名 称

まさきやま

所在地

岡山県総社市秦

標 高

381m

山行日

2012年3月3日

天 候

晴れ時々曇り

同行者

なし

アクセス

JR伯備線・豪渓駅下車

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

JR豪渓駅 9:52〜10:00城山登山口 10:21石畳神社 10:22〜10:24パノラマ展望台 10:45
城山三角点 11:03荒平山城跡 11:05石鎚大権現 11:22金刀比羅神社 11:26
一丁ぐろ古墳 11:50〜12:03麻佐岐神社 12:52正木山登山口 12:19正木山頂上 13:09
絶景ポイント(昼食) 13:14〜13:57正木山登山口 14:24金刀比羅神社 14:45
城山頂上 14:58パノラマ展望台 15:09石畳神社 15:22JR豪渓駅 15:42

1.出発〜登山口

 豪渓駅から約250m西の踏切を渡り、200mばかり進んで交差点を左折して豪渓秦橋(ごうけいはたばし)を渡って行く。

 豪渓秦橋の突き当たりはトンネルになっている。その手前右側の階段を降りて、降り立った位置から道路を逆方向に進む。

 すると崖の下にトンネルが見える。それを抜けて100mほど進み、右側の坂道を上がって右折する。

 石畳神社の鳥居があり、その手前に「展望台入口」の道標が設置されている。ここが登山口だ。

2.石畳神社〜城山頂上

 鳥居をくぐって石段を上り、石畳神社で山歩きの無事をお願いする。

 10時24分、境内左の山道を登って行く。途中あちこちで石仏が迎えてくれる。

 5分ばかりで「石畳神社御神体磐座」の道標。そちらへ入ると複雑な形の巨岩がそびえている。ちょうど先ほど通ったトンネルの上あたりと思われる。
 小さな赤鳥居のそばまで行けそうなのだが、両側が絶壁になっているようなので見合わせた。

 すごい形だ!それにしても崩落しないかと心配になる。すごいのはそれだけではない。のぞき込むと高梁川に呑み込まれそうだ。

 元に戻って、落ち葉が掃き寄せられている気持ちいい山道を歩いて行く。

 御神体から15分足らずでパノラマ展望台に着く。北東から南へかけての眺望が素晴らしく、しばらく、横たわる高梁川と上流方向の風景を楽しむ。

 道はしだいに岩が増えて急になり、この地点でストックを取り出す。

 パノラマ展望台から15分ほどで城山の三角点(191m)に着く。繁る雑木に背伸びして南を垣間見る。

3.荒平山(あらひらやま)城跡〜正木山登山口

 荒平山城跡は三角点からすぐ近くにある。「備中荒平城址」の標識が立ち、「荒平山城本丸跡」と記された位置に東屋がある。少し離れたところにはトイレが設置されている。
 周辺はきれいに清掃が行き届いておりのんびりと景色を楽しむ。

 さらに15分ばかり進むと「石鎚大権現」の標識。右上へ分け入って参拝する。

 元に戻って進むとすぐに「茶臼嶽」とあり、崖の傍に祠が祀られている。

 間もなく城山金刀比羅神社に到着。山門のような建家を通り抜けて(納屋として使われているようだ)、急な階段を上って参拝する。ここからの眺望も良好だ。

 正木山の方向に舗装道が続きその先に手洗い場がある。本来の参拝道はこちらのようだ。
 やがてむき出しの山道になり石鳥居が見えてきた。

 正木山が近づくとあちこちにトレイルの案内板がある。後でわかったのだが、2012年4月1日に第5回のトレイルランが開催されるとのことで、このあたりは走ってもいいらしい。

 大きな「正木山登山道」の道標があるのだが、あらかじめ調べていた地図上の地点よりかなり手前になる。おかしいと思って直進するが、右手に古墳らしい地形が見えたので立ち止まる。そのまま進むと古墳を通り過ぎてしまうので、戻って標識の方へ上がることにした。

 歩きやすい道を進むと行く手を倒木が遮っている。またいでさらに進む。

 その先にはビニール紐が張られており、紐に赤テープが貼り付けられている。進入禁止かと思い、少し引き返した位置から古墳と思われる丘に登っていった。

 このあたり一帯に「一丁ぐろ古墳群」が形成されている。昨年(2011年)6月23日に総社市指定史跡になったもので、全長74mの前方後方墳の1号墳である。周辺には2〜4号墳もある。
 後方部にはいろいろと祀られている。石の枠組みの中に石塔があり「菩薩僧竺源元壽塔」と刻まれている。

 これは石でつくった棺を入れる外箱、つまり石槨(せっかく)らしい。隣に「龍王大権現」と刻まれた石碑がある。

 あちこちに傷んだ木が伐採されて積み上げられ、新たに植樹が進められている。

 ひときわ高い古墳の上から周囲を見渡すと、どうしても先のビニール紐を越えなくては先に進めないことがわかる。
 12時3分、紐をくぐって前進を開始する。

 少し進んだ位置から振り返ると、先にいた場所がはっきり古墳とわかる姿を見せている。
 向こうに4〜5台の軽トラックが停まっていて、植樹作業員の人たちが弁当を食べている。挨拶をして正木山は近いかと尋ねたら、まだまだ遠いとの答え。

 先日の雨でぬかるんだ道をどんどん歩くと舗装道に出た。これからがトレイルランの勝負所になるらしい。

 舗装道路の脇にまたしてもトレイル向けの案内板があり、「山へ登る」と書いてある。その奥に登山口の標識が見える。
 12時19分、これから正木山への登山開始だ。

4.麻佐岐神社〜正木山頂上

 出だしからかなり急で、雨が降ると急流の沢になりそうな道を進む。

 方々に痛々しい枯れ松の姿が見える。いっぽうでは生き生きとした猿の腰掛けも!

 道の両側には倒木や朽ちた木、伐採木が寄せられ積み上げられている。
 そんな道をしばらく進むと、路面がデコボコ岩に変わってきた。

 登山口から30分ほどで麻佐岐神社の鳥居が見えてきた。左手前には、中国電力のマイクロウェーブの大きな反射板が設置されている。

 麻佐岐神社に参拝する。向かって右側の標識には社名、左側には「古代祭祀(磐座)」と記されている。社の右側に御神木「招霊の木(おがたまのき)」があり、社裏には石の柵で囲まれた磐座がある。

           

 正木山の三角点は、山道を少し西に進んだところから入り込んだ薮の中にある。GPSでも持っていなければ探すのが大変だと思われる位置にあるが、幸いなことに手書きの案内杭が設置されており、それにしたがって踏み跡を50mばかり進むと見つけることができた。

 正木山にはあちこちに手書きの案内板があり歩きやすい。山頂にビューポイントがあることは知っていたが、写真のように「正木山絶景ポイント地→100m」と道標が案内してくれる。これにしたがって、きれいに整備された道を南へと進む。

 さすがに絶景ポイントだ。南にはすぐ間近に久代(くしろ)の工業団地「ウィングバレー」が広がり、木村山から馬入山の山系が横たわる。遥かに瀬戸内海も見えている。東南には高梁川が蛇行し、総社大橋をはじめ総社から清音の町や田畑が一望できる。1,230段の直登階段がある福山もはっきり見えている。

 ビューポイントの広場もきれいに整備されていて、一部に礎石のように列をなした岩が並んでいる。これが何かはわからないまま、端のひとつに腰を落ち着けて昼食をとった。

5.下山は来た道をひたすら早足で

 帰りは同じコースを戻ることにして、13時57分に絶景ポイントを離れる。
 どんどん下りて行くと、金刀比羅神社の手前に、行きには気づかなかった石仏があったのでシャッターを押す。石畳神社には15時22分に帰着して下山の無事を感謝した。

 帰り道、トンネルを抜けて振り返ると巨岩上部の顔面岩にビックリ。ちょうど「石畳神社御神体磐座」の位置にあたるようで、その姿をデジカメに収めて豪渓駅へと向かう。


 正木山までのアプローチは、神社・古墳・城跡・展望所と変化に富んでいる。特に「一丁ぐろ古墳」は、予備知識もないままに大変なものを見ることができたようで、帰着してあれこれ調べて驚いた次第。
 山道や道標・案内板などがよく整備されており、眺望も良く山歩きを存分に楽しむことができた。今後、遺跡や古墳などの調査や整備がどのように進むのかは興味深い。また出かけたい山だ。