1.出発〜スタート地点
岡山駅前から西大寺行き両備バスに乗車し、護国神社で下車する。
昔、この近くに住んでいて、護国神社へは長男が3歳のころに行った記憶があったのだが、どうもそれは間違っていたようだ。バス停から歩き始めて最初の石鳥居が現れたとき、ふとそう感じた。
12時50分、鳥居をくぐると左手に野球場がある。大昔のことになるが、職場の野球チームがしばしばこの奥市グラウンドで試合をしていた。今日はリトルリーグが試合をしている。
このグラウンドまではわかるのだが、ここから奥の風景の記憶があやふやだ。ということは、ここから奥へ歩くのは今回が初めてなのかも知れない。
参道の桜は七分咲きぐらいだろうか、草地に敷物を広げて花見をしている人たちもいる。
2.護国神社
2つ目の鳥居だ。やはりここは初めてであることを実感する。
鳥居の手前には立派な社務所があり、広い駐車場が設置されている。
3番目の鳥居の向こうが本殿だ。鳥居そばのカイズカイブキの緑に淡いピンクが浮かび上がっている。花柄が長くうつむき気味に咲いている姿はソメイヨシノではなさそうだ。美しい!
本殿に参拝する。平日の昼下がりだが参拝者は少なくない。あたりの雰囲気から、この一帯は市民の憩いの場になっているようである。操山への登り口を探したが見つからなかった。
3.仏心寺
いったんバス停手前まで戻り、県営光が丘団地方面への裏道を歩く。
昔はなかった写真左側の道路が近道と思われ、傾斜のきつい舗装路を上っていくが行き止まり。
もう一度戻り、気を取り直して中央の道を進んでいく。
ゆるい左カーブのあたりに「瑞光山仏心寺入口」の案内板があり、ここを左折する。
傾斜が急な坂を上ると仏心寺の階段に至る。
瑞光山仏心寺には14時5分に到着。仏心寺は阿弥陀如来を本尊とする天台宗の寺院で、正徳4年(1714年)に岡山藩主池田綱政によって建立されたものである。
桜や木蓮に彩られた、下界と隔絶されたような風景が広がっている。
しばらく庭園を散策し、デジカメのシャッターを切りながら閑かな時の流れを味わう。
こうして14時半頃に仏心寺を後にする。
近くの県営団地まで下りてみた。南面の桜がずいぶん大きく育ち春爛漫だ。
4.曹源寺
仏心寺から曹源寺へ向けて、そのまま標高を維持しながら進もうとするがうまくいかない。
途中で、おばあさんと小学校低学年らしい娘さんを伴った若いお母さんの一行と出会う。
つい最近このあたりへ引っ越して来たとのことで、好天の昼下がりを仏心寺へ出かける途中であった。
言葉の訛りから京都の人とわかったのだが、後から考えると、岡山の良いところアレコレを紹介できなかったことが残念。あべこべに、曹源寺の枝垂れ桜が満開で綺麗ですよと教えられる。
1kmほど歩くと道がなくなり、県道に平行している裏通りまで下りることになる。裏道を歩いていくと石高神社があった。
約150mで参道と交差する。左折して松並木の参道に入ると、400mばかり向こうに曹源寺の総門が見える。
曹源寺は、岡山藩主池田綱政が父光政の菩提を弔って、江戸中期(1698年)に創建された西日本屈指の臨済宗(禅宗)の寺である。
総門を入ると見事な三門(山門)がある。
三門の正面にある本堂前を右に進むと、塀で仕切られて庫裡があり、その奥に山を背景に池を配した庭園がある。
緑豊かな庭園の一角、満開の枝垂れ桜が水面に映えて、あたりの空気を華やかに染めている。
風が吹けば散り初めるばかりの姿を愛でようと、花見客が三々五々訪れては去っていく。
5.そして帰路に
今回は、山歩きというよりも寺社訪問ウォーキングになってしまったが、良い季節に素晴らしいスポットを訪れることができた。日々移りゆく花の姿を、もっともいいタイミングで切り取ることができたように思う。
そして、これらのスポットすべてが操山に抱かれていることを思うと、この山がますます好きになる。
15時55分、約3時間の充実した散策はここで終わり。これから静かな参道を県道まで出て、バスで岡山駅方面へ帰る。