名 称

さえきてんじんやま

所在地

岡山県和気郡和気町

標 高

409m

山行日

2014年4月15日

天 候

快晴

同行者

なし

アクセス

車で河本バス停へ(JR山陽本線・和気駅から備前バスで河本バス停への便あり)

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

河本バス停 9:34天石門別(あまのいわとわけ)神社 9:35~9:40天神山城址登山口 9:41見張り所 10:00
桜の馬場 10:39本丸 10:48~10:51太鼓丸 11:24~11:32天神山山頂 11:45
和気美しい森ビジターセンター(食事) 12:00下山開始 12:43鵜飼谷温泉到着 14:00
鵜飼谷温泉からバスに乗車 14:50和気駅着 14:59

 公共交通機関だけでの山歩きにはいろいろと制約がともなう。とりわけ悔しい思いをするのは、少し移動すれば全体の山容を把握することができるのに、それがかなわないときである。休暇を取った息子に登山口まで送ってもらうというラッキーなタイミングに、佐伯天神山全体が見えるところまで車を移動してもらっての1枚である。
 今回の河本登山口は左山裾にある。

1.天石門別神社 から登山口へ

 公共交通機関を利用する場合は、JR和気駅から備前バス・周匝(すさい)行きに乗り河本バス停で下車する。瀬戸駅からの所要時間は20分足らずだが、便数が少なく、土日・祝日には適当な便がないので事前確認が必要だ。
 バス停の山側には天石門別(あまのいわとわけ)神社があり、山行の無事をお願いする。

 天石門別神社の両側には台座があり、左には愛嬌のある表情の狛犬、右には猪を従えた和気清麻呂が立っている。どちらも備前焼でできている。

 天石門別神社に向かって左手に少し進むと上り道がある。ここが登山口で、すぐ先に大きな標識がある。

2.見張り所~本丸

 登山口標識の先はいきなり急坂で始まる。落ち葉に足を取られないように気をつけて登ると、ロープを張った急な岩場が待ち受ける。

 岩をつかみ草木の力を借りて(そっとつかんで)、岩場をひと登りすると見張所に着く。

 見張所の下では吉井川が急カーブを描く。左手には南へ向かう下流と田原井堰発電所の堰堤が見え、右手には西に延びる上流の風景が広がる。

 急坂の一角から見上げると、青空に若芽をつけた枝が伸び、山道の両側にはコバノミツバツツジが満開だ。次から次へと、進行方向からウグイスの声が聞こえてくる。まるでサウンド・ナビゲーターだ。

 さらに岩尾根の急登が続く。登山口から35分ばかりで天神地蔵の道標に出合う。

 崖状の脇道に入って行くと衝立のような岩があり、下部に小さな石像が立っている。

 これは石像をアップしたもの。切れ落ちた崖下には、茂みの間から吉井川が見える。

 天神地蔵付近からのパノラマ写真。右が川上で、吉井川は手前の妙見山の下を大きく回り込んで流れている。この屈曲部は天神淵と呼ばれ、険しい天神山の姿を映す景勝地として知られている。

 もとの道にもどって10分ほど登ると、天神山城跡の北の一角「下の段」にたどり着く。ここから山頂一帯が山城跡になっており、いくつもの郭(くるわ)、つまり区画に分割されている。
 〔下の段〕

 〔西櫓台〕

 〔三の丸〕

 〔鍛冶場〕

 〔桜の馬場〕
  広場中央に変わった形の木がある。「クスノキ科かごのき」の札が掛けられている。
  後で調べると、樹皮が剥がれて鹿の子模様になるのがこの名の由来とのこと。

 〔長屋の段〕

 〔ニの丸〕

 〔本丸〕
  本丸跡には城主「浦上遠江守宗景之城址」の石碑があり、天神山城鳥瞰図が立っている。

3.太鼓丸~天神山山頂

 城跡はさらに続く。本丸から天神山山頂に向かって歩きやすい山道を進んで行く。

 〔侍屋敷〕

 〔飛騨の丸〕

 〔馬屋の段〕

 〔南櫓台〕

 ゆるやかな尾根道を山頂に向けて進む。太鼓の丸まで500mだ。

 〔亀の甲〕
  たくさんの岩石が積み上げられている。塁をよじ登ってきた敵を撃退するための備えである。

 〔太鼓の丸〕
  太鼓の丸は、室町時代以前に築城された旧天神山城である。郭を細かく記した「天神山城鳥瞰図」が立つ。

  北の眺望が素晴らしい。田土方面には民家や棚田が連なっている。その棚田にズームイン!!

  さらにズームで美保高原に迫ると、「岡山のコテージ・高原の宿ロマンツェ」が見えてきた。

  西側には手前に河本集落、少し向こうには佐伯大橋、そしてはるか彼方に中国山系の雄大な風景が広がる。

 〔軍用石〕

 〔石 門〕

 かくして天神山山頂に到着した。三角点を撮影するが展望はまったくなく、すぐに前進する。

4.和気美しい森へ

 「和気美しい森」へ向けての下山路は緩やかで歩きやすい。木洩れ日を浴びながら、巣箱のかかった木立の道を行く。

 山道の多くの草木にネームプレートが掛かっている。やがて舗装道が見えてきて、その手前に多目的広場への道標。

 多目的広場に設置された遊具。これは楽しそうだ。そして近くに設置されているイノシシの捕獲檻。これには近づかない方がいい。

 立派なビジターセンターがあり、広場にはキャンプ場や炊事場・食事用の長机と椅子・トイレなどが設置されている。

 時刻は12時5分、長い机に愛妻弁当を広げてランチタイムにする。向こうに見える丸いのはキャンプファイヤーのベースのようだ。

 近くの丘には満開の木蓮。

 豊かな自然に囲まれて穏やかなひとときをすごし、木製のゲートをくぐって和気美しい森を後にする。

5.鵜飼谷温泉方面へ下山

 ここから先は、舗装道路をひたすら下って行く。

 昼谷・栃谷分岐は右折する。

 市倉に近づいたころ、舗装路をキジのつがいが歩き回っていた。

 まだわずかに残っている桜の花がやわらかな影を演出する。遠くに和気アルプスが見えている。

 益原のあたりはウォーキングモード。左に神ノ上山を見ながらどんどん歩く。そのうち和気鵜飼谷温泉が見えてきた。

 鵜飼谷温泉では、しばらくバスの時間待ちをして和気駅へ向かった。