名 称

ようしょうざん

所在地

岡山県浅口市鴨方町・浅口市金光町・小田郡矢掛町

標 高

405m

山行日

2016年11月11日

天 候

晴れ

同行者

級友たち3人と

アクセス

車で玉島富の車道脇へ

マップ

    

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

JR新倉敷駅 9:15(車で移動)玉島富の車道脇 9:30富の砲台跡説明板 9:41石鎚様分岐 10:03
遙照山厳蓮寺薬師院(両面薬師) 11:02山頂三角点 11:11多目的広場付近(昼食)11:25~11:44
展望広場 11:53〜11:58遙照山温泉 12:10〜12:49石鎚様分岐 13:34石鎚様 13:43
石鎚様分岐 13:55玉島富の車道脇へ帰着 14:17

1.山頂に向かう

 玉島富地域に入ってかなり車で上り、このままだと山頂まで着いてしまうのではと思っていたら、左手に民家を見てすぐに「通行止」の標識があり、道端に車を寄せて歩き始める。

 柵・罠を仕掛けているので不用意に草むらには入らない方が賢明。近くにイノシシ捕獲用の大きな檻が設置されている。

 10分ほど進むと右に「富砲台跡」が現れた。解説板が設置されているのだが、浅学の自分には何のことかさっぱりわからない。調べてみると1月17日、伏見の戦いに敗れて熊田恰(くまだあたか)以下150名の松山藩士が船で備中松山の飛び領土である玉島に帰着する。この情報はすぐに備前岡山藩に知れて大部隊に包囲され、その時に築かれた砲台の跡である。現在は馬蹄形の土塁だけが残っているらしい。
 結局、熊田恰は玉島の柚木邸で切腹し、玉島の地は幕末の戦火を免れた。この背後には備中松山藩の重職にあった山田方谷の強い意思があったそうだ。(詳しくはWebで『山田方谷マニアックス』を検索)

 歩き始めて20分ばかり、丸太のベンチが置いてある。傍の木に「お休み処・富どんぐり会」のプレートが掛かる。お世話になります!

 山の中腹を縫う道路だが雑木が茂っていて眺望はゼロ。あれこれ話しながらひたすら歩く。足元にアザミの花一輪。

 道はこれでもかとクネクネ曲がりくねっている。「通行止」標識があったにもかかわらず、いっこうに危険な所がないのをいぶかしく思いながら前進する。「石鎚様参道」の道標が立つ分岐に出会う。「帰りに元気があったら寄ってみようや」と誰かの声、そうしようと先を急ぐ。

 ほとんど花のない道に、ときおりニガナが咲いている。路面に小さな栗が散らばっている。まだ実が入ったのもある。

 所々でシダが密生している。またイノシシ捕獲の仕掛けが設置されている。好天にもかかわらず少々暗い感じの道が続く。傾斜が緩いので息が上がるようなことはないが、「まだ着かないのかなぁ」の声が聞こえてくる。

 右側の斜面が崩落している。これが通行止めの原因とは考えにくいのだが、もっと大きな崩落を誘発する恐れがあるのかも知れない。スタートから1時間45分、電波塔への分岐になり左手を直進する。山頂が近づいた。

2.山頂風景

 展望広場付近に建つ大きな電波塔が見えてきた。民家前を通り越して山頂方向へ進む。

 南西に明るい白壁と茶色屋根の遙照山ホテル(旧かんぽの宿)が見えている。「今は閉鎖さているよ」と聞いてびっくり。前回訪れたときは駐車場にたくさん車があり、人も大勢いたのだが・・・・。「遙照山厳蓮寺薬師院」の石柱から山頂への急坂が始まる。わずかな距離だが、今日歩く舗装されていない貴重な坂道である。

 坂道をひと登りすると薬師院(両面薬師)である。表面は薬師如来、裏面は釈迦如来だが、不覚にも片方だけ拝し釈迦如来を忘れてしまった。あらためて合掌! 大きな電波塔の前の草むらにある三等三角点を確認する。

 すぐそばの木に山頂標識が掛けられ、隣に塔を刻んだ岩がある。この岩が何かは判らない。

 山頂から日月水火神社(ひつききびじんじゃ)を通って多目的広場の方へ下り、ベンチや石に腰かけて昼食をとる。

 電波塔が建つ展望広場に向かい、南端の展望台に立つ。

 玉島火力発電所からJFEスチールの水島方面、金光の街並みから金光教本部の方面などの大パノラマが広がるが、モヤが出ていて判然としない。モヤがなければ瀬戸内海から四国まで見通せるのだが。

 藤波池畔キャンプ場がすぐ近くに見える。これで山頂を引き上げることにして、遙照山温泉に向かう。

 昔からある天然ラドン温泉だが建物はすっかり新しくなっている。この湯は効能豊かな伝説の湯である。その昔、吉備津彦命がこのあたりに住む鬼を退治しにやって来た折り、矢に当たった鬼がこの地の温泉に入り、すぐに元気を取り戻した。吉備津彦命はその温泉をつきとめ湯元を埋めて鬼を退治したという。そんな温泉だが、ボディーソープやシャンプーなどの備え付けはないので必要なら持参のこと。

 屋根を設けた源泉。コイン式冷泉スタンドがあり飲料水として持ち帰ることもできる。

3.石鎚様へ立ち寄って下山

 帰りは下りなので速い。下を向きがちな登りと違って姿勢がよくなり、ものの見え方も変わってくる。紅葉の草木を見ながらどんどん下る。

 やがて石鎚山分岐に着いて、かなり疲れたが少しだけ行ってみようと左折する。道はよく整備されていて歩きやすい。

 10分ほど進むと石鎚様の境内に出た。どうやら磐座を祀っているようだ。屋外に舞台らしきものがあるが、床板は取り外されていた。

 境内から北には矢掛方面の眺望が開けて井原鉄道が見える。間もなく分岐へ引き返し、14時過ぎには車に帰着する。

 ほとんどウォーキングのような山歩きだったが、話が弾んで楽しく歩くことができた。下山後は新倉敷駅近くでコーヒータイムをもち、今度はどこへ登ろうかという話題。そうだ、山はいっぱいある。あまりムリせず近場の山へ、またぜひ登ろうや!