1.南海電鉄河内長野駅~登山口
高速バスで「なんば」に着き、格安料金の「金剛山ハイキングきっぷ(南海電鉄)」を購入。予定どおり無事、河内長野駅に着いてバス停へと降りる。
河内長野駅前から南海バスで40分ばかり、金剛山登山口にやって来た。
バス停そばにはトイレがあり、その付近で準備を整えて、すぐ先の千早城説明板のそばにある石段へと足を運ぶ。ここが今回の上りルート「千早本道」への入口である。
2.山頂へ向けて
石段の傾斜はきつい。相棒は手摺りをたぐるようにしながら登ってきた。ところが、登り着いたとたんに石鳥居の向こうに次の石段が待っている。いきなり息が上がってくる。
20分ほどでようやく急勾配の石段を脱出し、楠木正成の千早城跡に到着した。樹木に囲まれた広場でしばし涼をとる。
一対の石灯籠と狛犬の向こうにある鳥居をくぐり、石段を上がると千早神社である。
立派な本殿があり山行の無事を祈る。土間の帚目が美しい。境内には摂末社の優美な姿。
先に進もうとしたら男性が足早に戻ってきて、「この道で間違いないのかぁ、どうもおかしい気がする」。そこへ後続のカップルがやって来て「引き返そうか・・・?」。地図を示してこの道に違いないことを説明し、確信をもって進む。
初めて一人で歩けば不安がつのってもおかしくない道ではある。ややあって目標の休憩所に到着、やはり間違っていなかった。
平坦で歩きやすい山道を行くと、やがて緩やかな下り坂が続く。
そして、金剛山登山口バス停手前の駐車場側からの登山道と合流する。このあたりが二合目になる。
ここから木段の連続になる。登り慣れた人たちが足早に過ぎて行く。
カメラを向けると相棒は笑顔、でもしんどそうだ。ようやく四合目を通過する。
午後1時が近く、小さな空き地を見つけて昼食をとることにした。
昼食が終わって歩き出すとすぐに五合目の「のろし台跡」。以前はここに「のろし台一本木茶屋」という売店があったらしい。
近くに未だ新しいトイレが設置されていて、なぜかその正面にウルトラマンとバルタン星人の石像が奉納されていた。
五合目を過ぎて元気が出たのだが、どこまでいっても木段ばかり。眺望がきくところもなく、ひたすら階段を踏んで行くほかない。それにしてもこの階段も山道も、実によく整備されていて気持ちよく、これ自体がひとつの美的空間を形成していると言えなくもない。
九合目の道標だ。「近道」と「楽な道」の分岐なのだが、「楽な道」は通行止めゆえ急階段の「近道」へと向かう。
3.山頂散策
少し緩やかにはなったが、最後まで続く階段を登って広場に出た。「金剛錬成会員50回以上登拝者名」の掲示板にはものすごい数の名札が掛けられている。
16日に通過した台風18号により、100回以上登拝者名の掲示板が無惨になぎ倒されている。1000回以上の掲示板は無事だ。それにしても、かくもおびただしい名札には感服。
遊歩道を山頂展望台へと進む。おおぜいのハイカーがくつろいでいる。親しくなった御仁のお勧めにあずかり、相棒と並んでシャッターを切っていただく。
すばらしい眺望を楽しんでから転法輪寺にお参りする。
地図をにらみながらあちこちを歩く。葛城神社の方向から下山しようと歩き始めるが、やって来たカップルに別ルートの方が歩きやすいと教えられて変更。引き返して「葛城家歴代御廟所」前を回り込むように進む。
金剛山ロープウェイに向かっていると「出迎え不動・湧出岳(一等三角点)・一の鳥居」とロープウェイとの分岐道標がある。湧出岳に登りたいと思っていたので「出迎え不動」の方へ駆け上がる。
上がった先は葛城山と紀見峠の分岐で、ダイヤモンドトレールの金剛山ポイントだった。
出迎え不動さんにお参りして、道標の近くから湧出岳に駆け足で登って行く。
山頂には金剛山展望塔(金網柵があり上れない)と電波塔があり、その奥に一等三角点が設置されていた。
引き返して「ちはや園地」に向かう。伏見峠に出て伏見林道を下りる予定だが、すでに15時半になっているので急がなくてはならない。
途中の金剛山展望台に上がる。さすがの眺望であり周辺の山々の案内板などもあったが、時間の関係で楽しむ間もなく降りる。
4.ロープウェイでの下山
香楠荘を通り過ぎたあたりに土地の人がいたので伏見林道への道筋を確認する。ところが、台風の影響で林道手前の念仏坂が沢状態になっているとのことで計画を変更。金剛山ロープウェイで下りることにして、右折れの山道に入る。
途中にキャンプ場の炊事場などがあり、それを過ぎると「星と自然のミュージアム」に出た。
ビジターセンター前を過ぎてしばらく行くと、ロープウェイの金剛山駅が見えてきた。
「村営金剛山ロープウェイ」と書かれた車が停まっていて、このロープウェイが千早赤坂村の運営であることを知る。小型ながら46人定員の車体。駅到着の数分前に16時ちょうどが出た後で、16時30分の最終便に乗ることになった。
最後に駅舎の姿をパチリ。ちなみにこの駅、周辺がきれいに整備・清掃されていてトイレも清潔。時間待ちの間、外に設置されているベンチでゆったりとすごすことができた。
ロープウェイは約6分で千早駅に着く。が、この後が大変なことになった。「千早ロープウェイ前」というバス停の名称から、ロープウェイ駅前にバスが横付けしていると思っていた。ところがまったく様子が違ってバス停が見あたらない。降車客に尋ねてみたが皆さん乗用車利用ということで、バス停への道筋が判然としない。
バスの発車時刻がせまるなかを、とにかく下へ降りるほかなかろうと小走りで急ぐ。ようやくたどり着いたバス停は馬蹄形になっており、その遠いエッジに1台停車しているが行き先掲示板が見えない。バスに駆け込んだとたんに発車し、行き先も正しかったようで、かろうじて帰路の足を確保できた次第。
今回の教訓は、「登山口へのアプローチは綿密に調べておくこと」となった。