1.塩釜登山口~県境尾根
中蒜山への登山口は塩釜冷泉水汲み場のそばにある。冷泉の温度は年中11℃前後だそうで、おいしい水を求めてやって来る人も多い。
その冷泉で口を漱いで出発。11人の列が整然と進んで行く。
すぐに林を抜け、一合目までは草原の平坦な道を歩く。雄大な蒜山高原の初秋の風景が広がる。
このあたり一帯では植林が行われている。「蒜山にぶなの木を植える会」のみなさんの植林だ。その先を左折すると一合目の道標が立っている。
さわやかなブナ林をハイキング気分で進むと、最初の沢に差しかかる。時期・天候によってずいぶん水量が変化するらしいが、今日は少ないので渡りやすい。
ブナ林の明るい道をゆっくりと進んで最後の沢を渡る。幅は狭いが滑らないように要注意。
路面に根っ子が増えてきた。乾いているので滑る心配はないが、足を取られないように気をつける。三合目で小休止をとる。
続く根っ子道を頑張って四合目・五合目と越えて行く。
五合目の日留神社の祠を通り過ぎて六合目も通過。
根っ子道の傾斜が急になり、いよいよ登山らしくなってきた。急坂に圧倒されたように七合目の道標は傾いでいる。
木の間から下蒜山が顔をのぞかせる。高度につれてブナ林はさらに明るさを増し輝いているようだ。
短いが鎖でサポートされている場所もあり、これをよじ登ると八合目。
最後の急坂を進み、背丈の長い笹をかき分けて県境尾根に出る。左手が目的の中蒜山山頂、右へ進めば下蒜山に至る。
2.中蒜山山頂
急に視界が開けて、南に蒜山高原方面の風景が広がる瞬間は感動的だ。のぞき込むと、登ってきたルートが直登に近いことがわかる。
中蒜山山頂へと笹尾根を行く。きれいな花が咲いている。黄色いのはどちらもアキノキリンソウ、青いのはリンドウだ。
避難小屋が見えてきた。ふり返ると東に下蒜山の姿。
避難小屋を過ぎるとその先が山頂だ。先客が昼食をとったりくつろいだりしている。
山頂に到着した。標高は正確には1,123mのはずだが1,122mと記されている。「いい夫婦」の語呂合わせとかで、毎年11月22日に「いい夫婦登山」なるイベントを実施しているそうである。右の写真は、山頂から登ってきた避難小屋方向をふり返ったところ。
山頂から南に広がる大パノラマ(合成写真)。
同じく上蒜山方面の大パノラマ(合成写真)。
左は蒜山高原方面の展望。何度かウォーキング大会で歩いたお馴染みのエリアが凝縮されている。
右は日本海方面の展望。日本海は見渡せないが、手前に風力発電のプロペラがいくつもならんでいるのが分かる。
上蒜山を望む。尾根の縦走路を明瞭に見てとることができる。残念ながら大山は上蒜山に隠れて見えない。山並みの重なる部分をズームで寄ってみたら、日本画のような美しいグラデーションが隠れていた。
3.往路を下山
昼食をとり素晴らしい眺望を満喫したら下山だ。縦走路分岐から、登ってきた急坂を注意深く下りて行く。ところが、七合目付近でメンバーの一人が木の根に足を取られて転倒し、小休止を繰り返しながらペースダウンしての下降となった。しかし大事に至らなくて良かった。
三合目あたりで、往路には気づかなかった花々を発見。これは白い花をつけてはいるが、花の形からママコナのように思えるのだが(多くのママコナの花は紅紫色)・・・・。
そして細いブルーの花のアキチョウジと、釣り鐘を横に向けたようなツルニンジン。
これも往路ではまったく気にならなかった沢が、復路では、沢から路面に戻るまで手を使わないと登れない部分が出現。ここはもし水量が多いと手を焼きそうだと、参考までにデジカメに収めることに。
かくしてふたたび雄大な高原に下りてきた。若いススキの穂が足早な草原の秋を彩り、落ち葉の道に小さな山グリがアクセントをつけている。素晴らしい山と自然に、そして全員そろっての無事下山に感謝だ。