名 称

よこたかやま~みずいやま

所在地

滋賀県大津市・京都市左京区

標 高

横高山 767m、水井山 793m

山行日

2012年4月2日

天 候

晴れ時々曇り

同行者

相棒と

アクセス

叡山ケーブル・ケーブル比叡駅下車

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

ケーブル比叡 11:20北山標識1 11:21トレイル標識4 11:38大比叡山頂 12:05
トレイル標識4(昼食) 12:23〜12:50山王院堂 13:05浄土院 13:12椿堂 13:21
釈迦堂 13:28〜13:40玉体杉 14:33〜14:41横高山山頂 15:03〜15:06
水井山山頂 15:36〜15:42仰木峠 16:24ボーイスカウト道入口 16:36
ゴール標識23大原戸寺 17:25

1.トレイル標識4の周辺

 トレイル標識4から大比叡を往復して戻ってくると12時23分、休憩場所がずいぶんにぎやかになっている。2組のカップルと歩き慣れた山ガール一人、そしておじさんと5人の子供たち。自分たちもベンチに腰を下ろしてランチタイムにする。

 食後に北側の風景と周囲の石仏をデジカメに収める。こうして山の風景を見直してみると、左奥に見える急斜面を仰木峠から戸寺へと降りたのだから、ボーイスカウト道がいかに急坂であったかが納得できる。

2.トレイル標識4〜玉体杉

 12時50分に標識4から出発する。だら長の石ころ道を下って行くと10分ほどでフェンスが見えてきた。

 ドライブウェイ歩道橋に到着だ。橋の下を比叡山ドライブウェイが通っている。

 歩道橋を渡った突き当たりにある山王院堂を訪れる。
 元にもどって石段を下る。この石段は段差が大きくて長く、短足の身にはかなり辛い下りだ。

 石段を下りきると正面に浄土院。ここは比叡山の開祖である伝教大師最澄のご廟所があり、比叡山中でもっとも清浄な聖域とされている。

 浄土院から釈迦堂に向かう参道は舗装整備されており、各県の教区から寄進された石灯籠が並ぶ。
 分岐に差しかかり、右の石段を降りて行くと、杉の木立の向こうに椿堂がある。

 昔、聖徳太子が比叡山に登られた時に、使っていた椿の杖をこの地にさしておいたところ、その椿が芽を出して大きく育った。そこで、このお堂が椿堂と名づけられたそうである。お堂の傍には、それに因んだ椿の大木がある。
 少し歩くと、元の道と合流して釈迦堂に至る。正式な名称は転法輪堂で、西塔の中心をなす朱色の美しい大堂である。ご本尊に釈迦如来を祀っているので釈迦堂と呼ばれている。
 釈迦堂で小休止して13時40分に出発する。

 すぐ近くに若山牧水の歌碑がある。旅と酒の歌人といわれる牧水の感性がにじみ出ている。

 さっきはドライブウェイを歩道橋でまたいだが、今度はドライブウェイ下のトンネルを潜る。

 歩きやすい段差のよく整備された木段を上って修禅峰道に進む。峰道はここから仰木峠まで、京都府と滋賀県の境界線上に延びている。
 このあたりはモミの天然林で、尾根に沿って大木が生えている。路傍には石塔や石仏がお出迎えだ。

 林の下にはミヤコザサが繁っている。トレイル標識11−1あたりから、峰道は比叡山ドライブウェイと出合い並ぶ。

 一歩一歩を重ねていく峰道と、乗用車が流れるように過ぎゆくドライブウェイとは異次元の世界のようだ。ふ〜む、ドライブウェイには「極楽への道」の標識が見えるぞ!

 ドライブウェイの車の音が遠のき、足取りが軽くなるような山道が続く。

 14時33分、玉体杉に到着。回峰行者がここで止まって、御所に向かい天皇のご安泰をお祈りしたことから玉体杉と呼ばれているそうだ。カメラに納まりきらない大杉である。

 南西の京都市街地は霞んでいて双眼鏡で眺めるが判然としない。北東には比良山系が美しい。

3.峰辻〜横高山〜水井山〜仰木峠

 14時41分に玉体杉を出発して8分ほどで峰辻に到着、右折するとドライブウェイを渡って東海自然歩道が続いている。峰辻を直進して横高山へと向かう。14時52分、まずは小さな階段を上がって行く。

 ここから木の根の急坂登りだ。踏み外さないように、足場を確認しながらゆっくりと登る。
 カメラを構えることができないほどの急斜面もあり、横高山の木の根斜面を登り切ることができれば、根っ子道免許皆伝だ。

 15時2分、横高山山頂に到着。急坂ではストックが頼りになる。ハンドリングが不慣れで、急坂でバランスを崩しそうになりながらも、相棒はよく頑張った。
 先ほどまで二人だけで登っていたのだが、何やら人の気配。振り返ると一人の男性がぐんぐん登ってくる。さすがに汗をかきながらの到着ではあったが、歩き慣れている御仁とお見受けする。我々同様初めてのコースとのこと。標識21の丸木橋流出を心配していたので、ネットで得た情報をお伝えした。小休止していると「お先に」と言い残し、御仁の姿は瞬く間に見えなくなった。

 15時6分に横高山を出発して急坂を下り、15時22分に標識15を確認して水井山山頂を目指す。

 横高山より幾分かは傾斜がゆるいけれど、なお長い急坂が続く。

 標識16−1の水井山山頂に着いた。標識のすぐそばに三等三角点がある。

 小休止をとり、15時42分に山頂を後にする。これで2つの峰に登頂したが、まだ仰木峠越えとボーイスカウト道が残っている。
 すでに16時が近いので、暗くならないうちに下山を急がなければならない。

 道中に、コンクリートで造ったオブジェのような木(おそらく枯れているのだろう)に出会う。まるで踊っているようだ。
 ようやく標識17を通過し、ふたたび東海自然歩道と出合う。仰木峠はすぐそこだ。

 16時23分、仰木峠に到着。水井山から41分が経過している。展望はない。
 時間が急いてきたのですぐに移動を始める。2カ所ばかり、土砂が崩れて道幅が狭くなっている。これ以上崩れるとコースが中断されてしまうのではと心配される。
 標識19の手前で、東海自然歩道は直進して三千院へと下る。ここは左折してボーイスカウト道へと向かう。

4.ボーイスカウト道〜大原戸寺(おおはらとでら)

 ボーイスカウト道はトレイル標識19から始まる。
 16時36分に下降を開始する。予想以上に手強い傾斜だ。杉の根っこに足を取られないよう、転倒しないように注意深く下りて行く。

 カメラを水平に構えて横方向を写す。こんな傾斜ってありか?
 「ボーイの山分収造林地境界」の標識がありボーイスカウト道の終端かと思ったのだが、さらに長々と下ることに。
 相棒がヒザを押さえて立ち止まるのが心配。ゆっくり下りてはいるのだが、夕刻でしだいに暗くなるので気が急いてしまう。

 渓流の音が聞こえてからもなおしばらく下降が続き、30分近くかかってやっと標識20に到着。ところが標識に「ヤマビル」の注意書きが!
 もうかなり薄暗くなっており、こんな状況でヤマビルなんて滅相もない!
 こんな丸太の橋を渡り、問題の流出丸木橋に差しかかったが、水量が少ないので無事通過。

 あとは急ぎ足でこんな橋を渡り・・・・、こんな道路を駆け足で進み・・・・、

 足元の水溜まりを避けながら里へと向かう。
 17時21分、害獣防御フェンスに到着。戸締まりをしっかりと確認する。

 ゴールの手前にこんな登山口標識があった。そして17時25分、ゴール標識23に到着だ。
 ぜひ立ち寄りたかった「味工房志野」だが、バスの時間が迫っており次回に持ち越し。17時33分の戸寺バス停から京都駅に向かう。


 今回のコースは予想以上に険しく、横高山と水井山の登りには力が入った。そして厳しかったのは、仰木峠から先のボーイスカウト道。延々と続く急坂の下りに、登りで踏ん張ってきた膝が笑いそうになった。仰木峠から大原戸寺までの歩行距離は2.5kmほどだが、この間の標高差は358mあるので、振り返ってなるほどと頷くばかりだ。
 頑張ったご褒美に豊かな夕食をと京都駅地下グルメ街へ立ち寄るが、どの店も待ち行列。それでも、グリル風の店に落ち着くことができて、美味しい和風ハンバーグをいただく。もちろん、ビールジョッキを片手に!
 ほろ酔い機嫌で最終便に乗り、恵まれた天候に感謝しながら帰路につくことに。