1.金光駅から下竹登山口へ
JR金光駅には10時24分に到着して、タクシーで丸山公園へ向かう。7~8分で着いた丸山公園は、大きな池の周りを巡る遊歩道があり桜の木が林立する。花の季節に訪れるとここで足止めされそうな良い雰囲気だ。
峠を行くと7分ほどで右手に「太老神社参道」の石碑が建ち、右折して参道を登る。
太老神社に参拝してひと呼吸、境内から上竹地区の集落が見える。
石碑の位置まで戻って、舗装道路をどんどん下って行く。国道2号線を渡って進むと山陽自動車道の下を通るトンネルがある。
トンネルをくぐって右折して坂を上って行くと、左手に道路がある。
これが登山口だと思ったのだが標識も道標もない。霊園の東屋にザックを置いて周辺を探索するが、山へ向けての進入路は見つからない。地図を見直すと、登山口は山陽自動車道をまたぐ跨道橋をさらに行き過ぎたところらしい(地図の赤丸①)。うっかりミスである。
元に戻ってさらに舗装道を上ると、筒に入った木の枝と赤い矢印がある。
標識には「あさくちトレッキングMAP」とあり、ここで間違いなし。いよいよスタートだ、と急坂を登る。
上り詰めた先にはコンクリートの急な階段、それを登ると神社がある。参拝して登山道を探すが、これまたそれらしいものが見あたらない。急階段を再度登り直すのはイヤなので隈無く探すがダメ。ところでこの神社、名前も何が祀られているのかもわからない。
諦めて階段を下りながら探すと、階段下から延びたフェンスの先が歩けそうな気配。雑草をかき分けて入るとしっかりした道に出た。写真左の赤枠のあたりに簡単な標識があればありがたいのだが・・・・。
2.遙照山公園~めがね展望台
ここまでで30分近いロスタイムが発生。ま、今日はタイムスケジュールを気にしない行程なのでかまわないが、かなり回り道をしてしまった。歩きやすい道だ。足元にはアキノキリンソウが咲いている。
登り始めてしばらくは、山陽自動車道の車の騒音を聞きながらジグザグの急登が続く。倒木が道をふさいでいる。しだいに道が細くなり、路面の凹凸が増えてきた。
右側が開けて「木野山神社」の石柱が建つ。これを東に進んで261.6mの三角点にタッチする予定だったが、今回はパスする。ここまでまったく眺望は効かないが閑かな山歩きを楽しむことができる。
左側に池床池が現れて堤に踏み込んでみる。堤から南を見渡せる。中央に金光病院と金光教本部が見えている。
堤の奥にイノシシの捕獲檻が仕掛けられている。すぐ近くの地面には、人の足跡と並んでイノシシの足跡がくっきりとついている。ここから先にかけて、何カ所もヌタ場が続いている。
やっとヌタ場から抜け出すと轍がある道になる。やがて車道との分岐に着く。
分岐を右手に進むと、左側に「あさくちトレッキングMAP」の標識がある。
標識にしたがって細道を登ると、こんな石仏(?)と出会うが何かわからない。
ハゼノキの紅葉がきれいだ。落ち葉が赤の絨毯を織りなしている。
何やらいっぱい文字を刻んだ石柱が建っている。左面に「昭和35年度??」、正面に「浅口郡金光町大字上竹字目鑑2536ノ5番地」、右面には「植栽本数 あかまつ 18,77?本 や?やぶし 18,704本 やまはんのき 4,719本」と刻まれている。この一帯に植栽を行ったのを記念して建てられたのだろう。住所の上竹目鑑は遙照山目鑑展望台(めがねてんぼうだい)のあたりを指し、番地の2536-5は「Hotel the view 瀬戸内」の住所と一致している。興味深いねぇ!
その先にも美しい紅葉。
シダ類が増えてきた。やがて公園の斜面を上がって行く。
テニスコートの西詰め付近に出た。右手を道なりに進む。
芝生広場駐車場があり、映画「8年越しの花嫁」のロケ地の東展望台に到着する。女性の二人連れが次々にやってくる。ロケで設置された柵のそばから南東の一角を見下ろすと、遠くに新幹線の高架が横切る。近くには山陽自動車道が蛇行している。
東から南西へかけての展望は抜群、手ぶれを我慢して雰囲気なりを感じていただければ (^o^;) .....
遙照山は変化し続けている。いつの間にか整備されているこんな道を歩いて、総合公園グラウンド沿いの紅葉を愛でる。
めがね展望台へ移動する。展望台の上には展望案内盤が設置されている。
めがね展望台の西詰めには電波塔が建つ。すぐ下には「Hotel the view 瀬戸内」がある。ランチしに出かけたいのだがなぁ。
時刻は13時5分。で、ランチは展望台東屋にて祭り寿司とカレーパンという微妙な取り合わせ。
3.遙照山山頂~難波池キャンプ場
めがね展望台を後にして、遙照山温泉のそばを通る。奇しくも4年前の同じ11月11日に小学校時代の級友3人と来て、この温泉でくつろいだことが想い出される。その後、自分が腰痛でまともに歩けない期間が続き、他の二人もコンディションを損なって、以来同行できないままだ。またいっしょに登りたいねぇ。
そんなことを想い出しながら、すぐ先を右折して山頂に向かう。
短い坂なのに相変わらずここはしんどい。エイエイッと意気込んで半走り。紅葉に染まる両面薬師の境内が見えてきた。
オレンジ色のモミジと赤色の落葉。日本語は「紅葉」で多様な色彩を連想させるのが面白い。その紅葉をお地蔵様が斜交いに眺めていらっしゃる。
薬師如来の御堂と釈迦如来の御堂を拝する。お久しぶりですと言ってみる。
境内の北西には2基の電波塔。その近くにひっそりと置かれた三等三角点。
遙照山登頂壱千回記念植樹の記念碑を見ながら、日月水火神社(ひつききびじんじゃ)の脇を下りて難波池キャンプ場への道に入る。
廃業してもう何年になるだろうか、遙照山ホテルの外観はまだきれいだ。キャンプ場への道から見上げながら下り進む。
難波池キャンプ場に到着した。入口には「遙照山パノラマコース」のカラフルな案内板。いつも好い雰囲気のエリアだが、新型コロナウィルスに悩まされた今年はどうだったのだろうか。
どこもかしこも美しい紅葉に彩られている。難波大池を左に回り込んで進む。
池の南面の堤防から北を眺めると、めがね展望台のノッポ電波塔が見えている。少し進むと難波大池の池畔は異国のような雰囲気がある。
「山の淋しい 湖に 一人来たのも 悲しい心・・・・」、
いやはや気分はルンルンなのに『湖畔の宿』の一節が浮かんできた。高峰三枝子さんの優しい歌声が思い出される。戦時下の情勢に振り回された曲だが、歌の力は偉大だねぇ。で、平和な世界はほんとうに大切、そして、独り歩きは好いもんだ。
「ランプ引き寄せ ふるさとへ 書いてまた消す 湖畔の便り・・・・」
さらに回り込んで進むと分岐に到着した。
4.泉勝院側へ下山のはずが・・・・
分岐から南への下山コースに入る。入口に「サルに注意」の掲示板。ムム、どう注意すれば良いのやらと、静かに歩き始める。
一度見た風景。以前に「トレッキング山楽会」の名で「ご自由におやすみ下さい」と書かれたアーチがあった展望所だ。アーチはあるが文字は消えている。それにしても、展望所も山道もとても整備されていて感謝だ。入口には可愛い猫のマスコットがお出迎え。
展望台から南西方向の一角、笠岡方面の海域が銀色に輝いている。ミヤマコウゾリナのようなのが咲いている。ミヤマコウゾリナの花期は8月なので、ちょっとクエスチョンだ。
蛇行した道が続く。若い松の木が養生テープで固定されている。あちこちで、このように幼木の植栽や育成が見られるのは嬉しい。後ろから娘さんがやってきて挨拶、たちまち追い抜かれて姿が見えなくなった。
緩やかな道の先が開けて東が見渡せる。手前に新幹線高架、その中央にJR新倉敷駅。高梁川が流れ右の山には倉敷芸術科学大学、中央から左にかけて倉敷市街地が広がっている。写っていないが、さらに右手には水島工業地帯も見えている。
このあたりには、写真のような板にあれこれを記したものが木に結わえられている。休憩用のベンチもある。途中で、楽しそうに登ってくる4人連れ家族と出会う。
山土に砂混じりの山道は滑りやすく下山時には要注意。そんな場所にはロープが張られている。
車道出合まで下りてきた。ここから山頂への車道は道路崩壊で通行止めになっている。
ここから先もサルに要注意。すぐ脇には厚着のお地蔵様。何かわからないがそばの石柱に「やくしみち」と刻まれている。両面薬師への道ということだろうか。
間もなく分岐になった(地図の赤丸②)。ここを右に登るべきだったが、送電鉄塔の保守道と早とちりして左上へ踏み込んだ。
岩クレの多い薄暗い道を、これで泉勝院の登山口へたどり着けると確信して進む(´-`;)
少し明るくなって「正一位稲荷大明神」の幟が立ち並ぶ。左へ回り込んだところから、石鳥居の奥の社を拝する。
明るい道に出て登山口が近いかと思ったら、何と、「鬼の手形岩」ではないか(@Д@;)
登りで毎度お馴染みの加賀池登山口に下り立ってしまった。これはまいった。
近々に、今度は泉勝院登山口から登ろう、今日行けなかった261mピークの三角点と木野山神社にも出かけなくては、などと考えながら金光駅へ向かう。