1.薬師道の登山口へ
JR備前原駅から左手に進む。県道386号の分岐の青色プレートには「ánimo museum 有森裕子資料館」。矢印の方へ右折する。
直進すると若宮八幡宮で、石灯籠の手前を左折する。
少し進むと法万寺。参拝して境内を散策する。
分岐した道は右の方を進む。右角に「薬師道」の石碑があり、ここが登山口だ。
2.御茶堂から山上の電波塔へ
落ち葉が積もっているがこれは舗装道路だ。道端には咲き始めのコウゾリナ。
谷側は木立に遮られて景色は見えない。明るいピンクはコバノミツバツツジ。
足取りが軽くなる道。少し先には野イチゴが群生している。
木洩れ日の静かな道を行く。山あいに遠景が開けたが霞んでどこだかわからない。
道の花びらに気づいて見上げると、ラッキー! 桜の花がまだ半分ほど残り、同じほどの若葉が枝を飾っている。
次のカーブを登ると御茶堂が見えてきた。
なぜ御茶堂と呼ぶのか分からないが、以前と同じように3体のお地蔵様が鎮座していて、ここだけ時間が止まっているように感じられる。
これはどうしたことだ・・・。その先から点々と、谷側にゴミや廃棄物が投げ捨てられている。ここまでなぜ、どんな気持ちで廃棄物を持ち込み捨てることができるのか、言葉を失う。
明るい場所に出てやっと気分が落ち着く。前回はこの道を直進したのだが、今回は右折して電波塔を目指す。突き当たりを左へ登れば電波塔だ。
電波塔に到着した。しかし、この廃棄物は何だ! 電波塔の東の法面に、この写真の2~3倍の廃棄物が投棄されている。この美しい一帯をゴミの山にするのはどんな輩だ!
3.四差路周辺の散策
あちこちの廃棄物投棄に気分が塞いでしまいそうだが、周辺の花を求めて散策することに。電波塔のそばの廃墟のようなビルは以前のままだ。北の民家の方へ足を運ぶ。
日本家屋の隣りの立派な邸宅は以前と変わらず美しい。眺望も最高だ。
そのあたりから見る操山山系。右寄りの一番高いのが操山、中央付近の次に高いのはここと同名の笠井山。左寄りには芥子山も見える。春霞で、手前に広がる中区と北区・東区の一部はベール越しのようだ。
車が通れるほどの幅の舗装道を四差路へ向かう。右上の家屋は茂った庭木に覆われ、庭もアプローチの小道も藪になっている。時の流れに家が飲み込まれているようだ。
前回と同じ集落の位置に立つと何も変わってないように見える。しかし四差路を起点に散策すると、周辺のいくつかの家屋は倒壊したり廃屋になっている。明るい日差しの下に晒された姿は、辛すぎてとてもここには掲載できない。
冷蔵庫が放置された庭の向こうの八重桜ばかりが美しい。
4.山頂展望台から薬師院へ
四差路に戻って山頂方面に向かう。
道の左側には同じ種類の木が並んでいる。葉は輪生で幹はすべすべ、よく見かける木なのだが名前が分からない。右側にはコバノミツバツツジが慎ましやかに咲く。
満蒙開拓青少年義勇軍慰霊碑の広場には八重桜が満開で、乗用車が駐まっている。
右側の奥まったところには廃屋化した鉄筋コンクリートの建物、ナンバープレートの無い白い車が放置されている。近くに「不法投棄禁止」の手書きプレートがあり、「このお山はかつて蓮昌寺のお釈迦様が居られたり 現在は薬師院妙法寺の御本尊薬師如来様が居られる尊いお山です お山を汚さないで下さい お願い致します」の記載。その脇にガラクタが放置されている。
ここはマップの[分岐1]。右側に「笠井山公園展望台」の道標があり、車はここまで。坂道と階段の道に分岐していて山頂で合流する。
坂道を上ると3~4分で展望台が見えてくる。あたりは花に包まれている。坂道にはコバノミツバツツジ、展望台周辺には八重桜。やはり山頂周辺の雰囲気は良い。
高い木を真っ白に飾るのはザイフリボク(采振り木)、采配に似ているのが名前の由来とか。神棚などに使う四手(シデ)に似ていることから別名シデザクラとも。その隣にはトキワアケビとも呼ばれるムベ(郁子)が花をつけている。
展望台に到着した。階段で2階に上がりさらに屋上の展望階へ上がる。
方位盤と三角点標識が設置されていて、東は瀬戸内市長船地域から西は総社市方面を一望することができる。
三角点標識は南のコンクリート台座の上に取り付けられている。
残念ながら風景はこのとおり。写真左の手前には旭川、操山山系の向こうには金甲山から貝殻山あたりの山並みが霞んでいる。写真右は旭川下流に架かるJR鉄橋、岡北大橋、新鶴見橋、鶴見橋と岡山城、岡山県庁、シンフォニービルなどが、目をこらすと児島湖も見えている。花々を眺めながらゆっくりと昼食をとる。
[分岐1]の「笠井山公園展望台」道標まで戻り、隣り合った「天台宗薬師院・参道」へ向かう。手前には赤い前掛けのお地蔵さん。
薬師院の由緒来歴を読んで参道を下りる。
山門をくぐって本堂に参拝する。以前にあった「御薬水井戸」が見当たらないが、コロナ禍でなくなったのだろうか。
境内の西詰めに「第一番 本尊釈迦如来 阿波国 霊山寺」の石碑と共に石仏が祀られている。薬師院の御本尊は薬師如来だが、四国八十八ヶ所の一番札所とどんな関係があるのだろう。境内を見渡して薬師院を後にする。
再び[分岐1]に戻り、四差路へ出て下山に取りかかる。
5.車道を下山する
四差路から北へ延びる道は、外部地域へ車で移動する場合の幹線道路だ。下山はここを歩く。このあたりは不法投棄重点監視区域になっていて警告表示板が設置されている。ここまでやらないとダメなんだね~、恥ずかしいねえ。
ピンクに染まる花むしろの道、見上げてももう花はない。山側は白に染まる野イチゴの群生。茎に小さな棘があるのでクサイチゴかな、赤い実がなる頃に歩きたいね。
緩やかな傾斜を歩いていると左側(南西方向)に展望が開けた。中央には山陽自動車道が走っている。手前右側には岡山国立病院、中央左には岡山IC、遠くに岡山市北区西部の山並が見える。
県道386号に出た(マップの[分岐2])。ここは左折する。
道の辺を飾るオドリコソウやウマノアシガタ。
これは堂屋敷駐車場。左の看板には「当村へご用の方はご自由に駐車してください」。しばらく歩くと知恵の輪の木?
東に笑う山を眺めながら下り進むと三差路に出合う。マップの[分岐3]で、左は原、右は津高方面だ。
三差路を左にとって道なりに行く。急に交通量が増え、細い路側帯では何度も立ち止まりながら進む。
やっと若宮八幡宮の石灯籠にたどり着いてJR備前原駅に帰着する。