名 称

しらやま(みきふじ)

所在地

香川県木田郡三木町

標 高

203m

山行日

2020年1月11日

天 候

晴れ

同行者

なし

アクセス

琴平電鉄長尾線・白山駅下車

マップ

     

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

白山駅スタート 14:02白山神社 14:07登山口 14:10展望台 14:12~14:14五合目 14:23
金比羅さん 14:31~14:35白山山頂 14:41~14:51白山神社 15:08白山駅帰着 15:14

 羽床富士から帰着した琴平電鉄高松築港駅ではいったん駅舎の外に出る。快晴の空の下、周辺の白いビルが眩しい。今度は長尾線に乗車して白山(しらやま)駅を目指す。料金は440円、所要時間は33分である。13時28分の便で出発する。

1.白山駅から登山口へ

 白山駅から出ると「東讃富士(白山)・白山神社」の道標が目に入る。

 電車から見えたてっぺん禿げ山がどう見えるのかを心配していたが、いや、立派な富士の姿である。安堵した。扁額に「白山神社」と刻まれた石鳥居へと向かう。

 整然と並ぶ石灯籠の列。その向こうにもうひとつの石鳥居がある。灯籠も鳥居も真新しい。

 石鳥居をくぐって階段の上の神門をとおると立派な社殿。鈴を鳴らして参拝する。境内には桜の木がたくさんある。

 本殿の左奥にも新しい石鳥居があり、扁額には「石鎚神社・龍王社」と刻まれている。傍に「白山遊歩道案内図」があり、山頂までの「白山探索のみち」のほかに、西には「三木ふるさと自然のみち」が広く整備されている。この鳥居から登山道が始まる。

2.登山口から山頂へ

 鳥居の先で坂道と階段に分岐している。帰りは坂道を下りることにして階段を登って行く。

 階段の途中に二合目の標識があり、上り詰めると展望台に着いた。南には山並みが連なり、中央手前にそびえるのは嶽山だろうか。麓には総合レジャー施設「トレスタ白山」の建物や屋外レジャー施設が見える。

 展望台から道は東へ延びる。白山で見られる動植物や地形・地質についての解説板が並んでいる。興味深いのは地質の説明で、山の上部は浸食に強い黒雲母安山岩であり、下部は浸食に弱い花崗岩であることが「おむすび型」の山ができた原因だそうである。黒雲母安山岩は500~1,000万年前に噴出した溶岩の一種、花崗岩は約1億年前にマグマが冷え固まってできたとのことで、これらの誕生時期の違いや浸食・風化の具合によって独特の形になったのだろう。

 3~4分進むと分岐があり上に向かう。まだ舗装道が続く。

 V字の左折れ地点でダウンを脱いでいたら、手ぶらの女性がやって来てゆっくりと通り過ぎて行く。

 その後をついて歩き始める。五合目の標識が現れ、このあたりから道はジグザグしながら傾斜を増す。さっきから幅の狭い擬木の階段に手間取っていたのだが、先を行く女性は擬木の支柱の上を軽々歩いている。なるほどと感心して試してみるが、バランスがとれなくて危なっかしい。こんなところで運動神経の鈍さと経年劣化を感じるのは、イヤだねぇ。女性はもう視界の外だ。

 いつのまにか土の道になり、七合目近くから土の質が変わったように感じる。黒雲母安山岩はもとは灰色や黒っぽい岩石だが風化が進むと白っぽくなるそうなので、これが安山岩なのかな? そしてまた急な階段が待っている。踏み面の部分にほとんど土がないので、擬木を踏み込むような不安定な姿勢になってしまう。

 石灯籠が建ち金比羅さんの祠がある。祠の裏には磐座があるように思われる。

 そしてまた急な階段だ。「山頂まで120m」の道標に元気づけられて登る。どうやら山頂に着いたようだ。その手前にゴツゴツした岩が露出している。

3.山頂風景

 これが南側から見た山頂の様子。まずは二等三角点にタッチする。

 古めかしい石鳥居(コンクリート製かも)の扁額には「地魂坊社」とある。休憩舎の向こうに石鎚神社と龍王社の祠が見えている。

 写真左が地魂坊社で、境内の東に位置し西を向いている。胸に天狗の顔が彫られている。この像がどんな意味をもつものかは分からない。右は石鎚神社と龍王社の祠。

 最奥部に設置された展望台は北向きで、小さな案内板が備えられている。

 これが北方向の展望。遠くに瀬戸内海に浮かぶ女木島、右には五剣山がはっきり見える。

 東から南へかけての眺望も素晴らしい。讃岐山脈が連なりシルエットのような山々。

 南から西方向の眺望。富士山のような独立峰がいくつも見えている。中央の遙か遠くに霞んでいるのが飯野山か? 午前中に登った羽床富士も見えているように思えるのだが・・・。

 休憩舎の壁に「第11回 堂山~勝賀山縦走ウォーク」案内が掲示されている。堂山~六ツ目山~伽藍山~狭箱山~袋山~勝賀山までの全長16kmのコースを約7時間で歩くものだ。実際の累計標高差がどのくらいになるのか分からないが、海抜ゼロmから登り下りするとすれば累計標高差は3,242m。これはけっこうハードである。
 時刻は14時50分、そろそろ下山しよう。

4.白山駅へ

 登りと同様に下りでも何人ものハイカーと出会う。下りかけてすぐ、小学1~2年生と思われる少女と挨拶する。それから少し遅れて、彼女の弟を連れたお婆ちゃんが息を切らせて登ってきた。挨拶すると嬉しそうな笑顔が返ってくる。
 山頂を出発してから9分で五合目を通過する。下りは部分的に階段を迂回して坂道を歩く。

 登山口の分岐路に差しかかると、リュックを背負った男性が階段を登っている。讃岐七富士を目指して、今日いくつめかの山として白山を登っているのだろうか。グッドラックだ。

 白山神社には山頂から17分で帰着する。駅に近づくと踏切の警報音が聞こえてくる。高松築港駅行きの電車とすれ違いで駅に帰着する。


<そして帰路に>
 15時33分の電車で高松方面へ向かい、乗降客が多い瓦町で下車してみた。しばらくぶりで高松の商店街を歩いてみたかったからだ。ところが、以前は賑やかだった高松常磐町商店街がひっそりとしていて、シャッターが下りた店舗の少なくないことに驚かされる。一方、南北を貫く南新町商店街と丸亀町商店街には人が溢れている。新年を迎えての第2土曜日ということで人出が多いだけなのかも知れない。しかし、軽々には判断できないが、この一帯は商店街が活きていると感じた。喧噪に満ちてはいるが、生き生きとした商店街と人々の動きに懐かしさを感じた。
 それこれでキョロキョロしながらJR高松駅まで歩いてしまい、出発間際の快速サンライナーに乗車する。瀬戸大橋を通過している17時ちょうど、雲ひとつない西空に夕日が落ちる。かくして、初回の讃岐七富士探訪を平穏無事に終えることができた。