名 称

おおいしやま(むしま)

所在地

岡山県笠岡市

標 高

209m

山行日

2023年3月14日

天 候

晴れ

同行者

なし

アクセス

JR山陽本線・笠岡駅、徒歩で三洋汽船・住吉乗り場から船で六島の前浦港へ

マップ

※青線は国土地理院地図に記載されていない推定ルートです。または通過しなかった計画ルートです。

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

JR笠岡駅出発 8:20三洋汽船・住吉乗り場 8:30~8:50(高速艇)六島・前浦港 9:50
前浦港出発 10:00六島灯台 10:22~10:30大石山山頂(昼食) 10:54~12:02
大石山分岐 12:16足摺分岐 12:21第27番「神峰寺」 12:36~12:42足摺分岐 12:54
足摺38番「金剛福寺」13:05足摺分岐 13:13大石山分岐 13:18第56番「泰山寺」13:31
溜池 13:40湛江・前浦分岐 13:49ゲストハウス「島小屋」13:56大鳥神社 14:00~14:01
前浦港 14:10~14:20(高速艇)三洋汽船・住吉乗り場帰着 15:15JR笠岡駅帰着 15:20

1.JR笠岡駅~三洋汽船・住吉乗り場~六島・前浦港

 笠岡から六島への船便は高速艇のみが運行。三洋汽船の住吉乗り場で乗船する。笠岡駅から徒歩で約5分とされるが、交通量の多い車道を渡るので少し余裕をみておいた方がいい。駅から出て右の商店街へ進む。

 突き当たりの少し手前右側にある「笠岡駅東地下道北口」へ入る。途中の階段を上がらずにまっすぐ進むと、鉄道線路の下をくぐって民家がある一角に出る。あちこちの電柱に取り付けられた道標にしたがって進む。

 乗り場には快適な待合所とくつろげる空間があり、街角ピアノも設置されている。

 六島までは片道1,280円。自動販売機で往復切符を求め、長い桟橋を進んで快速艇「しおじ」に乗船する。

 船内はこんな感じで定員は75名、観光客の姿は見当たらなかった。途中で4港に立ち寄り、六島までの所要時間は約1時間。快音を立てて疾走する。

 六島には湛江(たたえ)港と前浦港があるが、今回は前浦港で下船する。係留施設だけの簡単な船着き場だ。空のカートを引いた女性が待っていて、乗客が下船し終わると数個のパッキングケースがカートに移された。ケースには「amazon」の文字も見える。宅配便はこの船でやって来るようだ。

 六島の全図があり「女子旅に最適!灯台と水仙の島」とある。ふむ、この便に旅女子の姿はナシ。水仙はどうかな?
 港には笠岡市六島診療所があり「日本遺産・大石山」の解説板が掛かる。ここは港の待合所になっているのかな?

 六島は猫の島のようだ。3匹の子猫が駆け寄ってきたが、準備をしている間にいなくなった。代わってこんなニャンコたちに歓待される。

2.水仙の道を六島灯台へ

 港の前を左に進む。すぐ右側に六島小学校へ上がる道がある。

 右に現れた立派な建物は天台宗寺院の妙音院。

 灯台には六島浜醸造所の横から入る。ここにもニャンコたちが整列している。これらのニャンコはブイ(海上で位置を示すための浮標)に描かれたものだ。

 その先はあちこちでニャンコが道案内してくれる。階段と坂道を登って行く。

 これはラッキー!! 道の両側が水仙の花で埋め尽くされている。

 光溢れる丘一面に水仙が咲き誇り早咲きの桜が2本、春爛漫の風景が広がっている。

 「あそびば」の向こうはベンチと遊具がある広場。木々には笑顔を描いたブイが吊されている。これらの水仙、もとは大石山一帯に自生していたものを、平成5年に六島小学校の児童が登山道の両脇に植えて「水仙の小道」を整備したのが始まりだそうだ。

 水仙に囲まれた道が終わるあたりに分岐があるが、これは直進する。

 別世界に繋がるようなトンネルをくぐると何本ものビワの木。明るいオレンジ色の実がなるときれいだろうな。

 そして灯台に到着する。階段左の水仙が終わりかけていたのは残念。いちばん絵になるスポットなのだが。

 真っ青な空に映える白亜の灯台。大正11年(1922)に岡山県で初めて設置された灯台である。

 ニャンコが荘内半島付近を行く船を見つめている。

3.大石山山頂へ

 灯台裏から大石山への登山道が始まる。ここは近道を選択する。

 ジグザグに続く丸太階段をしばらく登ると山道に変わる。

 山頂まで18分の標識の先は歩きやすい道になる。

 大きな石が現れると山頂まであと12分。所々にロープが張られているが危険は無い。

 こんなニャンコ顔に出会うとあと9分。

 最後の丸太階段を登ると山頂だ。

 山名どおり大きな石が散在していて、「大石山・360度瀬戸内海眺望」の山頂標識が立つ。

 三角点は中央の木の根元に食い込んでいる。

 360度の展望が開けていて、岡山・広島・香川・愛媛の四県を見渡すことができる。
 南東には多度津から三豊市の眺望。左は粟島、右には荘内半島と紫雲出山(しうでやま)、遠くに四国の山々が見える。

 北北西には手前に大飛島、その後方はるかに福山市の工業地帯や街並みが広がり、左には鞆の浦が見えている。

 大きな石の上に弁当を広げて、眼下を行く船を眺めながらのんびり昼食をとる。六島と荘内半島との間は大型船などの重要航路になっていて、絶え間なく船が行き来する。

 山頂の大木に吊されたブランコは嬉しい。昔の大きな振り子時計のようにゆっくりと漕いでみる。

4.六島八十八ヶ所霊場巡り

 まだ12時で、船の出航までには2時間以上もある。ここから地図に書かれてないルートを歩くことになるが、トラロープが張られているのでそれをたどることにする。

 少し進んだところにこんな山名標識がくくり付けられていた。トラロープが終わると、ブルーのテープを手掛かりに下りて行く。

 最後のブルーテープの先は「大石山分岐」で、六島八十八ヶ所の第42番「佛木寺」の石仏が祀られている。山頂から15分ほどで到着した。

 さらに石仏を見ながら5分ほど下ると「足摺分岐」になる。倒れた手書き道標があり「周回道」と書かれた方へ踏み込む。

 スパイラルな木を越えて最初に出合ったのは第39番「延光寺」。

 進むにつれて札所の番号が1ずつ小さくなる。丸太の橋を踏み越えると第32番「竹林寺」。

 急坂を登ると第29番「国分寺」。

 第27番「神峰寺」までたどり着いたが、残り時間を考えてここで引き返す。「足摺分岐」に戻り、倒れていた道標を立て直して「足摺38番」の方へ向かう。

 細道を往復する。足摺38番には石の祠に「金剛福寺」が祀られていた。

5.湛江(たたえ)方面へ下山して前浦港へ

 「大石山分岐」に戻ると13時18分で、出航までの残り時間が1時間にせまっている。「湛江」の道標の方へと急ぐ。

 最初に出会ったのは第44番「大宝寺」。

 どんどん下り進んで第59番「国分寺」。オヤッ、国分寺はさっきもあったぞ! 山号を省略しているので寺名は重複することもあるんだね! この辺り、雑木越しに海が垣間見える。

 このトラロープの付近は足を踏み外さないように要注意。雑木が海側へ大きく傾いでいる。

 山の斜面に石ころがゴロゴロ散らばっている付近に大きな穴がある。これは井戸だろうか

 その先には溜池らしいのがあり水が溜まっている。何に使うのだろうか。すぐ近くには第62番「吉祥寺」。

 石ころの急坂を越えると風景が一変する。いきなり多島美の世界だ。

 「湛江周回道」の道標から湛江港へと下る。

 湛江の家並みが見えてきた。下り立つと左手前が湛江港、小高い場所には六島天理教分教会。

 細道を行くと「ゲストハウス島小屋&カフェ」の看板が立ち、「チェアパーク」が隣接する。「島小屋」に立ち寄りたかったのだが残り時間が迫っていたので足早に通過する。

 いよいよ時間がなくなって速歩で大鳥神社へ向かう。待っていてくれた水仙の花とよく整備された山道への感謝を捧げる。

 美しい砂浜と海を眺めながら道を急ぐ。最後に出会った石仏は第84番「屋島寺」と第85番「八栗寺」。

 前浦港には出港10分前に帰着した。笠岡市六島診療所の戸が開いていて室内の貼り紙が見える。やはり待合所として利用できるのだ。間もなく快速艇がやって来た。

 帰宅後に「六島全島民ユーチューバー化計画」のことを知って驚いた。これから出かけるのであれば、ぜひその前に六島まちづくり協議会のサイト訪問をお勧め。六島の情報てんこ盛りで、そこで紹介されているYouTubeによる手造り観光ガイドは必見。六島浜醸造所のこと、島小屋のこと、ひふみちゃん天然ひじきのことなど、そして何より島を守り育てようとする皆さんの熱い思いと取り組みを知れば、六島の大ファンになること間違いなし!