1.JR新見駅~登山口
新見駅にはゆっくりと10時過ぎに到着。千屋温泉行きのバスは10時45分なので、駅前をぶらついて時間を過ごす。バスは駅のすぐ前から発車する。乗客は自分を含めて2人で、途中から貸し切り状態での移動になった。
50分かかって予定通り到着。バス停は温泉宿泊施設「千屋温泉いぶきの里」のすぐ横に位置している。
南に花見山がそびえ、スキー場のゲレンデが広がっている。帰りのバスに間に合うよう早めに帰着しなくてはならないので、即スタートする。
2.ゲレンデ東淵~下の谷の滝分岐~下の谷の滝
ゲレンデの左(東)側の舗装道路を少し上がってふり返ると、「千屋温泉いぶきの里」を八重桜が飾る。左に剣山、中央から右には二子山が見えている。
舗装道路沿いは「たたらの森オートキャンプ場」になっている。全15ブロックに分割されていて、一番低い第15ブロックには「砂鉄町(こがねまち)」の名札が立つ。
トイレ、シャワーや炊事棟などが設置されていて、テントで野営中の姿もある。最上の第1番ブロックには「蹈鞴(たたら)」の名札。
やがて舗装道路は終わるが、その先はロープが張られて「立入禁止」の看板が立っている。とはいえ、これでは前進できないので跨いで進む。
ゲレンデ左面は上下2段のリフトで構成されている。まずはゲレンデ左端の山道から下側リフトの終点を目指す。その付近にキジムシロが鮮やかな花をつけていた。
大きなプーリーがある終点に着いてふり返ったゲレンデ風景。右後方に見える送電鉄塔のある山は剣山だ。
ゲレンデはさらに上へと広がり上段のリフトが延びているが、ここから左の山道へ入って行く。この一帯にはタチツボスミレが咲いていた。
平坦で歩きやすい山道に入ると、クサソテツがお出迎え。
少し進むと、たくさんのイタドリ(スカンポ)が踊っているようだ。
それに続いてキケマンの群生。おだやかな山道が少しずつ傾斜を増してくる。
山道右にいきなり階段が現れる。これが最初の見晴し台で、そこからは剣山が近くに見える。そのときは気づかなかったのだが、写真をよく見ると、伯耆大山が写っている。写真右は送電鉄塔にズームで寄ったもの。
このあたりから始まる木段を上がって行くと、間もなく次の見晴し台に着く。残念ながら木々に覆われて展望はきかない。
木段が緩やかになって花見山・下の谷の滝分岐に到達した。
ここは滝を見るために直進して、木洩れ日がさす山道を谷の方へ下りて行く。
ほぼ10分で滝に到着した。深山の中に心地よい沢と落水の響き。水量は少ないが美しい滝だ。そして、ふたたび花見山・下の谷の滝分岐にもどる。
3.下の谷の滝分岐~山頂に向けて
踏み跡は比較的はっきりしているが、各所にピンクのテープが見える。その意味はすぐにわかることになる。かなり傾斜がきつく、カメラをできるだけ水平にして斜面を写してみた。
こんな具合に踏み跡が不明瞭になると、ひたすらピンクのテープを頼りに前進することになる。
県境尾根出合まで、地図上の直線距離なら7~8百メートルなのだが、急坂とヤブコギで息が上がる。何度も立ち止まったり大回りしながら50分もかかってしまった。途中でとつぜん北方向の視界が開け、その眺望にはしばらく立ち尽くした。
県境尾根出合に着いた。左にとると花見山山頂へ、右に進むと千年の森へと下りる。
山頂方向への踏み跡はしっかりしているが、ここにも赤とオレンジのテープが見え隠れする。シロヤマブキが可憐な花をつけている。
またヤブコギになりそうだと足元を見ると、ミヤマシキミが咲いていた。
行く手は肩まである笹に覆われている。それでも足元に日だまりがあればスミレの姿。
小走りに進んだりヤブコギしたりで前進していると、二本テープが見えてきた。
そこからやや左寄りに踏み跡らしきものがあり、それを行くと東屋が顔をのぞけた。
4.山頂風景
スタートから約2時間20分での山頂。いくらゆっくり登ってきたとはいえ、入手している標準時間から1時間以上も遅い到着である。まずは山頂の様子と三角点などをカメラに収める。
南から西にかけて素晴らしい風景が広がり、疲れが吹き飛ぶ。すでに14時を過ぎており、遅い昼食をとりながらゆっくりと山々の眺望を楽しむ。
右よりのふたこぶ形の山は花見山の南西に位置する大倉山だが、他の山が同定できない。左遠方の尖ったのは天銀山、その手前が剣森山のように思われるのだが・・・・。
昼食を終えて山名標に眼を向けると、伯耆大山がくっきりと見えている。それをクローズアップ!!
5.県境尾根出合~千年の森~千屋温泉いぶきの里
県境尾根出合までの復路は快調で、15分ほどで帰り着いた。
千年の森へ出るべく県境枝線鞍部に向けて下り始めるが、このルートも急なスロープやヤブコギが必要な部分があり思うようにはかどらない。
県境尾根出合から40分ほど下りて、やや傾斜がゆるくなったところにイカリソウが咲いていた。
その先にはたくさんのミヤマシキミが群生している。
一見して分かりやすそうな山道なのだが、時々テープが消失していて進行方向がわからなくなる。そうなると現在地を見失わないように、周辺を移動しながらテープを探索することになる。
ようやく赤テープを見つけて大きく前進。王冠のようなクサソテツが並んでいた。
「水源かん養保安林」の標識。これも現在位置を特定するための重要な情報源である。千年の森が近くなったことがわかる。
大きな石が見えてきた。近づくと「千年樹の森」と刻まれた標石だ。時刻は16時15分で、帰りのバスが出発するちょうど1時間前。
ここからウォーキングモードに切り換えて道を急ぐ。里に下り立ち、「千屋温泉いぶきの里」方面へ登り返して行く。
バス発車の35分前に帰着。入浴の余裕はなかったが、「千屋温泉いぶきの里」にてビールと枝豆で乾杯する。久しぶりにヤブコギとルート探索で動きまわり楽しい山行になった。しかし、道中で誰にも出会わなかったのは少々寂しかったな。