1.御津支所前登山口から山頂へ
たまたま在宅の長男君に頼み込んで、車で岡山市北区役所御津支所まで送ってもらう。向かい手の建家あたりに登山口がありそうで上がってみる。
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おおッ、やはりここだった。「城址登山口」の道標が立っている。「遊歩道案内図箱」が設置されていて、とても分かりやすい地図と資料が備えられている。
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まずはこんな階段からスタートだ。
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段差が小さいので歩きやすい。5分ほどで七曲神社への分岐に着いた。先ほどもらった地図を見ると、ここから二の丸あたりまで九十九折りの坂が続くようだ。
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とにかくジグザグと階段が連続しているのをチョコチョコと登る。木段は傷んだ部分もあるが、全体的によく整備できていて歩きやすい。出丸らしき場所に出た。
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さらに傾斜を増した階段が延びる。出丸から5分足らずで、ベンチが設置された二の丸に着いた。
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登りだして30分足らずだが小休止する。眼下には旭川が蛇行し、手前に金川の街区が広がる。左遠くには金山の電波塔群が見えている。階段が終わって傾斜は緩くなってきた。
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杉の木井戸だ。地図では二の丸の手前にあるように書かれているので、場所を間違えて認識しているのかしらと頭をかしげる。が、地図裏面の「臥竜山自然公園遊歩道案内図」を見ると、杉の木井戸は二の丸から登った位置に描かれていて、自分の感覚が正しいことに安堵する。
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本丸への道標が現れ、次いで「本丸1の門2の門 間が枡形(この門の所虎口ともいう)」の標識。虎口(こぐち/ここう)とは城郭の出入り口のことで、狭い道または危険な場所を指す。虎口の前面に方形(枡形)の空間を設けて、そこに二重に門を構えていたようだ。その先は本丸址(山頂)である。
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2.山頂本丸址から北の丸址・堀切を巡る
枡形を通り抜けて本丸址に着いた。結局、眺望が開けていたのは二の丸だけだった。ここ本丸址にはゆったりとした空間が広がっている。
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松田主従一族の供養塔と玉松城碑が建立されている。
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脇に玉松城碑文の内容が解説されていて、城の歴史を窺うことができる。広場の一角には東屋もある
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「天守の井戸」の標識があり、見下ろすと急坂の下にトラロープを張り巡らした井戸がある。下りてロープの内側をのぞき込んでみた。底には土が溜まっているがかなり深さがあり、この高所に掘られた大きくて立派な井戸には驚かされた。
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まだ正午前なので北の丸址まで行ってみることにする。北の下山路を少し進んで右手の隙間道へ踏み込む。
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獣道のような細い道を行くと道標があり、さらに北の丸方向へと進む。
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ところが、その先に急坂が待っていた。簡単には下りられそうにない。まったく人と出会わず人の気配もなく、ここで事故を起こすと厄介なことになる。ザックは茂みにデポして身軽になることにして、いつも携帯しているロープを取り出す。このロープは何年も持ち歩いているが、使うのは今回が初めてだ。
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バランスさえとれると問題ないのだが、念のため重力が加わっても大丈夫なように2本使うことにして、しっかりとした木に結びつける。こうしてみると高さもかなりあったようだが、ロープの助けで楽に下りることができた。
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空堀と北の丸址との分岐に出た。まっすぐに北の丸へ登って行く。
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標高221mの北の丸址に到着だ。雑木で眺望はない。岡山徒歩の会・創立50周年登山のプレートが白く光っている。
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一部に石垣址のようなものがあった。元の分岐に引き返して、空堀へと向かう。
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ここがその場所だろう。とくに標識はなかったが、はっきり堀切とわかる地形だ。右の写真は、盛り上がった部分に木が生えていて、右手に向かって切れ落ちている。
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グループで歩く時は一列進行が多いので、いつも進行方向をとらえやすいが、独り歩きでは注意していないと今来た道が怪しくなることもある。ロープの場所へ戻り着いて一安心、片付けてデポしておいたザックを取り出し本丸址へ戻る。時刻は12時半、ベンチに腰を落ち着けて昼食の箸を運ぶ。
パン・パ~ンという乾燥した音は、麓のクレー射撃場から届いてくるのだろうか。北の丸・空堀を往復する途中、何度も不意の音に気を削がれた。古城に思いをはせつつも、この音と飛行機の騒音には閉口した。
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3.妙覚寺登山口へ下山
北の下山路を道なりに行く。この道もほとんど眺望を得られないが、下り始めたころ、木々の向こうにチラリと電波塔を頂いた妙見山が見えた。
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7~8分ばかり下りるとベンチのある展望台に出る。眼下には国道53号と旭川が並び合って蛇行し、野々口から牧山方面を望むことができる。
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山道を離れて「道林寺丸跡」の道標に従って進むが、すぐ下で山道と合流している。右下にテーブルとベンチが見えている一帯が道林寺丸跡のようだが、再び山道に戻る。
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その先は軽いジグザグを下り、やがてダラ長の坂道になる。砂防の石積みなど、治山事業の成果を眺めながら下りて行く。
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入山者への告知掲示板が立ち、やがて麓の家々が近くなる。
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左側に歌碑が建っている。玉松城主松田元成と家老大村出雲の五百年忌法要が挙行された折り、玉松会会員の大村襄治氏(昭和57年4月当時衆議院議員)が遙か昔の玉松城をしのんで詠んだ歌が刻まれている。隣り合う慈恩堂横を下る。
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妙覚寺側の登山口に差しかかると、近くのJR津山線を列車が通過した。
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その先には、幕末の漢方医の先覚者として多くの門弟を育てた難波抱節宅の長屋門が残る。
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JR津山線の下をくぐって県道31号に出ると、向かいに御津町郷土歴史資料館がある。
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日蓮宗不受不施派の総本山妙覚寺に参拝する。
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すぐ隣の七曲(ななまがり)神社は、金川城主松田氏が相模国から勧請したと伝えられる古い神社である(デジタル岡山大百科より)。山腹の社に向かって拝礼。境内には玉松城命名の経緯などが記された石碑がある。
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江戸時代に創業した武藤家の酒造場を改修した「かながわSAKEGURA」。和洋折衷の何とも雰囲気の良い建造物である。立ち寄りたかったのだがこの後、岡山で約束があり残念ながらコーヒータイムはお預けだ。
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宇甘川(うかいがわ/うかんがわ)を渡って金川駅へ向かう。振り返れば城山のおだやかな姿(写真左下)。JR金川駅に到着して、「快速ことぶき号」で岡山駅へ向かう。
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