1.鳥ノ江峠駐車場へ
笠岡湾干拓地にある道の駅「笠岡ベイファーム」に車3台が集結、時刻はまだ8時50分である。スタート地点の鳥ノ江峠までは近いので、いつもとは順序を逆にして、まずは買い物をしてからにしようということになる。9時の開店を待ってソレッと踏み込むが、自分には買うべきものが見当たらない。北木島の御影石の石板が目にとまって、オーディオのインシュレーター周りに使えるかと思ったが、厚みが薄いのでパス。
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それぞれ買い物を済ませて、早くも口がもぐもぐ状態の仲間もチラホラ。南には神島(こうのしま)に林立する電波塔が見えている。9時15分にベイファームを出発して約20分、鳥ノ江峠駐車場に到着した。
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各自で準備体操などをする。トイレの西側にこんもりとした山があり、登山道標識が立っている。標高228.7mの四尋山(しびろやま)である。
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2.御瀧神社鳥居~幻紅台
山頂に向かう2つのルートがある。緩やかな傾斜の舗装道路は、山の斜面に沿っており風景がよさそうだ。一方、階段はぐいぐいと最短コースを登ることができ、これに決定した。力強く登って行く。
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御嶽山は三十三観音霊場であり、階段から登るとまず「25番・清水寺」の石仏に出会う。その後は逆順に進み、19番を経て舗装道に合流する。少し進むと「奉」「献」一対の石柱が立っている。
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路面に岩がむき出した道、落ち葉が積もった道、どちらも歩きやすい。
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途中にコンクリート製の基礎があったが、何のためのものかは分からない。ところどころに鳥の巣箱が置かれている。
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先導は女性の皆さん。元気いっぱいで、階段も急坂もグイグイ引っ張って行く。
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「19番・行願寺」の観音様だ。どの観音様も石柱と石屋根の祠に安置されている。左手に御瀧神社の石鳥居が現れたが、神社には立ち寄らない。
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そばに「登山道→車道」の道標があり、右折気味に坂を上がるとすぐに車道と合流した。
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緩やかな舗装道路を歩く。傷んだ斜面がていねいに補修・補強されている。公共の財産がこのような形で大切にされているのを見ると嬉しくなる。左側に15・14番の石仏を拝すると幻紅台に到着だ。
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幻紅台の標石と展望台。笠岡諸島の案内板が設置されているが、黄砂の影響で視界が悪い。眼下の岬を行く船も朧気だ。何の木か分からないが、松笠のようなものがついているのが、茫洋たる空と絶妙なバランスを見せる。
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3.山頂広場~三角点
数分の小休止の後、再び舗装道路を上がって行く。
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これは量剛寺跡だ。御瀧神社の境内にあるが残っているのは礎石のみ。平安時代の昔には山上伽藍があったらしい。奥の御堂には「龍王神社」の額が見える。
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幻紅台から5分ばかりで山頂広場に到着した。三角点はさらに100m先にあるので、そちらへ向けて山道を下る。
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緩やかな起伏を越えて、先の広場より低いのではと思われる山頂に着いた。手書きの山頂標識があり、二等三角点を確認する。
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4.岡南堂~鳥ノ江峠
時刻は10時30分で、幻紅台に戻って昼食をとるには早過ぎる。それにもうひとつ歩き足りない顔々。メンバーの一人が周辺の詳細な地図(守屋益男監修、道広静子踏査作成『遥照山・御嶽山・沙美アルプス登山詳細図』)を持参していたことから、リーダーの判断で2kmばかりの周回コースを歩くことになる。まずは石砂(いしざこ)方面への下りである。
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下りかけにまずお目にかかるのが「8番・長谷寺・法起院」の二体の石仏。ここから先も、やはり逆順に巡ることになる。落ち葉がふかふかの道を歩くのは実に気持ちいい。
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それにしても、下る、そしてまた下る。ほとんど300m近く下りて行く。
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ついに「第1番・那智山青岸渡寺」だ。その下の岡南堂(おかなんどう)に参拝する。面白い呼び方だが、昔は岡ノ御堂(おかのみどう)と言っていたのが訛ったらしい。
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岡南堂の裏には、黒い素焼きの祠が並んでいる。
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左へ回り込んで石砂集落を行くと御堂があった。
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内部は改築されたのだろうか、新しい神棚に祠が祀られ、そばに役行者を思わせる石像が安置されている。この御堂が何かは分からない。
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堂の近くに「實報妙映」と彫った石柱があるが、これも何か分からない。咲き初めの梅が美しい。
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少し高くなったところから見る石砂集落。竹林の道に変わり道辺には素焼きの祠。
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また御堂がある。山を巡る道すべてが参道のようだ。石畑池(いしばたけいけ)に出た。
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道路脇の斜面には、まだ寒いのにこんなスミレが咲いていた。柑橘類は今が盛りである。
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桜と見間違えるような色合いの梅が里に春を呼ぶ。庭とも畑地とも定かでない一角に、石垣が積まれ中央にあの黒い素焼きの祠が置かれている。不思議な雰囲気の空間だ。
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九十九折りの舗装道路を歩き、岡南堂から25分ばかりで鳥ノ江峠の駐車場に帰着した。
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5.幻紅台
鳥ノ江峠からは車で幻紅台へと向かう。移動中に、自転車を押して登る男性を見てそのガッツに驚く。車が幻紅台に着くと、5~6名の学生君がマウンテンバイクを止めて待機中で、先の男性は彼らと同行している先生らしい。先生が到着すると、若者たちは「もう少しですから、もうすぐですから」と励ましておいてバイクにまたがり、クルクルと漕いでスタートした。くだんの先生は、やはりバイクを押しながら後を追う。そんな風景を見送って、幻紅台の展望台で昼食をとる。
相変わらず黄砂に煙る風景。神島の電波塔群も霞んでいる。
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霞んではいるが、写真左には大殿州(おおどんす)の一部と子殿州、孫殿州という神島水道の干潟が見えている。写真右は中央に笠岡港があり、その右に応神山、そして応神山の背後に竜王山と虚空蔵山を望むことができる。
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12時30分、幻紅台から帰路につく。帰りは黒崎経由で鮮魚店へ立ち寄ることになったが、13時に着くとすでに閉店。「12時半に閉店」の掲示がありタッチの差。これは残念だったが、山に加えて海岸線の風景を楽しむという贅沢な一日になった。