名 称

りゅうおうざん

所在地

岡山市北区

標 高

286m

山行日

2012年2月27日

天 候

曇り時々晴れ

同行者

なし

アクセス

JR吉備線・備中高松駅下車

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

JR備中高松駅 9:47(吉備高原自転車道)最上稲荷 10:37〜10:47本滝 10:52八畳岩 11:11〜11:22
奥の院・山頂 11:54龍泉寺 12:50〜13:06八幡神社鳥居 13:33(吉備高原自転車道)
JR足守駅(昼食) 14:20

1.備中高松駅〜龍王山登山口

 岡山駅からJR吉備線で、備中高松駅には9時47分に到着。東に出て踏切を渡る。

 高さ27.5mの鉄骨・鉄筋コンクリート製の大鳥居がお出迎えだ。柱の直径は4.6mもある。
 塗装が痛んできたので、建立40年を迎える今年(平成24年)3月から塗装改修工事が行われる。今までの塗料に代えて高梁市吹屋のベンガラが使用されるそうで、6月末の完成が楽しみである。
 大鳥居をくぐって少し歩いたあたりでコースを左にとり、吉備高原自転車道に入る。

 自転車道にはゆったりとした歩道があり安心して歩ける。左向こうに龍王山が見えている。
 やがて車道と合流して「最上稲荷山」の石鳥居をくぐる。

 鳥居の先は参道入口だ。参道の両側にはたくさんの食堂や土産物店が並んでいるのだが、平日の早い時間とあってほとんど人通りはなく、まだ開いてない店も多い。
 駆け抜けるように歩いて、最上稲荷の参拝入口の階段に着く。備中高松駅からちょうど50分で到着だ。

 どっしりとした立派な本堂。さすが日本三大稲荷だけのことはある。毎年元旦にお参りしているので、こんなに静かな佇まいを観るのは初めてである。
 本堂右側の渡り廊下の下を旧本殿の方へ進むと、その奥に登山口がある。

 左側の坂道の向こうに赤い鳥居が見えてきた。近付くと急な石段が待ちかまえている。
 他にもいくつかコースがあるようだが、以前に行ったことがあるこのコースを選んだ。

2.龍王山山頂へ向けて

 急な階段をゆっくりと登って行く。九十九折りになってはいるのだが、階段の傾斜がきつく感じられる。

 こんな橋を渡ると、次の階段には「延寿乃石段」の標識。これは頑張らなくては。

 本滝に着いた。垢離(こり)取り場である。近くに脱衣所があり修行できるようになっている。
 岩の上の龍が水を吐いているが、この時の水量は少なかった。

 ふたたび石段が続き、次の八畳岩へと登って行く。

 すこし平坦になっても息つく暇なく石段が待っている。高度はかなり上がっているはずだが、雑木が茂っていて展望を得られない。わずかに見えた風景にシャッターを切る。

 小さな鳥居が並んでいる。足元に気をつけながら進むと今度は大きな鳥居だ。

 石段を辛抱強く登って行くと入れ子のように見える鳥居。階段を上り初めて約25分、八畳岩の入口が見えてきた。

 この一帯は霊地であり神秘に満ちている。いよいよ八畳岩へと登って行く。

 最初に出合ったのは岩に挟まれた祠。その奥には開祖である報恩大師摩訶聖人の塔がある。

 さらに奥まった南端に八畳岩と岩窟がある。
 岩窟を見ようと標識にしたがって坂を降りる。2つの大岩の上に八畳岩が被さってできた岩窟だ。これはでかい!

 引き返して八畳岩に上がってみる。南端にベンチが設置され、背後には備中高松から足守方面の風景が広がる。
 八畳岩の上には大きな岩が乗っており、小さな祠が祀られていた。

 ここから望む備中高松と足守方面の風景は素晴らしい。

 八畳岩を後に奥の院を目指す。落ち葉の積んだ脇道に入っていったのだが、笹やシダ類が繁茂している部分や倒木などがあり、あまり歩かれていない感じだ。しかしヤブコギをするほどでもなく、ゆっくりと山歩きを楽しむにはもってこいの道だ。

 やがて路面がしっかりした参道に出る。左折すると「八大龍王」の石鳥居が建っている。

 「龍王山国民休養地」の道標があったので往復した。100mほど下ったあたりに東屋があり、周辺が切り開かれてベンチが設置されていた。

 また長い石段が続く。しかし段差が少なく歩きやすい。山頂までもうすぐだ。

 奥の院の参拝道に着いた。お使いの狐が左右から出迎えてくれる。一対の左は表情が軟らかく、右は勇壮な顔立ちをしている。

 八畳岩からおよそ30分、奥の院本堂に到着し参拝する。隣接地には八大龍王が祀られている。

 駐車場へと続く右手の道路を行く。駐車場のすぐ手前、社務所の裏あたりに龍王山の三角点がある。

3.龍泉寺〜足守八幡神社鳥居

 駐車場へ入り込んだ舗装道路を下りて行くと、車道からの入口に「稲荷山奥之院一条寺」の碑が建っている。

 すぐ近くにある広場には展望台への階段がある。

 しっかりとした展望台がある。眼下には風景が広がっているはずなのだが、雑木がじゃまをしてまったく見えない。

 早々に降りて車道を下って行く。県道61号に出たところに観光案内板があり、龍泉寺に向かうべく左折する。

 中国自然歩道の道標が立っているのだが、白線一本で区分けされた狭い歩道を歩くには注意が必要だ。

 まもなく龍泉寺の入口に到着する。「大最上本山御瀧龍泉寺」とか「御瀧龍泉寺神苑」と記された案内板がある。
 石鳥居の下を行くと樹齢約250年、高さが17mを超える「龍神の松」がそびえていた。

 彩色瓦を使った立派な拝殿に参拝する。釉薬瓦の鐘楼も美しい。

 龍泉寺の由緒を読むと、「最上様と八大龍王様の御降臨応現鎮座の霊場で祈祷の寺」とある。また境内には、岩・山・谷・滝・湖水などたくさんの名勝があり、数々の神がお祀りされていることがわかる。今回は周回コースを歩くのが目的なので、短時間で寺を後にする。
 車道を避けて左側の下降路に入って行く。

 傍にふたたび中国自然歩道の道標があり、足守の近水園まで3.3kmとある。40分もあれば着けるなと快適に歩き始めるが、またもや車道に出てしまう。

 こんな道路の端っこを歩くのだから気を抜けない。おや、もう近水園まで2.1kmまでに近付いた。

 追い越し禁止ゾーンになり歩道はいよいよ狭くなる。それに交通量は決して少なくはなく、しかもトラックやダンプがよく通る。
 そんな中国自然歩道に「車には十分気をつけましょう」の標識。言われるまでもないゾ、大型車両が来るたびに路肩に身を寄せ、止まってやり過ごしているのダ!

 信号機のある交差点まで来ると、右に足守八幡神社の鳥居がある。
 この鳥居は安芸の宮島の大鳥居と同様に、柱の基部に稚児柱を伴う「両部鳥居」という様式。石鳥居がこの形になったものは珍しいそうである。

 写真左は基部の稚児柱の部分。
 ここにも観光案内板があるのだが、なぜか近水園が消えており、替わって足守プラザが登場。しかも近水園よりも手前にあるはずの足守プラザまで、なお3.5kmもあるらしい。この表示を見て、足守の町中で暖かいものでも食べようとの考えはリセット。すでに13時半を過ぎており足守駅へ急ぐことにする。

4.歌声の道を足守駅へ

 車に嫌気して当初の計画コースを変更し、足守川近くまで西へ進んで吉備高原自転車道を歩くことにする。
 ガードレールに手書きの「歌声の道」という標識がくくりつけられている。

 何と、ガードレールのあちこちに、手書きしたカラーブリキ板の歌詞カードが吊されている。歌詞の1番を口ずさみながら歩くと、それが終わるころに次の歌詞カードが現れる。
 歌詞以外にも、こんな面白いのもあった。年配層でなければ、わからないだろうなぁ〜!

 「早春賦」「旅愁」「みかんの花」「月の砂漠」「おぼろ月夜」「浜辺の歌」等々と20曲ばかり。終始歌いながら、おかげで退屈せずに足守駅に近づくことができた。駅へは足守川を渡って左折する。

 龍泉寺から1時間15分が過ぎ、14時20分に足守駅へ到着。駅のベンチで弁当を広げて遅い昼食をとる。