名 称

ぎおんやま

所在地

岡山県高梁市巨瀬町

標 高

550m

山行日

2014年5月2日

天 候

快晴

同行者

なし

アクセス

JR伯備線・備中高梁駅から備北バスで仁神口(にかみぐち)バス停下車

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

高梁駅備北バスセンター(川面駅行き)11:50仁神口(にかみぐち)バス停着 12:20仁神口出発 12:28
祇園橋 13:20祇園宮鳥居 13:24祇園寺(昼食) 13:55~14:22祇園山山頂 14:32~14:34
祇園寺 14:43六角堂 15:14横田バス停 15:44横田バス停発 15:54宮瀬口バス停着 16:00
宮瀬口バス停発 16:25高梁駅備北バスセンター着 16:45

1.高梁備北バスセンター~仁神口バス停(スタート地点)

 JR備中高梁駅に隣接した備北バスセンターから、川面(かわも)行きに乗車する。

 仁神口(にかみぐち)バス停まで約30分、ここが今回のスタート地点だ。祇園山登山口がある祇園宮鳥居を目指して、バス停裏の坂道を上がって行く。

2.仁神口~祇園宮鳥居(登山口)

 緩やかな坂道を行くと、民家の八重桜が満開だ。

 大きな石の周りに小さな石がコンクリートで固められている。「鬼つぶし」という伝説があり、昔はこのような石が多かったそうである。

 茶屋集落に入ると、注連縄をつけた「天神社」の石柱が立っている。この奥には天神さまを祀った社がある。道端にシロバナシモツケの花が美しい。

 早くも田植えの準備が始まっているようだ。除草して水を張っている田圃が多い。民家の向こうには、これから登る祇園山が横たわる。

 備北バス「茶屋中」停留所がある。一日に1~2便しか通らない。やがて分岐になり、左の道を上がって行く。

 小高い丘に登っていくと集落があり、タケノコが顔を出していた。その近くに、懐かしい半鐘櫓が設置されている。
 農家の傍を通りかかると、門越しに「お茶でも飲んでいかんかな!」と呼びとめられる。お茶は遠慮したもののしばらく話し込んだ。元気のいい83歳の御仁は話し好きで、地域の歴史や祇園寺、はたまた自身のことなどと話が尽きない。これが山歩きの楽しさでもあるのだが、かなり時間的にタイトになる。

 水田の向こうの祇園山まではまだ遠い。サワギクの咲く道を祇園橋へと急ぐ。

 仁神口から1時間近くかかって祇園橋に到着した。橋を渡って県道を左折する。

 右手の鳥居をくぐると登山口で、ここから八丁坂と呼ばれる祇園寺への表参道が開けている。石鳥居の扁額には「祇園宮」と刻まれ、神仏混淆であることがわかる。祇園寺にはお寺の中に鎮守社がある。
 舗装道路をそのまま進むと9.5kmで木野山神社に通じる。

3.登山口~祇園寺

 登山道はゆるやかな木段で始まり、しだいに傾斜がきつくなってくる。しばらくは黙々と登って行く。登り始めたとたんにブヨが現れ、頭の周辺にしつこくつきまとう。

 どういう名前の植物だかわからないのだが、階段のあちこちにこんな生き生きとしたのが根を張っている。登山口から20分ばかりで祠が見えてきた。

 まだ新しい祠には弘法大師と薬師如来が祀られ「祇園御山第六番」とある。参道の階段が終わり傾斜のゆるい坂道になる。

 参道脇には石仏や祠が並ぶ。

 登山口からおよそ25分、「真言宗別格本山 祇園寺」の石柱が立ち、注連縄がゆれる石鳥居をくぐって祇園寺に向かう。

4.祇園寺にて

 立派な仁王門は鐘楼門でもある。門の中央に引き下ろしている綱を引いて鐘を鳴らすと、美しい響きが里に広がってゆく。門の脇にはキリシマツツジとシャクヤクがきれいだ。

 仁王門の前の手水舎。このときは水が無かった。

 無事到着を感謝して本堂にお参りする。本堂の右側には十三重層塔(市指定重文)が立つ。

 本堂左には、1357年に造立されたという石造宝塔(県指定重文)。隣り合って石仏がある。

 祇園社と天狗大杉。樹齢1200年、樹高37m、根回り11.4mの大杉がそびえる。鳥居の扁額には、祇園精舎の守護神である「牛頭(ごず)大王」の名が刻まれている。

 境内の一角にある稲荷社。ここで昼食をとったが、つきまとってきたブヨが離れず、食事中も口に入りそうで困った。

5.祇園山山頂周辺

 祇園山の山頂は祇園寺から300mほど北にある。祇園社の左(西)に出て林道を進む。

 すぐ右側に広場があり、山野草があふれている。これはフキノトウの綿毛で一帯がふわふわ状態。

 そしてスミレと、ヘビイチゴのようなのが(正しい名前は不明)群生している。

 こんなのどかな道を歩いていくが、20匹近いブヨが寄り添って来るのには閉口する。

 こうして着いた山頂は中国電力祇園無線局施設の裏。2体の石仏のそばにシャクナゲが花をつける。山頂標識はなく、木に手書きのプレートが吊されているだけ。この「514m」は何を表すのか?ここは標高550mなのだが・・・・。

 付近には他にも携帯用基地局のアンテナが立っている。周囲は木々にさえぎられて眺望がないのでただちに引き返す。

6.横田に向けて下山

 帰路は、途中まで中国自然歩道を有漢町方面に下りて行く。

 下り始めてすぐ、狭い舗装道にマムシがいて緊急停止。これには肝を冷やした。あとは明るい舗装道路をウォーキングモードで快調に下る。

 20分ほどで六角堂に着いた。古くは風情ある茅葺き屋根だったそうだが、瓦屋根もなかなかいい。お堂内にはいくつもの石仏が祀られ、外にも石灯籠と石仏が並ぶ。

 六角堂の道辺を飾るウマノアシガタ。

 六角堂から5分足らずで有漢方面への分岐に出る。ここで中国自然歩道とは別れて、南へと下る。

 右手の谷間に民家が見えてきた。きれいなモクレンの花は、山の斜面に植生されたものだ。

 人里が近くなった。白とピンクのハナミズキが美しい。

 生垣の外にモクレンと白のシャクナゲが満開だ。

 先の分岐から15分、横田と宮瀬の分岐にはお堂が建っている。竹林がある右の道を進む。

 5分少々で県道に出て、左折して下って行くと横田バス停に着く。バス待ちをしていると、隣接した商店の人たちが話しかけてこられ労いの言葉をかけられる。さらにイスをすすめられてご好意に甘える。皆さんの優しいもてなしに感謝である。