名 称

かんかけい・ほしがじょうさん

所在地

香川県小豆郡小豆島町

標 高

816m

山行日

2014年11月18日

天 候

晴れ後曇り

同行者

相棒と

アクセス

新岡山港からフェリーで土庄港へ渡り、車で寒霞渓ロープウェイ紅雲亭駅へ

マップ

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

土庄港フェリーで到着 9:40車で寒霞渓ロープウェイ紅雲亭駅到着 10:20紅雲亭駅スタート 10:30
展望台 11:18寒霞渓山頂(昼食) 11:37~12:13三笠山山頂 12:21星ヶ城神社 12:52
西峰阿豆枳島神社 13:03東峰阿豆枳島神社 13:26星ヶ城山山頂 13:30~13:43三笠山山頂 14:17
寒霞渓山頂 14:25寒霞渓ロープウェイ山頂駅 14:35ロープウェイで紅雲亭駅 14:40

1.寒霞渓山頂に向けて

 土庄港から車で移動し、ロープウェイ紅雲亭駅の駐車場に着く。紅葉の季節とあって、平日にもかかわらず駐車場はほぼ満杯状態。その奧の東屋が紅雲亭で、軽くストレッチ体操をしてすぐ横の登山口へと入る。ここから表十二景と呼ばれる遊歩道が続く。

 緩やかな遊歩道を上がって行く。登る人は少なく、紅雲亭駅周辺の喧噪が嘘のように静かである。すぐ近くをロープウェイの車両が通過していった。

 紅雲亭から200mばかり進むと錦屏風(きんびょうぶ)。屏風を立てたような大きな岩だ。

 錦屏風橋を渡り、さらに続く橋を渡ると老杉洞(ろうさんどう)。

 すぐ先に蟾蜍巌(せんじょがん)の標識。蟾蜍とはヒキガエルのことらしくて、案内板に「ヒキガエルがこちらを見ているようです」とある。周辺の紅葉が美しい。

 続いて玉筍峰(ぎょくじゅんぽう)。文字通りタケノコ岩であるが、その前をロープウェイのケーブルが横切っている。

 今度は画帖石(がちょうせき)。案内板に「旅の思い出を写し描くスケッチブックのようで、岩の筋がページのようにも見えます」とある。

 落ち葉に覆われた道を行くと東屋の招仙亭(しょうせんてい)があった。

 画帖石から200mほどで層雲壇(そううんだん)。重なり合う岩々が雲の祭壇のように見えることに由来するらしい。地図を眺めると、展望台までもうすぐのようだ。

 さらに200m少々で荷葉岳(かようがく)。荷葉はハスの葉を意味するが、木の間から見える岩の形からは連想できないのだが・・・。

 次は女羅壁(じょらへき)。案内板によると、女羅とは針葉樹に絡みつく地衣類(コケ)の一種で、かつては髭のように風になびいていたが現在は無くなっているとのこと。

 ゆっくりと、奇岩を眺め紅葉を楽しみながら48分で展望台に到着。神官がかぶる冠に似た烏帽子岩(えぼしいわ)が見える。

 錦繍の谷間をロープウェイの車両が往来する。今にも落下しそうな烏帽子岩が気になって、ズームイン!

 すぐ近くの四望頂(しぼうちょう)からの絶景。内海(うちのみ)湾と坂手湾、瀬戸内海越しに東かがわ市・さぬき市方面が霞んでいる。紅葉を背景に相棒の記念写真を1枚。

2.寒霞渓山頂風景

 四望頂から寒霞渓ロープウェイ山頂駅方面へと、車道に沿って紅葉の山道を歩く。

 山頂駅と商業施設の建物が見えてきた。ここで昼食を済ませ、寒霞渓展望台に上がる。

 内海湾方面から登ってきた辺りを展望することができる。写真右の左下には幸せ祈願の「かわら投げ」の輪っかが見える。かわらけを投げて、見事輪っかをくぐれば願いがかなうとか。
 表十二景で出合った数々の奇岩、そして眼下に広がる複雑で険しい風景に、寒霞渓が火山活動でできた地形であることを改めて認識させられる。

 寒霞渓展望台での記念写真が終わると駅前広場へ降りて、別の碑の前でもう一枚。

3.三笠山~星ヶ城山山頂

 「三笠山山頂500m」の道標に従って進む。鳥居をくぐって緩やかな道を辿れるが、ここは手前の急斜面を直登する。

 直登して山頂側の鳥居をくぐった。寒霞渓山頂駅付近から一気に登った感じだ。

 三笠山山頂を取り巻く紅葉の道を行く。

 「星ヶ城山山頂1.7km」の道標を見て進むと間もなく階段になり、静かな道を行く。

 緩やかではあるが延々と続く上り坂。紅葉の木々が励ましてくれる。ウリハダカエデの赤がとりわけ美しい。

 道が平坦になると、南北朝時代の武将、佐々木信胤(ささきのぶたね)を祀る星ヶ城神社に着いた。

 この辺りから山頂にかけて、外空壕や土壇など山城特有の地形が形成されている。

 小豆島の祖神として大野手比賣(おほぬでひめ)を祀る西峰阿豆枳島(あずきしま)神社が現れた。石積みの塀や土台がとても美しい。

 道端に「星ヶ城」の石碑が建ち、西峰山頂の大岩がある。大岩に立ってみたが、曇天と逆光で風景はパッとしない。

 その先には居館跡や鍛冶場跡があり、空壕などが見られる。

 急坂を転ばないよう注意しながら下るとコル(鞍部)になる。

 コルには「星ヶ城跡案内板」が設置されており、東峰に向けて登り返して行く。途中に、緊急用に雨水を貯めていたとみられる人工井戸がある。

 山頂間近に、豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀った東峰阿豆枳島神社が建っている。

 まず山頂の一等三角点にタッチ。周辺は城が築かれる以前の古い祭祀遺構である。絶景が広がっているはずなのだが、ガスがかかって眺望が利かない。

 山頂中央には不思議な石塔が建っている。これが何なのか分からないが、写真右のような国土地理院のプレートが立てかけられている。「基本測量用に使用する測標」と記されているが、それにしては安定感に欠けるし、このプレート自体が三角点のためのものと思われるのだが・・・・。

 石塔の正面写真。下の部分が祠になっていている。

 ここからの眺望もガスに邪魔されている。近くには草壁・安田方面との連絡に使用されたと思われる烽火台跡がある。

4.往路を寒霞渓山頂まで戻って下山

 コルまで下りて、西峰への戻りは急坂を避けることにする。緩やかな道を巻くように登って行く。

 これは柱状節理と言っていいのだろうか?神社の垣根や東峰の不思議な塔の材料になりそうなのでシャッターを押した。振り返ると、もう東峰は遠くなっている。

 だら長の坂だけに下山は楽だ。どんどん歩いて、30分少々で三笠山に着く。

 寒霞渓からはロープウェイで下山。錦繍の谷間を、標高295mの紅雲亭駅まで5分間で急降下。

5.そして寄り道

 下山後は内海湾を眺めながら映画村まで周り、岬の分教場へ立ち寄って温かい飲み物で喉を潤す。

 暮れ急ぐ晩秋の海、オリーブ公園へ立ち寄って、新漬けオリーブやエキストラバージンオリーブオイルなどを買い込む。

 最後にオリーブ園まで降りて、まるで宝石のような実をカメラに収めて土庄港へ向かう。