名 称

まやさん

所在地

神戸市灘区

標 高

702m

山行日

2014年3月9日

天 候

晴れ

同行者

なし

アクセス

神戸布引ロープウェイ・風の丘中間駅下車

マップ

〔市ヶ原~摩耶山〕

〔摩耶山~記念碑台〕

〔記念碑台~ガーデンテラス〕

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

ハーブ園山麓駅 10:50風の丘中間駅 10:55市ガ原「櫻茶屋」(軽食・小休止) 11:15~11:30
稲妻坂 11:33天狗道 11:57摩耶山掬星台着(昼食) 13:20~13:45三国池 14:55三国岩 15:03
記念碑台着(小休止) 15:25~15:35六甲ガーデンテラス到着 16:10
山上バスで六甲ガーデンテラス発 16:37六甲ケーブル山上駅着 16:51六甲ケーブルで山上駅発 17:00
六甲ケーブル下駅着 17:10

1.神戸布引ロープウェイで市ヶ原「櫻茶屋」へ

 前回、市ヶ原から布引の滝方面へ下りる途中に発見したロープウェイの中間駅とゴンドラ。これに「神戸夢風船」という愛称があることを知って、次の山行を待ちかねていた。
 市営地下鉄新神戸駅から移動中に、ANAクラウンプラザホテル神戸地下のスーパーを見つけて弁当を購入。西側に隣接した神戸布引ロープウェイ乗り場へと急ぐ。

 乗客の長い行列に着くと、モダンなデザインのゴンドラが次々に送り込まれてくる。係員が手際よく乗客を案内して扉をロックする。6人乗りだが相乗りなしなので、ゆったりと進行方向に向かって腰を下ろす。
 発進すると、静かにフワリと空中に放たれた感じ。先を行くゴンドラと行き違うゴンドラは、まさに風船のようであり空中散歩の世界だ。

 眼下に布引の滝が見える。次に布引貯水池が見えてきた。

 間もなく「風の丘中間駅」が現れて、空中散歩は5分ばかりで終わりになる。
 中間駅ではどのように降車するのかと興味津々だったが、この仕組みにはびっくりした。一定区間に何台かがプールできるようになっていて、その区間内は複数のゴンドラがゆるゆる移動する。その間にゆっくり降りることができ、しばらくプールを漂ったものが順次発進するという、緩衝区間を利用した素晴らしいシステムである。
 それはさておき、中間駅で降りる人はほとんどなく、ここから道路側へ出る人は他に誰もいなかった。

 中間駅を出てゆるやかなスロープを下りて行くと、市ヶ原から布引の滝へ通じる道路と合流する。市ヶ原方面へ進むと紅葉茶屋が見えてきた。

 渓流沿いの河原がにぎやかだ。あちこちに敷物を広げて食事をしている。
 今日の出発点になる櫻茶屋に到着すると、ベンチが空いていたので小休止し軽食をとる。菊水山側からアプローチしてきたと思われる十数人の一団が、河原の方から上がってきた。

2.市ヶ原「櫻茶屋」~摩耶山掬星台

 おおぜいのグループをやり過ごして、ゆっくりとスタートする。道標と出合った。櫻茶屋から摩耶山までは4本のルートがあるが、全山縦走コースでは天狗道を進む。

 布引登山会憩の家にさしかかるとイノシシが道を通せんぼだ。左の方にも小さいのがいる。人になれているようで襲ってくる気配はない。近づいたら、ゆっくりと金網の奥に移動した。

 森林植物園との分岐を通過する。このあたりから稲妻坂の急坂が始まる。

 布引ハーブ園分岐だ。稲妻坂の半分ほど登ってきた。この先、段差のある木段と根っ子道が続いている。

 稲妻坂を越えたあたりの広場で大勢の人たちが休憩している。とつぜん名前を呼ばれて振り返ると児島のF女史の姿。やや離れて瀬戸内登山同好会の女性メンバーたちの姿もある。これには驚いた。訊けば、倉敷ハイキングクラブで三ノ宮から摩耶山を目指しているとのこと。コーヒーを勧められて小休止し、お菓子をいただいたりで大変嬉しい時間をもつことができた。

 後の行程が長いので、倉敷ハイキングクラブのみなさんとは先に失礼する。この先から始まる天狗道は、実にしんどい体力試しの道である。ストックを使いながらゆっくりじっくり前進するのみ。

 天狗道から解放されると穏やかな山道で、足を踏み出すのが楽しくなる。

 摩耶山送信所のアンテナだ。建家壁面に「NHK」と「Kiss FM KOBE」の文字が見える。
 そのすぐ先に「第48回 六甲全山縦走」の車が停まり、参加者への紅茶サービスを行っていた。リュックや帽子に同じようなバッジを付けているハイカーが多いと思っていたのだが、これで事情がわかった。兵庫県勤労者山岳連盟主催の全山縦走の当日だったのである。何という偶然だろう。

 送信所からだら長の坂を下りて行くと摩耶山掬星台である。

3.摩耶山掬星台~記念碑台

 掬星台到着は13時20分。ここで遅い昼食をとる。素晴らしい風景に見とれるが、後半の時間配分が気になって早めに出発する。

 まずは石畳の道を下って行く。

 「ホテル・ド・摩耶」の前を通り、左に天上寺を見ながら前進する。

 天上寺曽門の右側を進むとアゴニー坂への道標があり、右折する。

 岩がゴロゴロしたアゴニー坂を越えると車道に出る。

 「神戸市立自然の家」の前を通り過ぎると「記念碑台・六甲最高峰」への道標があるので、右折して石段を登る。

 急な石段を登り、さらに木段を上がって行く。

 20分少々で車道とクロスする。コースは車道を横断して向かいの疑似木段を登るのだが、全山縦走参加者の人たちは右折して、車道脇の歩道を進んでいる。ここは直進して、急な階段を上がって行く。急に静かになって、あたりがゆったりとした雰囲気になってきた。

 閑静な森の中に木々を映す三国池があり、美しい湖面が印象的だ。明治末の頃、この一帯は六甲山の開祖と言われるA・H・グルームによって多くの別荘が建てられ、「神戸外国人村」と呼ばれていたらしい。

 少し北に上がると、大きな岩を三つ重ねにしたような三国岩がある。六甲山の巨岩の一つで高さが10mもあるようだ。

 ほとんど人通りのない山道を進んで丁字ヶ辻に出る。またハイカーたちが増えてきた。舗装道路を東にとると六甲山ホテルがあり、記念碑台までは約1kmだ。

 六甲山記念碑台に着いた。広場にはA・H・グルームの記念碑が立てられている。六甲山自然保護センターは工事休館中であり、ほとんど人影がない。

4.神戸ゴルフクラブ付近~六甲ガーデンテラス

 記念碑台で小休止して縦走コースに戻る。神戸ゴルフ倶楽部が近くなると残雪がチラホラ、一部の山道は積もっていて滑りやすくなっている。ゆっくりと、雪の踏み締め音を確かめながら足を進める。

 ふたたび車道に出て側道を急ぐ。正面の山上にガーデンテラスの建物が見えている。

 ガーデンテラスの直下には「みよし観音」が祀られている。昭和39年に発生した飛行機墜落事故で乗客を救出し、最後の一人を助けようとして殉職した21歳のスチュワーデス麻田美代子さん。その悲壮な捨身行を観音様の化身と受け止めて、多くの善意と協力によって建立された旨が石碑に刻まれている。前面には石原慎太郎さんの詞碑。

 残すは急な木段を登るのみ。六甲枝垂れとアンテナ群が現れ、六甲ガーデンテラスに到着した。最終回の次回は、ここから六甲山最高峰を踏んで宝塚を目指す。

5.六甲ケーブルでの下山

 すでに16時を過ぎたガーデンテラスで37分発の山上バスを待つ。その間にも大勢の全山縦走参加者が通過していく。彼らの体力と根気には脱帽だ。そして、17時ちょうどのケーブルカーで六甲ケーブル下駅へと帰路につく。