名 称

むつめやま(みまやふじ)

所在地

香川県高松市檀紙町~国分寺町

標 高

317m

山行日

2020年2月4日

天 候

晴れ

同行者

なし

アクセス

琴平電鉄琴平線・円座駅下車

マップ

     

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

円座駅からスタート 9:28(約35分のアイドルタイム)登山口 10:50送電鉄塔 10:58ロープ始端 11:20
高松西インター登山口分岐 11:52六ツ目山山頂 11:59~12:22高松西インター登山口分岐 12:27
ロープ始端 12:53送電鉄塔 13:04登山道入口 13:14円座駅帰着 14:15

 岡山駅から快足マリンライナーで55分、JR高松駅には8時50分に到着する。駅弁を買って琴電高松築港駅へ急ぎ、9時ちょうど発の琴平線で円座駅を目指す。

1.琴電円座駅から登山口へ

 高松築港駅から25分(380円)で円座駅に到着。無人駅なので切符は車掌さんが回収する。

 表に出て左へ進み、一つ目の角を右に折れ、次の角を左に折れると進行方向は西になる。正面遠くに富士山形の六ツ目山が見える。麓までは3km少々だ。

 直進すると国道32号線と出合って渡る。しばらく進むと、茶色い屋根の向こうに小さな山がチラリ。六ツ目山から北へ並ぶ伽藍山と狭箱山(はざこやま)は「おむすび山三兄弟」の愛称で親しまれているが、ここからわずかに窺えるのは伽藍山だけである。

 さらに進むと県道44号線と交差する。これを渡って六ツ目山を目指して直進する。

 やがて変電設備の鉄塔やトランスが見えてくる。四国電力高松変電所の建物を右から巻くように進む。

 ここから登山口が見つからなくてまごまご・・・。やっと出会った地元の同年代男性に教えてもらう。話が弾んだが、「送電鉄塔から上はきついでー、山頂からは何も見えん」には気を削がれた。登山口の害獣防止柵を閉め忘れないようにと何度も念押しされる。長話しや電話連絡などで想定外に時間が過ぎ、午後の高鉢山は見送ることにする。
 登山口は変電所西端の舗装道路を上がったすぐ右側、墓地の手前にあった。

 「中間変電所 登山口」の標識が立っているので、右折して坂道を上がる。

2.山頂を目指して

 これがくだんの害獣柵だ。太い鉄くいを引っこ抜いて扉を開け、元に戻して指さし確認して出発する。時刻はすでに10時50分だ。

 送電鉄塔までは四国電力の送電線保守路なのでとても歩きやすい。

 8分ほどで送電鉄塔に着いた。その先には平坦な道が延びている。

 すぐに「六ツ目山」の道標が現れる。

 適当な間隔で道しるべの赤テープが巻かれている。踏み跡が明瞭なので道迷いの心配はない。

 季節の風情などと言ってられないのが落ち葉の堆積。コナラ、クヌギ、ウバメガシなどブナ科の落葉は大変滑りやすい。傾斜がきつい部分ではストックで落葉をかき分けたり、キックステップのように登るので、まったく捗らない。

 ついにロープ場になった。最初はトラロープが続き、途中から白いロープに変わる。

 「これって傾斜が40度近くない?」と 独りごちる。白ロープに変わってから繰り返し急傾斜が現れる。手でつかめそうな岩は少なく、木や草の助けも借りてよじ登る。ロープだけでバランスがとれないところはストックも使う。このロープはほとんど山頂近くまで続き、ロープとストック操作で腕に余計な負担がかかる。そして麓の御仁から聞いたとおり、眺望はまったくない。苦行の山登りである。
 そんな中で、前回の白山で見た地形の解説板を思い出す。このあたりも風化した安山岩なのだろうか、白っぽくてもろい。変わった岩があり白山で見た柱状節理に似ている。この山もおむすび型になる素質が十分だったと言う証しか。

 シャッターを切る余裕もないまま高松西インター登山口との分岐にたどり着く。長かったロープ場もここで終わりだ。

 緩やかな道に変わった先に縁起の良い木が待っていた。丈が40cmほどのマンリョウに真っ赤な実がついている。

 明るい空間が広がって山頂はすぐそこだ。

3.山頂風景

 これが山頂の全景だ。山頂標識が読みにくいので裏側にまわる。なお、この山頂には三角点はない。

 こんなケルンが積まれている。周辺には割れ目の筋が入った柱状節理が散在する。

 立春の山頂の温度計は14℃を示す。とても暖かい。南には302mの堂山がそびえる。堂山から六ツ目山を経て伽藍山を縦走するのが定番コースのようだ。

 山頂からは何も見えないと聞いていたが、木々の葉が落ちているので、南西から北西にかけての眺望は素晴らしい。登りの苦労が報われた。真西に飯野山(讃岐富士)を望むことができる。

 写真左は南西の橘池方面の風景。高松自動車道が火ノ山の国分寺トンネルへつながっている。その向こうの十瓶山(とかめやま)は別名を陶富士(すえふじ)と呼ばれ、讃岐七富士に劣らず美しい。黄金を詰めた十個の瓶が埋められているのが山名の由来とか。夢があるねえ。
 右は、鷲ノ山が橘池から北方向へと連なる様子。遠くに飯野山と城山(きやま)を望める。

 この風景をたっぷり堪能して12時半ごろから下山を始める。急坂の下りを考えるとゾッとするが、午後の計画は取りやめたので急ぐことはない。安全第一で出発!


(そして下山)
 無事に送電鉄塔まで下りてきたが、足が浮いて肝を冷やすことが何度か。いやぁ、ロープに助けられました。登山口に帰着して胸をなで下ろす。

 麓にはハナモモのピンクと香しい水仙の花。今回の立春の山行は凄まじく記憶に残りそうだ。
 で、この山の変わった名前の由来は「空掘伝説」のムスメヤマからと言われているが、伝説の内容が理解を超えているので説明できない。知りたい向きはネットで検索を!