原バス停で宇野バスを下車すると龍ノ口山が横たわる。左から龍ノ口八幡宮の峰、龍ノ口山山頂、南展望台。旭川に架かる中原橋を渡ってグリーンシャワーの森駐車場へと歩く。20分少々で到着だ。
1.祇園コースを南展望広場へ
いつもながらハイカーが多い。14時ちょうど、歩きなれた祇園コースの登山口からスタートする。
かなり傷んできたが3カ所の木橋はいずれも健在。運動不足で呼吸が荒くなり、やたら大汗をかく。24分かかって賞田への分岐点を通過する。
賞田分岐から南展望台への道もいつもより遠く感じる。下山中の一人歩きのハイカー3人と出会う。途中で一カ所、北に展望が開けて金山(かなやま)が見える。
南展望台に着いてベンチに腰を下ろす。小休止するがここからは眺望がきかない。すぐ先のベンチに先客が二人いるようだ。長閑な話し声が聞こえる。
2.山頂を目指す
汗が引いたので山頂を目指す。少し行くと右と左にケルンがある。以前よりてっぺんが丸くなっているようだ。
右側に見えてきた毘沙門堂に近づくと小さな蛇が現れた。邪魔しないように反対側へ回って南をのぞき込み、何かわからない石塔の姿を確認する。
このあたりから気持ちいい林間歩きが続く。湯迫(ゆば)分岐点を通過する。この先で7~8名のグループと挨拶を交わす。
山頂へ登り返す手前に展望台らしきものが作られている。腰が下ろせるように木材が置かれている。
近くに操山山系、南には吉井川と百間川が延び児島湾が広がる。遠くに豊島や小豆島が見える。
山頂に到着した。透明度は悪くないのだが逆光で風景が見えにくい。ここで近隣から訪れている男性と出会ってしばらく話す。コロナ禍の今節にあって、こんな出会いに山歩きの楽しさをしみじみと感じる。このかたが自分のホームページをご覧いただいていることを知り、これは嬉しかった。
3.東オフロードコースを下りる
山頂から北に踏み込むとここにもケルンがある。「龍及口▲頂ケルン 二千十七」のプレートが結わえられている。
急坂の下りが続いて龍ノ口八幡宮下の五叉路に下り立つ。
「竜ノ口山アラカシ希少個体群保護林」の掲示板が新設されている。アラカシはコナラ属の丸っこいかわいいドングリである。どこにでもある普通のカシの木だが、「人間の手を加えることなく自然の推移に委ねた保護管理をする」ことが目的らしい。
東オフロードは、道標や山のあちこちに設置しているガイドマップにも記載されていない。本来は龍ノ口八幡宮の職員の方々が資材等の運搬のために利用するものだからであろう。道標では「四御神」の方向へと進んで行く。5~6分進むと右に四御神へのルートがあり、少しだけ踏み込んでみる。道端からやや奥まったところにイノシシの捕獲檻などが仕掛けられていて、注意掲示板があるのを見届けて引き返す。
この辺りから先はまったく人の気配がない。秋分の日から一週間しか経っていないのに、山の東斜面を進むので午後4時なのに薄暗い。進行方向が明るくなってホッとする。
秋の青空と雲が美しい。わずかな区間、金山が視野に浮かび上がる。
曲がりくねった道が続き、以前に登ったときよりも長く感じられる。山あいから牟佐の集落が見えるとまた薄暗い道が続く。
そこから10分少々でゲートに到着した。車両が乗り入れできないようにチェーンでブロックされている。
4.秋の里風景
通行量の多い県道東岡山御津線を北へ歩く。むむっ、建物の壁に昆虫が!
鳥もいるぞ! これは「階段・手摺・金物製作」の徳河製作所のPR作品、良くできているなぁ!
16時40分にバス停へ着くが30分以上の待ち時間があり、近くの旧赤坂尋常高等小学校を訪ねてみる。平成30年に国の登録有形文化財(建造物)に指定された校舎の周辺には、彼岸花が咲き色とりどりのコスモスが溢れる。山歩きの充実感と疲労感、素晴らしい秋の一日が暮れていく。