流水の音は聞こえてくるが、穏やかな淵を閑かさが支配している。

 この風穴は火山活動によってできたものだ。どうして「貞(てい)さん風穴」と呼ぶのか分からないが、写真のような穴が認められた。つい先日、神社脇の穴を覗き込んだ男性が中に居たツキノワグマに噛みつかれた事件があったのを思いだして、そっと立ち去る。

 渓流と岩場、木々に挟まれた階段と起伏のある坂道など、山歩き同様に変化があって楽しめる道だ。

 「ネエ滝」も名前の由来は分からないが、小径に似合った好い滝だ。

 細い稲葉川の流れに沿った杉林の道を行く。

 「泥淵」は泥が溜まりやすいのでそう呼ばれるのだろうか? 上流に「泥淵の滝」があるらしいのだが、水量が少ないせいか観ることができなかった。

 その先には適当な傾斜の起伏があり、木段歩きも楽しめる。階段の間には溶岩が埋もれていた。

 「棚田小滝」は棚田のような地形を水が流れている。落差が小さいので小滝と呼ばれるのかな?

 「畳滝」である。大きな滝壺があり幅広いのだが、水量が少ないので細い滝になっている。すぐ上流にも小さな滝があり二段滝のように見える。

 時間とルートの関係でここが最後の滝になる。その名は「テリガシ滝」で意味は不明。幅が広くて流れも太く、今回いちばんの滝らしい滝を観ることができた。深呼吸をして渓流から離れる。

 ウウッ、暑い! 車道(国道482号)に出て山宮バス停まで強烈な陽差しの下を歩く。思っていたほど距離がなく10分ばかりの歩行だったが、汗が噴き出した。再びバスで江原駅に戻り、往路と同じコースを姫路方面へ向かう。
 今回の計画、山登りが先行した話なら二人旅は実現できなかっただろう。それだけに、ハプニングで神鍋山に登れたのは実にラッキー! それにしても、急坂さえなければ元気な相棒、姫路での夕食のことなどを話しながら呑気な二人旅は続く。