名 称

おおひらやま

所在地

岡山県倉敷市連島

標 高

162m

山行日

2022年12月12日

天 候

晴れ

同行者

なし

アクセス

倉敷駅から両備バス・倉敷小溝車庫線(倉敷芸科大学行き)で宝島寺(ほうとうじ)バス停下車

マップ

緑線は当初の計画コースピンクの円は登山道探索エリア赤の点線は実際に歩いた感覚からのプロットです。
    

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

倉敷駅バスセンター発 10:45(バス)宝島寺バス停 11:10宝島寺参拝と登山道探索 11:22~11:52
分岐1 12:16寂厳堂参道口1 12:24寂厳堂参道口2 12:39山頂入口 12:59
山頂広場と三角点(昼食)13:09~14:07山頂入口 14:16大平山稲荷(下山路探索)14:24~14:30
分岐2 14:40寂厳堂参道口1 14:46宝島寺バス停帰着 15:07

(余談)

 大平山の東側登山ルートがある宝島寺を目指して、倉敷駅からバスで移動する。宝島寺を「ほうとうじ」と読むのも面白いが、その手前のバス停は「ヤットコ」で、宝島寺の4つ先から「ヘラ取神社前」「ドンドン」という珍しい停留所名が続く。旧国道2号線の玉島・倉敷間をバスが通っていた頃には、すぐ近くに「巻倒(まきたおし)」なるバス停があって、この一帯は面白いバス停ゾーンの感があった。またそれぞれの由来も興味深い。そして、大平山はそのゾーンのど真ん中に位置している。

1.宝島寺参拝と登山道探索

 バス進行方向のすぐ先の信号を右折して道なりに進み、約400m先右手の地蔵堂(写真の○)を見て右折する。

 少し進むと「真如院・駐車場」の大きな立て札が現れ、その先に宝島寺仁王門が見えてくる。宝島寺は平安時代初期に創建され、多くの塔頭や末寺をもつ大寺であったが、慶長年間にほとんどを焼失し再建されたと解説板にある。この仁王門はその大火の難を逃れたとのことである。

 仁王門の手前を左にとって直進すると、参拝者専用の広い駐車場に出る。

 宝島寺は真言宗御室派の寺院で、山名を冠した「矢上山寶島寺」の石柱が建つ階段を上って行く。すぐ左に設置されている、とても清潔できれいなトイレを利用させていただいた。

 境内の石像の前を通って本堂に参拝する。ご本尊は十一面観世音菩薩である。

 境内は山の斜面に沿って段状に形成されていていくつもの石段がある。

 美しい五輪塔があり近くにお地蔵様。その両側に石段があり踏み込んでみるが、ここからは登れそうにない。

 結局登山口が見つからず、山腹まで階段状に整備されている墓地の方へと歩く。そこで墓地の清掃をしていた男性に 出会って登山口を尋ねると、途中まで登れる道はあるが、そこから上は通る人がいないので荒れているかも知れないとのこと。別なルートの方が安全だと説明される。

 ここから車道に下りると広い歩道がついているので、大平山トンネルを抜けたところから登るよう案内してくれた。これは帰路に予定していたルートなので、順序が逆になるが下山時に宝島寺側へ下りればいいだろうとスタートする。

2.ウォーキングで登山口を目指す

 こうして、まずはウォーキングでのスタートとなった。緩い上りの道が続き、右手に大平山ゴルフクラブが見える。歩道を進むので安全だが、大型トラックやダンプカーの行き来が多くてかなり騒々しい。

 右に「寂厳堂参道口」の石柱がある(マップの「寂厳堂参道1」)。しばらく進むと左に「倉敷芸術科学大学」の案内標識が現れ、その先にトンネルが見えてきた。

 大平山トンネルだ。歩道の安全は確保されているが自分にはもっとも苦手な場所である。車両がトンネルに進入したとたんに、ガンガンゴーゴーと大音響が響いて耳が痛くなるからだ。

 トンネルを抜けたらこの風景、間近に高梁川が見える。道路を渡ってUターンすると「寂厳堂参道口」の石柱と「大平山探鳥コース」の案内板が立つ(マップの「寂厳堂参道2」)。緩やかな舗装道路が山頂方向に延びている。

 大平山はミカン畑が多い。まだ残る黄葉と黄色い実をつけたミカンの木の配置は初冬の彩りだ。

 やや急坂になり落葉が覆う道に変わる。

 栗毛の猫に出会う。なんとも人なつっこい感じだ。しばらく先に山頂への道標があり、「10m先を左へ登る」と書かれている。

 すぐそばにドングリの実とトトロを配した「登山入口」の道標がある。

3.山頂はすぐそこ

 石ころが露出した坂をひと登りする。

 竹林を抜けて落葉が積もる道を進む。

 雑木のトンネルをくぐる。

 先が開けて山頂広場に到着だ。

4.山頂風景と三角点

 広場の中心部には大きな岩が積み上げられていて、それを取り巻いて周囲に道がついている。南側にはこんなテーブルとベンチが設置されている。

 南側には児島西部から水島に広がる工業地帯の大パノラマが展開され、瀬戸内の島々はもちろん四国の山並みを望むことができる。

 ズームでパノラマを切り取ってみる。
 写真左は東鉄、ENEOSと鷲羽山方面で、遠くに飯野山(讃岐富士)。
 写真右は中央に西日本飼料とパシフィック・グレーン・センター。海には三つの農地島と六口島、奥に本島と広島。

 写真左はJFEスチールと火力発電所、広島とその左彼方には金刀比羅宮のある大麻山(おおさやま)が霞んでいる。
 写真右は高梁川に架かる倉敷みなと大橋と玉島のハーバーアイランド。たくさんの船舶が行き交っている。

 広場北側へ回り込むとここにもベンチがある。昼食をとりながら風景を独り占めする。

 西は金光町と北にそびえる遙照山から、東は岡山市北区までの180度を超えるパノラマだ。写真はその一部で、中央を高梁川が流れ、手前から高梁川大橋、山陽本線鉄橋、船穂橋の三本の橋が架かっている。

 真下には倉敷化工(写真左)、その左には総合物流のムロオがある(写真右)。

 写真左は中島の倉敷紀念病院。
 写真右は中庄周辺から遠くに川崎医科大学附属病院、背後の山は金山(かなやま)だ。

 写真左は白楽町(ばくろうちょう)の成人病センターから倉敷市民会館、遠く丘の上には岡山県総合流通センター。
 写真右は中島地域と水江のイオンモール倉敷、遠くの山腹には酒津のクラレくらしき研究センター。

 毎日ここを訪れているという男性と出会ってしばらく話す。大平山三角点は広場から少し離れた所にあるので、東側の細道へ踏み込んで行く。

 2~3分歩くと岩がゴロゴロある場所に着く。その手前に三角点標石が設置されている。

 広場に戻って中央部の岩の姿をカメラに収める。最後に南側間近の風景を眺めて登山口へ下山する。

5.宝島寺方面を諦めショートカットで下山

 「登山入口」の道標まで戻ってマップの点線のルートを歩く。赤い鳥居の大平山稲荷に着いて参拝する。背景はソーラーパネル。

 近くの分岐の先に家屋がありそちらへ移動する。

 その先のプレハブまで歩くがそこで行き止まりになっている。反対の山側にも家があるので登り返す。

 ちょうど、ミカンを収穫中の男性が谷側の畑から戻って来た。宝島寺への下山路を尋ねるが、「このへんにはそんな道はない」と素っ気ない。山歩きをしない人には舗装道路以外は道ではないのかも知れないなぁ、などと呟きながら引き返す。

 こうなると自分の足で探すほかないのだが、歳のせいか気合いが入らない。最近は安全サイドと言うか横着と言おうか、無難な行動が優先する。もう十分に山頂風景を堪能したので、マップに明示された徒歩道のルートをさっさと下山することにした。

 道端に沿って植えられた水仙にはしっかりとした蕾がついている。そんなショートカットの道をどんどん下りて行く。

 5~6分で往路で歩いた道へ出た。寂厳堂参道口の地点である。

 ここから帰路のウォーキングだ。途中で宝島寺上方の山を眺めて、下山はあんな岩場を歩けたかも知れないなどと思いながらバス停に帰着する。御堂に供えられた花の濃い香りが漂っている。