1.近鉄橿原神宮前駅~橿原神宮・畝傍山登山口
近鉄橿原神宮前駅を出て表参道を橿原神宮に向かうと、正面に畝傍山が見えている。
一の鳥居、二の鳥居をくぐって南神門から境内へと進む。相棒が大事そうに抱えているのは、橿原神宮駅のベーカリーで買った焼きたてパン。
とても広い境内。新年間近の外拝殿には巨大な絵馬が飾りつけられている。
今日一日の無事を願って参拝し美しい内拝殿の姿に見入る。畝傍山の登山口は北参道側にあるので北神門へと向かう。
ゆったりとした外苑を進むと畝傍山登山口の道標がある。
2.畝傍山~畝傍山口神社
登山口を過ぎてからもしばらくは庭園の雰囲気。散歩している気分で前進する。
すこし山道らしくなってきた。
登山口から15分で分岐の道標があり山頂に向かう。
さらに15分ほどで山頂に到着。現在は麓に建っている畝傍山口神社の跡がある。
山頂からの眺望は素晴らしい。とりわけ、西に広がる金剛山と葛城山の姿には息を呑んでしまう。
近々にも出かける予定の二上山をクローズアップしてから三角点を確認。その後、ふかふかパンで昼食とする。
木立の間から北東に耳成山が見える。地図から想像した距離とはかなり離れているなと思いながら、今日最後に訪れる山の姿にズームイン。
ふたたび分岐の道標まで戻り、畝傍山口神社の方へ下りにかかる。実はこの時点で、分岐道標に戻る間に下山路らしきものを見つけて入り込みウロウロ、15分ばかりロスタイムを生じてしまう。すなおに分岐まで戻っていれば5分ほどで下山できたのだった。
畝傍山口神社の石柱と美しい鳥居。ロスタイムをカバーするためにここから参拝して先を急ぐ。
3.神武天皇陵~本薬師寺跡~香久山登山口
「てくてくまっぷ」の絵とまったく同じ形の石灯籠に感心し、落ち着いた家並みの道を行く。
畝傍山の北の麓にある太子堂に着く。堂の脇にはお大師様の由緒ある井戸があり、お水をいただきに訪れている人がいた。その先を右折してすぐに左折し、畑中の道を東へ進む。
突き当たりの木立に囲まれた道を行くと、ややあって広い道路に出る。その左手に神武天皇陵が見える。初代天皇の陵墓であるが、まったくひと気がなく静寂に包まれていた。
砂利を敷き詰めた道を行くと「神武天皇陵」の碑が立つ広場に出る。
車道を渡って近鉄畝傍御陵前駅へと進み、駅の地下道をくぐり抜ける。
6~7分直進すると、右側に本薬師寺(もとやくしじ)跡のプレート。
案内板には寺の位置と伽藍配置図が記されている。天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病の平癒を祈願して建立し藤原京を寺域としていたが、平城京への遷都後にそれぞれを区別するために本薬師寺と呼ばれるようになったそうである。
隣接する医王寺境内には伽藍遺構の礎石の一部が残されている。
元の道を直進して飛鳥川を越え、道標にしたがって香久山公園の方へ進む。
東に向かう直線道路に出ると行く手に香久山の姿が現れる。途中に法然寺がある。
道標を「天岩戸神社」へと左折し、右側に鞄工房を見て直進する。
電柱の「香久山登山道」の矢印に沿って住宅地の細道を行くと山道になる。
やがて写真のような注意パネルがあり、これにしたがって左折するが、しだいに道幅が狭くなり突き当たりになってしまう。引き返して直進すると、左手に、山頂の國常立(くにとこたち)神社の末社「伊弉冊(いざなみ)神社」が祀られている。それを行きすぎたところに、さらに「香久山山頂/国常立神社」の道標があり、これが正しい登山道だった。先の注意パネルはいったい何だったのだろうか?
4.香久山~天香山神社(あまのかぐやまじんじゃ)~藤原宮跡
正しい登山道がわかれば簡単に登れてしまう。5分足らずで山頂の国常立神社に着いた。
まず国常立神社に参拝する。山頂から真西に畝傍山の姿が美しい。
やや右寄りに穏やかな二上山の姿をながめて下山に移る。
下り立つと天香具山神社。簡素だが心落ち着く神社に参拝する。
立派な農家の庭に皇帝ダリアが咲いている。遠く北には耳成山が見えてきた。
「てくてくまっぷ」を見ながら、家並みと畑中の迷路のような道を忠実にたどって行く。そして藤原宮跡に到着だ。
広大なエリアに沢山の赤い柱が立っている。これは大極殿などの建造物の柱跡を示すらしい。
5.醍醐池~耳成山登山口
藤原宮跡北側の通行車両が多い道路を渡ると醍醐池。通りの両側は桜並木で、鏡のように静かな水面が広がる。
突き当たりには石仏が立っている。これは、訳あってこの地に埋葬された人たちのための供養塔だそうである。その前には四等三角点がある。
醍醐池の左側(西側)の畦道を直進し、JR桜井線の踏切を渡って耳成山を目指す。
「てくてくまっぷ」に載っている病院を手がかりに進んで、近鉄大阪線の踏切を渡る。突き当たりの三差路を左にとると耳成山の登山口である。
6.耳成山~耳無井(大師井戸)~近鉄八木駅
登山口から歩き始めるとすぐ、左に「天神山・山口神社参道」と刻まれた階段。見上げると山口神社の鳥居がある。これは下山時に利用することにして直進する。
ゆるやかな山道は歩きやすい。夕方がせまっているので東面は薄暗い。そんな道中には竹垣に覆われた洞窟のようなものがあるが、古い防空壕のようだ。ゆるやかな道ながら左回りの螺旋状になっているので、ずいぶん長い距離を登っているように感じてしまう。
防火用の水栓設備らしきものがあり踊り場のような地形になっている。そこから山頂方向に延びる急坂を登る。
すぐに山頂に着いて三角点をデジカメに収める。
最後の山頂で相棒の元気な様子を記録して下山を急ぐ。
下りは途中からの短縮道を歩いてみる。間もなく水飲み場らしき場所に下りてきた。
そこは平安時代に空海によって掘られたとする耳成井(大師井戸)で、参道に祈願の「百度石」があった。
井戸に隣接した室生山西国第八十一番霊場にお参りして大和八木に向かう。
楽しくもまた時間に追われた一日。昼食は畝傍山でふかふかパンを食べただけ。チョコレートや飴などの行動食は口にしたけれど、大和八木駅に着いたのは午後5時過ぎで空腹の極み。これを我慢して鶴橋まで戻り、駅近くの中華料理店でいくつもの皿を並べて乾杯! おいしい料理もさることながら、最高の天気と二人の健康に乾杯だ。