名 称

さえきてんじんやま

所在地

岡山県和気郡和気町

標 高

409m

山行日

2017年3月7日

天 候

曇り時々晴れ 小雪舞う

同行者

「大山、立山の会」の仲間たち

アクセス

車で河本登山口付近の駐車場へ

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

河本の駐車場 9:25~9:32天石門別(あまのいわとわけ)神社 9:37~9:39河本登山口 9:40見張り所 9:58
天神地蔵10:17三の丸(コーヒータイム) 10:32~10:52本丸 11:00~11:06太鼓丸 11:34~11:42
天神山山頂 11:46トリムコース分岐 11:53和気美しい森ビジターセンター 11:56

1.天石門別(あまのいわとわけ)神社~河本登山口

 河本登山口から登るとは思っていなかったので少々緊張気味。まだ肉離れのしこりが残るふくらはぎをもみほぐしてのスタートだ。曇天の寒い朝だが皆さん元気いっぱいで、登山口がある天石門別神社へ向かう。

 猪を従えた和気清麻呂像は小ぶりで静かにたたずみ、狛犬くんは愛嬌一杯の目で今にも躍り出しそうである。

 神社の左手が登山口で、いきなり急坂が待っている。

2.見張り所~天神地蔵~三の丸

 登り初めて15分ばかりはカメラにさわる余裕もない。何しろ、岩に手をかけ、ロープに頼ってよじ登ったりで気を抜けない。右に対岸の山を見ながらぐいぐい高度を上げて見張り所に着いた。

 見張り所からの眺望、写真左は吉井川の川上方向で、白く見えるのは山田小学校。枝越しに先ほど停めた車が見える。山田小学校はこの3月で廃校となり、現在の佐伯小学校へ統合されるそうである。右の写真は川下で、遠くに田原井堰発電所の堰堤が霞んでいる。

 やっとバランスを保っているような岩の形が面白いと見とれていたら、落下しないように誘引しているワイヤーが見えた。こんなスゴ技を誰がやるのだろう。風が強くなり、暗い空を雲がちぎれて飛ぶ。

 急傾斜の岩道をさらに15分ばかり登って天神地蔵の道標に出合い、岩山に沿って注意深く回り込む。

 岩の衝立を背にした小さな石像が天神地蔵で、足場の突端から覗くと碧の吉井川が見えた。

 風が強くなり雪がちらつく中を三の丸に到着した。城主の館あるいは家老格の重臣の館が置かれていた場所だけあって、ゆったりと広い。
 今日のペースはかなり速いのではないかと話していたら、「若かったころは25分で登っていた」と女性の声。これはギョギョギョでとてもかないません。はたまたK氏は、マラソンに参加するために毎日6km走っていたとかで、今度は全長35kmの「吉備路の山全山縦走大会」に出場されるとのこと。いやはや、つわものぞろいですなぁ。

 この広場でほっとしてコーヒータイム。熱いコーヒーをいただきながら、種あり梅菓子が手渡される。さらにボンボンウィスキーチョコ、梅酒の梅、つるし柿を次々にいただき頬張る。普段はほとんど間食しないので、これだけで腹が一杯になりそうだ。それにしても元気が出ます。

3.本丸~太鼓丸

 ここからはゆとりでハイキング気分。武具・武器や器具を製造修理していた鍛冶場と隣り合って、大手門と桜の馬場跡が広がる。

 大きなカゴノキ(鹿子の木)は健在だ。一段高い場所へ上がって行くと、倉庫や貯蔵櫓があった長屋の段に至る。花一輪の椿が美しい。

 二の丸、空堀を経て本丸に到着した。城主「浦上遠江守宗景之城址」の石碑が建つ。

 「天神山城鳥瞰図」を見るとまるで天上の城塞のようである。木立の間から北方向の山あいに民家らしきものが見える。

 本丸南端の天津社の前を太鼓丸方面へと南下する。ここから西へとって天瀬登山口へ下りることもできる。

 飛騨の丸を抜け、落ち葉を踏んで堅堀と馬場の段を越えて進んで行く。

 倒木をくぐって石門を過ぎると太鼓丸だ。

 広場中央にもうひとつの「天神山城鳥瞰図」が建っている。先の本丸に前期天神山城(太鼓丸城)が連なっている。

 北には美保高原の「岡山のコテージ・高原の宿ロマンツェ」、その手前には田土方面の民家や棚田が見える。

 西には中国山系の雄大な風景、手前には河本の集落が広がっている。

4.そして、和気美しい森ビジターセンターへ

 11時40分過ぎに太鼓丸を後にする。すぐに軍用石の貯蔵地があり、その数と大きさは驚くばかりだ。

 太鼓丸から5分足らずで天神山三角点に着いた。409mと手書きした板の山頂標識がある。

 そこから先は散策コースだ。風が木々に遮られて暖かい。3年前にも見た巣箱が、同じ木の同じ位置にかかっている。

 「吉井川中流県立自然公園特別地域」の石柱を過ぎると、左手にトリムコースの遊具が見える。

 すぐにキャンプファイヤーサークルが現れてビジターセンターに着いた。

 ビジターセンターでは手分けして昼食の用意をし、やがて待ち望んだランチタイムとなった。女性の皆さんが手際よく焼いた肉や野菜を器に入れてくれる。初めて飲んだノンアルコールビールとお腹の満足度は冒頭に記したとおりで、幸せいっぱい状態。満腹で見ていた窓外の風雪から畳に目を移すと、大きなカメムシが一匹のんびりしていた。雪国ではカメムシが多いと大雪になると聞いたことがあるが、このカメムシ、雪と焼き肉の香りに目を覚ましてお出ましになったのかも。