1.JR木野山駅〜木野山登山口
木野山駅には10時18分に到着。プラットフォームに木野山神社の案内板がある。
駅前通りを3〜400m東へ向かい、左側の道標にしたがって左折する。
木野山神社の長い石段を上ると立派な社殿が現れ、まずは山歩きの無事を祈る。
階段を降りると西側に中国自然歩道の道標があり、木野山の方向に坂道を上って行く。坂の上の右手には次の道標がある。
右折すると丁塚らしきものがあり、一部に「木野山」らしい文字を判読できるのだが何かはわからない。
ここが登山口であり、10時43分にゆっくりと歩き始める。
2.休憩舎〜鳥居
参道はよく整備されていて歩きやすい木洩れ日の道だ。深呼吸をしながら歩いていたら「五百米」と刻んだ石柱があった。これって、どこから?
道辺にはハナニガナ(花苦菜)が咲き、背の低いヤマツツジが可憐な花をつけている。
山の斜面には次第に岩が増えてくる。これだけ緑が豊かなのだが壁面は岩石が多い。岩盤にくい込むように根を張った逞しい木々の生命力には驚かされる。
林道歩きは木々が豊かで気持ちいいのだが、ほとんど展望を得られない。登山口から30分ばかりで、ようやく津川町八川の集落や臥牛山(がぎゅうざん)が見えてきた。
若い男性2人と女性1人がゆっくりと追い越していった。が、ほんの少し周辺を眺めている間に、林の向こうに点のように霞んで行く。体力の差を感じながら、あくまでマイペースを維持して新緑の中を進む。
数少ない眺望は臥牛山北面の採石場だ。これは有漢川沿いにある。
休憩舎が見えてきた。三角点がある323mのコルに立ち寄る予定だったが、それらしき位置にかすかな道跡をうかがうことはできたものの、雑木が茂って入り難く諦めることにした。
休憩舎には11時30分の到着。登山口から50分近くかかってしまった。ここで5分間、水分補給をして休憩をとる。
11時35分に出発。休憩所の傍に六丁の丁塚がある。一丁は約109mだから奥宮まで650mといったところだ。
やや緩やかになってきた木段の坂道を進むと、No.50送電鉄塔が見えてきた。
鉄塔の脇にも「二千百米」と記された石柱があった。もしかすると里宮までの距離だろうか?
木野山神社奥宮まで0.3kmの道標。続いて「一丁」の丁塚、奥宮はもうすぐそこだ。
そして前方に、藁の注連縄を張った木野山神社の石鳥居が現れた。
3.木野山神社奥宮〜山頂三角点〜無線中継所
鳥居の先には、奥宮を遮るような石段が待ちかまえる。これを上ると狛犬の奥に美しい屋根を頂いた社が建っていた。
社の中には年輩のご婦人が3〜4人、それに途中で追い越していった三人組の姿が見える。
狛犬と社の間に、もう一対の狼の狛犬がある。
ご婦人たちがよく頑張ってここまで登って来たものだと感心していたら、何と、乗用車が停まっている。ここまで車で上がって来られるとは・・・・。
車の前には木野山神社奥宮の案内板が設置されている。
社の正面写真からはわかりにくいが、かなり奥行きのある建物で、内部には祭壇と大太鼓があり、畳の上には何枚もの座布団が敷かれていた。ところで、狼の狛犬はなかなか愛敬のある顔をしています。
さてここからが大変なことに!何が何でも三角点を見つけようと竹薮の中へ・・・・。
竹薮が雑木に変わり、赤テープを頼りに探索をしてついに発見。三等三角点に並んで、川面村と旧今津村の境界を示す「川津村界」と記された石柱が設置されている。
薮から引き返して北側の無線中継局に足を運ぶ。建家には「高梁北無線局」のプレート。
局の右手から北に向かって山乢までの裏参道が開けている。
4.鳥居〜山乢(さんたわ)
12時32分、裏参道を山乢に向けてスタートだ。間もなく一丁塚に出合う。
歩きやすいのでどんどん下りていたら、いきなり苦手なヘビに遭遇した。1mばかりの白に黒っぽい縞のあるやつが、ザザッと逃げていった。こちらも飛び退いて逃げて、様子を窺いながら注意深く前進。やがて二丁塚を確認。
歩きやすい道なのでどんどん進みたいのだが、ヘビの幻影がブレーキになる。そうこうしながらも裏参道の石鳥居を通過した。
六丁塚へ到達。その先に大きな倒木が朽ちて横たわっていたのを、慎重にまたぐ。
七丁塚を越えて林道と出合う。山乢までのほぼ1/3の道程をこなせたようだ。
中国自然歩道の山乢方面への道標が「祇園寺」に変わっている。山道に轍が見られるのでホッとするが、依然として草が茂り湿地があるので、マムシを踏まないかと気にかかる。
またしても倒木が道をふさいでいる。これを越えて進んでいると、左手上に石垣が見えてきた。よく見るとブロック積みのようだ。これは何だろう。
山肌を切り開いてつくられた道。樹木が不安定にせり上がっている。
配水施設があった。「家地配水池」のプレートが見える。人里が近くなったようだ。
配水池から路面が平らになり、花を見る余裕が出てくる。
やがて路面が舗装になり、北の展望がひらけてNo.19送電鉄塔が現れる。
13時20分、裏参道に入ってから50分足らずで山乢に到着した。長閑な山里の風景が広がっている。
山乢にはお堂があるので上がってみた。
お堂の階段のそばに「木野山宮廿三丁」と刻まれた丁塚が立っている。お堂の前には道祖神が祀られていて、この道祖神の隣に腰を下ろして遅い昼食をとった。
備中川面駅からの電車まで2時間近くあるので、祇園寺へ出かけようかと思ったが7.6kmも離れているのでムリ。ゆっくりと食事をしながら、長閑な時の流れを噛みしめる。
5.川面市場〜JR備中川面駅
14時に下山を開始。複雑な形状に曲がった地図上の道路と、目の前に延びる舗装道路の形状との対比を楽しみながら降りて行く。トレッキングシューズでなければ、駆け出したいような気分だ。
黄砂で風景が煙っている。石垣の上に、洋風造りの建家が伝統的な土蔵と農家に挟まれて調和している。
穏やかな棚田の風景もある。農家の石垣には撫子が満開だ。
それにしても農家の多くは大規模住宅である。立派な母屋、離れ、納屋、土蔵から成り立っている姿には見とれてしまう。
14時26分、川面市場に差しかかる。道路と用水路に挟まれた歩道を南へ向かう。
郵便局がある中心部へ出て伯備線の踏切を渡り、川面駅には14時43分に到着。余裕をもっての帰着となった。