1.登山口へ急ぐ
小走りで豪渓秦橋(ごうけいはたばし)を渡り、堤防を東に進む途中には静かな高梁川の流れが山を映している。それを横目に見ながら石畳神社鳥居の登山口に到着。
2.パノラマ展望所~城山~荒平山城跡~金比羅神社~一丁ぐろ古墳
いかに急いでいても磐座には参拝しなければならない。神々しい姿と眼下の風景に手を合わせてふたたび山道へ。
ふっかふかの落ち葉の山道は足が弾む。パノラマ展望所では深呼吸をして、ついでに高梁川方面の風景をデジカメに。
素晴らしい天候だ。気は急くが城山の三角点だけは見逃せない。
走り出したくなるような山道。荒平山城跡本丸には犬と一家族が休息中。
今回は石鉄山大権現には失礼して道ばたから参拝。その先の茶臼嶽・瑜伽大権現を通り越して金比羅神社へと向かう。なお瑜伽大権現は、備前国瑜伽山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神であり、阿弥陀如来・薬師如来を本地仏とするそうで、神仏分離・廃仏毀釈が行われる以前は、瑜伽山蓮台寺で祀られていたとのことである(Wikipedia「瑜伽大権現」より)。
金比羅神社にお参りして緩やかな坂を下り、石鳥居をくぐって進む。
「正木山登山道」の道標を右に上がって行く。これを進めば最短距離になるはずなのだが、ここはどうしても一丁ぐろ古墳に立ち寄らなくてはならない。
一丁ぐろ古墳に立つと会長のUさんから電話が入る。「正木山に向かっているのだがどんどん下りていくようで、道を間違えたような気がする」との話。一丁ぐろ古墳からは正木山を見渡せるが、前回訪れたときより道路の様子が変わっていて、みんなは新しい道を進んでいるようだ。電話のやりとりから大きく間違っているとは思えないので、登山口の道標に注意しながら前進するよう伝える。
3.正木山頂上~ビューポイント
前回とは道がまったく変わっている。古墳から新たな道がついているようなので、ロープの誘導にしたがって進む。間もなく新設された案内板に到達し「麻佐岐神社方面」の道標を確認する。
その道を、おそろいの上着をつけた3人のご婦人がゆるゆると歩んでいる。その先にはよく整備された山道が続く。
はるか先に大勢の姿が見える。これは仲間の一団に違いないと確信。やがて「麻佐岐神社道」の道標と「正木山登山口」の赤い標識。仲間の姿が見えている。
ようやく追いつくことができた。遅れを詫びて列の最後をキープ。石畳の道にかかる直前、道路脇に艶のある美しい紅い実を発見した。後で調べるとツルリンドウの実であることがわかった。
麻佐岐神社はすっかり様子が変わっていて、前回に訪れたときとは見違えるほどだ。周辺も整備が進んでいてまるで別物だ。変わらないのは中国電力のマイクロウェーブ反射板。
ビューポイントへ移動してランチタイム。ここの眺望にはみなさん満足で、下界を見ながら話が弾む。児島湖からはるかに金甲山がと思っていたら、なんと四国の飯野山(讃岐富士)まで見えていた。
4.北回りコースでの下山
ビューポイントの手前で山道を整備していたボランティアの男性二人が、昼食後に正木山と周辺の地域について説明してくれる。さらに下りルートとして大谷方面への道を教えてもらった。
下山を開始した直後、紫色の小さな花を発見、よく踏みつけられなかったと撮影する。この花はなかなか名前がわからず、しばらくしてサクラスミレと判明した。
ここが大谷方面への分岐点で、その反対側に小さなきれいな池がある。ここを右折して送電線路に沿って下りて行く。
顔のある紅い実はクロガネモチ。やがて右折ポイントの送電鉄塔が見えてきた。双眼鏡で鉄塔No.を確認する。
紅葉に包まれた晩秋の里山を楽しみながらのんびりと下山する。
送電鉄塔でおおよその位置を確かめながら下りて行く。遠くに最上稲荷の大鳥居が望まれる。
あっちもこっちも様々な紅葉に彩られ、道ばたには羽子板の羽根のようなクサギが実をつけている。
長距離を歩いて、往路とは反対の方向から豪渓秦橋へ上がって行く。右上には石畳神社の磐座が午後の陽差しに輝いていた。