1.登山口まで
日生駅前に出ると、右手45度の方向にアンテナを戴いた山が見える。これが楯越山だ。光線の関係で見えにくいが、中腹に植栽で「ひなせ」の文字が描かれている。
駅の右に隣接したビル1階の観光案内所へ立ち寄って、マップやパンフレットをもらう。出て、右へと歩く。
少し進むと道は緩やかに左へカーブする。300mばかり先の左側に「みなとの見える丘公園(展望台・桜並木)」の道標が現れる。そこを左折する。
すぐに左からの道と交差し、そこに「登り口」のプレートが設置されている。ここからスタートだ。
2.楯越山山頂へ
電波塔建設用の道路だからか、メンテナンス用のためなのか、道は舗装されている。
山の側面を削り取ってつけた道路なのだろうか、巨岩がむき出しになっている。近づくと、抽象的な彫刻の作品のようだ。
緩やかな舗装道路。所々に補強が施されている。
谷側には墓地が広がる。
その先が広くなり分岐している。公園散策路と「みなとの見える丘公園・展望台」との分岐である。左にとって展望台を目指す。
さらに舗装道路が続き、蛇行する道の先が明るくなってきた。
ヒョコッとアンテナが姿を現して、着いたのは駐車場だ。ここには、とても清潔なトイレがある。
振り返った位置に見える電波塔。ここから先は土の道になっている。
そう、この先は車両は入れない。実に快適な山道が延びている。
山頂の直下に「五味の市降り口」の道標。のぞき込むと急な階段が下りている。五味の市を主催しているのは日生町漁協で、新鮮な旬の魚介類を販売している。シーズンの新鮮な牡蛎は大人気である。また隣接した「海の駅しおじ」では海鮮バーベキューや海の幸の定食を味わうことができて、なんども出かけたことがある。
3.楯越山山頂・みなとの見える丘公園
いとも簡単に山頂に着いた。石組みの公園広場があり周辺には小型の電波塔が建っている。
一角には東屋がありベンチとテーブルが設置されている。南に面して地名や島の名前を表す写真ボードがあり、瀬戸内海国立公園「日生諸島」のわかりやすい解説板がある(日生ライオンズクラブ寄贈)。相棒はボードと島を見比べている。
「幸福(しあわせ)の鐘」がある。「幸せに感謝して鐘を鳴らす 幸せを願って鐘を鳴らす ふるさとの日生を眺め 心に響く鐘を鳴らす 世界に響けと鐘を鳴らす」と刻んだプレート。その傍で相棒が高らかに鐘を鳴らす。フェンスには、愛と幸運の扉を開く「ハートの鍵」が並ぶ。
写真左は平成27年(2015)に開通した全長765mの備前♡日生大橋で、備前市日生町寒河(そうご)と鹿久居島(かくいじま)を結び、さらにその南の頭島(かしらじま)大橋と連結して頭島に通じている。橋の名前は公募によって選ばれ、備前と日生の間にハートマークというユニークなものになった。なお、ハートマークは特に読み方はない。写真右は日生大橋の起点付近で、茂った木々の間からの1枚。この左手(北側)に日生駅前港(中日生港、寒河港とも)があり、フェリーが発着している。
日生大橋の両側から鹿久居島の西にかけて牡蛎筏が並んでいる。写真右の遠くに霞んでいるのは小豆島。その右には手前から曽島(そしま)、鴻島(こうじま)、長島である。
日生ライオンズクラブ認証50周年記念で植樹された桜の幹には「楯越山」の山頂標識。すぐ近くには藤棚が設けられている。
西側を見下ろすと日生港だ。ここには小型定期船の乗り場があり「五味の市」で賑わう。毎年2月の第1日曜日には、豪快な源平放水合戦(備前市消防団日生方面隊放水演習)が開催される。
山頂一帯にオジギソウのような葉をつけた木がある。フサアカシアかギンヨウアカシアと思われる。ミモザとも呼ばれるようだが、本来のミモザはオジギソウのことである。春に黄色い花をたくさん咲かせる。桜並木あり、コバノミツバツツジもありで、春になると花の山になるのだろう。その時期にまた来たいものだ。
帰りは山頂を右に回り込んで階段の道を下りる。
できの悪い映像だが、雰囲気なりとも感じていただければ (^o^;) .....
4.公園散策路から歌碑の広場へ立ち寄って下山
下山中に下の方から賑やかな声が聞こえてきた。カーブを曲がると、何と、この山を教えてくれた山仲間のOさんたちのグループ山行では (^o^)V いや~、奇遇でしたね!!
公園散策路分岐まで下りて散策路を歩くと歌碑のある広場に出た。
与謝野鉄幹と与謝野晶子の歌碑である(国際ソロプチミスト備前贈呈)。
わが友が 万の巻を 繙く手もて
船に指さす 瀬戸の島々 与謝野鉄幹
船いまだ 曽島の瀬戸を いでねども
讃岐の海の あづきじま見ゆ 与謝野晶子
「あづきじま」は小豆島のこと。 揮毫は与謝野夫妻の孫にあたる与謝野馨氏。
広場の上に東屋があるので登ってみる。
東屋からの眺望も素晴らしい。正面に歌碑が見え日生諸島の風景が広がる。
下山後は目印の備前市日生総合支所へと歩き、その北隣のお好み焼き「もりした」へ直行。もちろん、いただくのは漁師町自慢グルメの「日生カキオコ」だ。旨い牡蛎がたっぷり入った1枚のお好み焼きを4通りの味で楽しませてくれる。醤油味とソース味の2つに分けて、さて、その続きは店へ出かけてのお楽しみ! お好み焼き店は十数店あり、駅そばの観光協会で「カキお好み焼きマップ」をもらえるよ!