名 称

すまあるぷす(はちぶせやま~はたふりやま~てっかいさん)

所在地

兵庫県神戸市須磨区

標 高

353m

山行日

2017年1月28日

天 候

快晴

同行者

なし

アクセス

山陽電鉄・須磨浦公園駅下車

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

山陽電鉄須磨浦公園駅 12:40須磨浦公園出発 12:44蕪村の句碑の広場 12:50~12:55展望台 13:16
鉢伏山山頂 13:25旗振山山頂 13:34~14:03鉄拐山 14:19~14:23212mピーク 14:36
おらが山登山会署名所 14:39おらが茶屋 14:45~14:59高倉台団地 15:07
高倉台8丁目バス停 15:10~15:18JR須磨駅 15:38

1.登山口に向けて

 岡山駅から9時過ぎのJR普通電車で出発し、相生駅と姫路駅で乗り換えて明石駅には昼前に着いた。再開発していたビルが完成して、駅南側の様子がすっかり変わっている。昨年12月にPAPIOS AKASHI(パピオス明石)がオープン。昨日27日に市民図書館、こども広場、総合窓口、ジュンク堂書店がオープンしたばかりとあって、大勢の人で賑わっている。まずは魚棚横町に出かけて買い物を済ませ、早めの昼食は行きつけの店で焼き穴子定食に舌鼓を打つ。

 登山口に近い須磨浦公園へアプローチするため山陽電鉄を利用する。須磨浦駅には普通便しか停まらないので、便数が少なく所要時間も20分ほどかかる。

 登山口へのスロープを上りかけると、素敵な外人女性が通り過ぎて行く。ランニングシューズ風の靴で軽快な足取り。頑張ってついて行こうと思ったがこれはムリ。すぐ先の跨線橋、敦盛橋を渡るころにはかなり距離を開けられた。

 右手に前回の登山口「ちかみち」が見えてきたが今日はパス。引き続きスロープを歩く。

 上がりきったあたりに蕪村の句碑「春の海 終日(ひねもす) のたりのたりかな」があり、ここで準備運動をする。歩き始めると芭蕉の句碑「蝸牛(かたつむり) 角ふりわけよ 須磨明石」が立っている。

 さらにスロープが続き、その上には懐かしい雰囲気の店。これから登る子供連れの家族がいて挨拶を交わす。

2.展望台~鉢伏山

 ここが今回の登山口だ。須磨浦公園は六甲全山縦走(須磨から宝塚までの50数kmを、尾根をたどりながら所定時間内に歩き通す)大会コースのスタート地点なので、道標が整備されている。鉢伏山頂への道標を右に見て、先に出発した家族の後に続く。ここから石段の連続だ。

 しばらく山歩きから遠のいていたせいか、息が上がる。足を止めて美しい風景を眺める。向こうに見えるのは淡路島、その向こうは小豆島だろうか。深呼吸をして家族連れの後を追う。

 展望台に着くが、山頂が近いのでもうひとふんばりと先を急ぐ。

 すぐにカーレーター乗り場に出た(カーレーターは山の斜面をベルトコンベアに設置した椅子に座って移動するもの。「乗り心地の悪さ」が評判)。ここからは須磨海水浴場がよく見える。

 ひと登りすると須磨浦展望閣だ。その右手に鉢伏山頂標識が立っている。標識には260mとあるが、手元の資料では246mの記述もあり、どちらが本当?

3.旗振山~鉄拐山

 鉢伏山からは少し下って登り返す。

 山頂の旗振茶屋が見えてきた。左手の展望広場に踏み込むと、下方に須磨浦山上公園のサイクルモノレールが動いている。

 そして、南西の遠くには明石大橋が霞んでいる。男性のハイカーから「そのカメラって良いですね」と声が掛かり、少しばかりカメラ談義。この方は所用があって、これから須磨浦公園に下って明石大橋のあたりまで歩くとのこと、健脚ぶりに驚く。旗振茶屋の前に立って素晴らしい風景に見とれる。標高253m、ここが今回の最高地点だ。

 「どちらからですか?」後方の声に振り向くと落ち着いた風貌の男性ハイカーの姿。ここですっかり話し込んでしまう。
 須磨在住のこの方は元実業家で、現在は後継者に事業を譲って、1年の多くを奥様と二人でキャンピングカー生活。夏は東北から北海道に2カ月、冬は鹿児島など九州に1カ月、他に海外旅行を2カ月で、自宅には半年ほど滞在する生活パターンだそうである。残す人生を大いに楽しみたいとの羨ましい話を聞きながら、いろんな生き方があるものだと感心する。
 彼の裕福な晩年とは比べものにならないけれど、若いころどこか自分と似たような境遇にあったらしい人物に、親しみと共感を覚える。山を歩いていると時折りこんな出会いがあり、しみじみと来し方に思いをはせたりする。

 前を行く二人に声を掛けて追い越し、尾根道にカメラを構えていると後ろから「足が速いですね~」の声。先ほどの御仁がノルディックウォーキング姿で迫ってきた。

 それからしばらく話しながら歩き、鉄拐山手前の分岐で別れる。彼は「旧妙見堂を経て一の谷町」方面へ去って行った。

 傾斜のきつい階段をひと登りする。

 鉄拐山山頂に着いた。雑木に囲まれて眺望は利かない。三等三角点を確認するが、以前にあった復興基準点は撤去されたようだ。標高234m、水分と甘いものを補給して深呼吸する。

4.おらが茶屋~高倉台団地へ下りて帰途に

 急傾斜の階段をどんどん下りて行く。下り切ったところに「勢揃松」の標識。その昔、義経が眼下の一ノ谷に陣を構えた平家を奇襲する折り、このあたりに騎馬が勢揃いしたらしい。

 近くに岩の道標が立つ。ここは六甲全山縦走の道標に従って高倉台の方向に進む。

 尾根歩きなのにまったく展望のないゾーン。両側を埋め尽くすのはウバメガシで洞窟を進んでいるようだ。

 道の右側に見覚えのある小高い盛り上がりが現れる。回り道して、212mピークに設置された三角点を確認する。

 ピークから下りて長い階段を下って行く。

 「市民山の会 おらが山登山会署名所」があり、ベンチの並ぶ休憩広場がある。

 広範囲に展望が開け、南東には神戸から大阪方面を見渡すことができる。

 東に近く「おらが茶屋」、北には広大な須磨ニュータウンの風景。

 おらが茶屋に着いた。屋上展望台の案内が出ている。3階:展望台、2階:おらが茶屋「階段をご利用ください」とある。が、あろうことか、ドアには「OPEN 土曜日&日曜日&祝日 am7:00~pm2:30 ラストオーダーpm2:00」。

 熱いコーヒーを楽しみにしていたのだが、時刻は14時45分ですでに閉店。残念! 展望台へ向かう途中の風景が下の写真で「CLOSED」のプレート、あ~、残念。また来ることにしよう。

 3階展望台からの眺望は抜群。西には旗振山の電波塔、すぐ近くにおらが山登山会署名所が見える。南東には高倉団地から大阪方面が見渡せる。

 南西には明石海峡大橋と淡路島、東には高倉団地の向こうに栂尾山と横尾山がそびえている。

 栂尾山をズームで覗くと、山頂展望台にハイカーの姿が見える。おらが茶屋の東詰には高倉山のモニュメントが設置されている。現在高倉台団地になっているところは、もと標高291mの高倉山があった跡とのこと。山を削って採取した土砂をベルトコンベヤと海上輸送で運び、ポートアイランドや臨海工業地帯を造成したということだから驚きだ。

 ここから下山開始だ。高倉団地へ向かって、細くて急な階段を辛抱強く下りて行く。

 「さつき橋」にたどり着き、渡った先を右折して団地沿いの道路に下り立った。

 しばらく歩いてバス停「高倉台8丁目」で神戸市バスに乗車し、JR須磨駅から帰途につく。