名 称

あみだやま(うしまどやま)・うしまどおりーぶえん

所在地

岡山県瀬戸内市

標 高

167m

山行日

2021年11月28日

天 候

快晴

同行者

相棒と

アクセス

両備バス西大寺線で岡山駅から西大寺へ出て乗り換え、南回り牛窓線で紺浦(牛窓支所前)下車

マップ

  

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

紺浦バス停スタート 11:07オリーブロード分岐 11:18分岐 11:20オリーブ園到着 12:00
阿弥陀山(点名:牛窓山)三角点 12:10オリーブ園散策 12:11~12:36ローマの丘 12:50~12:57
オリーブ園入口 13:05分岐 13:10(瀬戸内市牛窓国際交流ヴィラ 13:15)
オリーブ園入口バス停付近 13:45牛窓地区散策と食事 13:47~15:45オリーブ園入口バス停 15:45

1.紺浦バス停からオリーブ園へ

 岡山駅から西大寺行きのバスに乗り、西大寺バスステーションで南回り牛窓行きに乗り換えて紺浦で下車。乗り換え待ち時間を含め1時間半ほどで到着した。バス停北側には瀬戸内市立美術館がある。バスの進行方向とは逆に、信号機のある交差点まで戻る。

 交差点を右折して緩い傾斜の坂を10分ばかり上ると、右側に「オリーブロード、オリーブ園」の標識が現れる。

 標識にしたがって右折して進むと左側に「↑オリーブ園」の道標があり、その手前を左へ入る道がある。直進すればオリーブロードは東に延びているのだが、車の少ない道を閑かに歩きたいのでここを左折する。

 しばらく登って行くと道は平坦になる。道の両側は木々にさえぎられて眺望はないが、森林浴を楽しみながらゆるゆると歩く。大小さまざまな雑木が道を飾る。数本の木を抱きかかえているような逞しいのに出会った。

 時折後方から車がやって来る。分岐から20分ばかりで「牛窓ブルーハイツ」を通過、右側に立派な建物が見えてきた。壁面は木材らしい素材を横に貼り付けたロッジ風で、屋根に二つの採光窓がついている。大きいので研修施設かな?

 このあたりには山荘や保養施設などが多い。少し先の山荘の庭には、大きなハゼの紅葉が真っ盛りだ。

 さらに少し進むと南の展望が開けて、前島と黒島、遠くに小豆島が浮かぶ。

 建ち並ぶ洋風の家を見ながら歩くと左に駐車場があり、たくさんの車が停まっている。その先に「オリーブ園展望台/牛窓港/牛窓ペンション村」の道標が立つ。ヨットの帆を思わせる部分には「日本のエーゲ海 牛窓」とある。牛窓から見える瀬戸内海の多島美がエーゲ海と似ているとして命名され、牛窓のキャッチフレーズになっている。

2.山頂風景(山頂広場とオリーブ園とローマの丘)

 ヨットの道標から北に見えるオリーブ園のゲートと山頂展望台。ゲートの先を左折すると駐車場がある。山頂へはゲート右の階段を登って行く。

 階段の先では少し傾斜がきつい坂を登る。ウォーキングシューズなので足取りは軽い。登り詰めて振り返ると素晴らしい瀬戸内の風景が広がっている。

 山頂広場では「牛窓オリーブガーデンマーケット」を開催中。軽食・食品・雑貨・工芸品などの小さな店が並んでにぎわっている。

 まずは山頂三角点を探すことにする。地図上では山頂建造物の真北すぐに三角点記号がプロットされている。展望台のあるオリーブショップの前に大きな木がある。近寄ると、植え込みの中に三角点標石が見つかった。植え込みの周囲にはロープが張られているのでタッチはできない。

 今やあちこちに設置されている「幸福の鐘」。相棒が元気よくカ~~ン・・・。ここからの眺望も素晴らしい。手前に見える小さな二つの島は中ノ小島と端ノ小島、その向こうには小豆島と小豊島、豊島。遠方の中央には四国の五剣山と屋島が見えている。

 オリーブショップで展示の品々を見てからガーデンマーケットへ。

 北側下に広がる錦海塩田跡地には日本最大級のメガソーラーが稼働中。解説板に「発電所面積は東京ドーム56個分」と書いてあるが、広すぎてピンとこない。90万枚の太陽電池パネルで235メガワット、一般家庭約8万世帯の消費電力を供給しているそうである。かつての塩田跡地は希少野生動植物の生息地だったので、これをどうするかが大きな課題だった。それを保護するために、「錦海ハビタット」と称する約16ヘクタールの自然保護エリアを整備した対策は素晴らしい。

 山頂広場の東端に万葉歌人曾禰好忠(そねの よしただ)の歌碑。
    上り船 東風吹く風を過すとて よを牛窓に 泊まりてぞ経る
とある。そこから見下ろすと「人」字型の石のオブジェ。

 「ローマの丘」へと下って行く。蔦が絡みついたコンクリートのタンクがある。緑青を帯びた銘板に「オリーブ園ファームポンド 容量 3,500立方メートル 昭和63年3月竣工」と刻まれている。ファームポンドは、取水施設から汲み上げた地下水を一時的に貯留して畑地へ送り出すためのタンクである。

 道中に、今度は鉄のオブジェ。長いH形鋼が一点でバランスをとっている。オリーブの並木道を左に見ながらローマの丘へ向かう。

 ローマの丘に着いた。丘の南から瀬戸内海を見下ろすシックな出で立ちの男性は、ちょっと絵になる佇まい。イオニア式の柱頭飾りがついた6本のエンタシス柱がある舞台らしきものと、当時を偲ばせる装飾物などが散在している。

 ローマの丘からの眺望は絵のようだ。

3.牛窓港方面へ下山

 長閑な時間を過ごしてオリーブ園入口まで戻り下山にかかる。次から次へと車がやって来る車道脇を下りる。

 車道歩きは避けたかったので、あらかじめ計画していた分岐から国際交流ビラ方面への山道に入る。

 「GO ・KAYAK・」のツアーメニュー掲示版が掛かる建物は閉鎖されているようだ。その先には瀬戸内市牛窓国際交流ヴィラ。ここから山道と畑中の道を通って下山する予定だったが、道がない。以前に何度か通ったはずなのだが、しかたなく引き返して、途中から車道へ登り直す。

 大勢が庭で食事をしているピクニックレストラン「ポラリス」の前に出た。道路の対面には牛窓ジェラート工房の「コピオ」。近辺にはバイクツーリングの人たちがくつろいでいる。大方の人たちはこの道路を車で上がってくるので、車が間断なく通り過ぎる。

 車道脇の白線で仕切られた部分を歩くのだが、次から次へと車がやって来るのでうかうかしていられない。見渡す限り、周辺の山の斜面には白菜やキャベツが栽培されている。車道に隣接した白菜畑にはカキ殻がびっしり敷き詰められている。美味しい白菜ができるに違いない。

 「International Villa 国際交流ヴィラ 250m」の道標が設置されている。ふ~む、あの道が消えていた国際交流ヴィラへどのようにたどり着けるのか? と言っても、ここから登り直す元気はないので詮索はパス! オリーブロードの東端合流地点に立つ道標を見て一気に下り進む。ところが、車を避けるために草むらへ寄りすぎて、相棒の上着とパンツに「ひっつき虫」がびっしり。これを取り去るのに5分もかかってしまう。恐るべし「くっつき虫」。そして「オリーブ園入口バス停」付近に無事下山する。

4.牛窓地区を歩く

 正面にホテルリマー二を見て左折すると「かまぼこ屋 中光商店」。ここの「練り天」は旨さ抜群で、今回もどっさり買い求める。

 すでに14時近いが昼食はまだ。帰りのバスまで2時間ばかりあるので、一帯を散策しながら食事をとることにする。しおまち唐琴通りを行くと「牛窓往来」の解説板。付近に牛窓秋祭りの山車を格納した「関町だんじり蔵」がある。その奥に、赤煙突が建つ蔵と屋敷が見える。これは天保年間(1830~1843年)創業の備中屋高祖酒造の主屋と蔵座敷で、国指定登録文化財になっている。

 屋上に天体観測用のドーム(と見られるもの)を備え、庭先には2021年11月19日の「ほぼ皆既月食」の観測写真が掲示されている。どんな施設かと後で調べると(ご近所に電話確認)個人宅とのこと。これは凄い、興味津々だ!

 しおまち唐琴通りをそのまま進むと赤煉瓦の建物が現れる。これは「街角ミュゼ牛窓文化館」で、地域の古い写真や伝統行事の資料が展示されている。建物は大正4年(1915)に旧牛窓銀行本店として建てられ、昭和55年(1980)まで中国銀行牛窓支店として使われていたもの。国の登録文化財に指定されている。

 近くに岡山県最初の乗り合いバス由来記が掲示されている。少し進むと「五香宮」があり階段下から参拝する。

 しおまち唐琴通りもこのあたりが終端。前島がすぐ近くに迫っている。ここまで魚料理などの店を探しながら歩いたが、昼時間が過ぎたせいか暖簾が出ていない。引き返す途中にあった古民家カフェ「ねんどころ」でランチをいただく。

 遅い昼食をゆっくりとった後、観光センター瀬戸内きらり館に立ち寄る。ここで時間調整をしてオリーブ園入口バス停に戻る。牛窓山の山歩きもさることながら、しおまち唐琴通りの古い街並みもなかなかである。帰りのバスは満員状態。もちろん、岡山市内へ戻るのでバス賃はタダだ。