1.陶駅から登山口へ
岡山駅発8時40分のマリンライナーで高松駅には9時39分に到着。毎回のスタート地点になった琴平電鉄高松築港駅から琴平線に乗車する。料金は500円で、目的の陶駅には10時37分に到着した。
プラットフォームを電車の進行方向に進んで右折すると、左斜めに大丸タクシー陶営業所がある。待機中で待ち時間はゼロ、高鉢山方面へと告げて乗車する。
2.登山口から山頂へ
陶駅からタクシーを利用したのは正解だった。土地のあれこれを聞きながら、町営バスの山角バス停に差しかかる。ここで降りる予定だったが、ついでに登山口まで送ってもらう。その間は傾斜のきつい車道が曲がりくねっていて、歩けば40~50分はゆうにかかっていただろう。大幅に時間短縮することができた。
登山口には「絶景・山頂まで470m」の道標が立ち、その脇に「高鉢山案内図」が設置されている。11時4分にスタートだ。
道標に従って舗装道を上がって行くと間もなくログハウスが見えてくる。その先から右側が広場になっている。
南詰めに登山道が見え手前にログハウスがある。窓脇に記念スタンプが置かれていた。
丸太を二段重ねにした階段を登って行くと、すぐ先に「二合目」の標識が現れた。ということは、先のログハウスのあたりが一合目だったようだ。
つづら折りの階段を進むと次々に標識があり、10分ほどで五合目に到着する。すぐに山頂に着いてしまいそうなので意識して速度を落とす。
木々で眺望がなく、時折わずかに見える風景も明瞭ではない。丸太の階段はどこも整備されていて大変歩きやすい。
こんな石が散在していて、あちこちに小さなケルンが積まれている。
ジグザグ道の角度がキツい部分には丸太の手すりガードが設置されていて安心。もう七合目になった。少し進むと雑木がまばらになり、東に大相地域の民家や池が見える。
九合目を過ぎると傾斜が緩やかになり、間もなく山頂へ到着だ。
3.山頂風景
「高鉢山 512m」の山頂標識。登山口からの標高差は150mほどなので、ゆっくり歩いても30分はかからない。
清掃が行き届いた社屋に上がって、まずは高鉢神社に参拝する。
山頂広場には御影石製の立派なテーブルと椅子が設置されている。登山口にあった「絶景」を期待していたのだが眺望は今ひとつ。ザックをおろし、暖かい陽ざしを浴びて体を伸ばす。
北東の遠くに高松空港が見える。南に横たわる讃岐山脈は雑木にさえぎられてこの有様。
北西側をのぞき込むと、あれは飯野山だろうか。その右に城山と五色台が連なり、目を細めると飯野山と城山の間に瀬戸大橋が見えているようだ。北には綾川町の町並が広がり、府中湖大橋が白く弧を描く。遠く五色台の主峰が並んでいる。
滞在中にジェット機の離着陸が見られないかと注意していたが叶わなかった。日韓関係悪化による韓国便の運休に続き、新型肺炎により中国便も運休して観光客は激減、離発着がないのもムリないかと思いながら下山にかかる。と、八合目手前でジェット機音が響く。雑木による目隠し状態だが、短時間で離陸したようなのでプライベートジェット機か、などと考えながら下り進む。しばらくして、今度は大型ジェット機の離陸音が響く。あーあ、ついてないねぇ!
4.風穴を見てバス停へ
20分ほどで登山口に帰着して、近くにある風穴(ふうけつ、かざあな)を見に出かける。登山口を左にとって坂道を上がると、右側にキャンプ場の炊事棟がある。
その少し先の左に階段が現れる。これを登ると東屋があるのでそちらへ直進して通り抜ける。
風穴はその先にある。がっしりとした見事な石組みだが、掲示のとおり危険なので触ってはならない。
Wikipediaによると「風穴とは洞窟の内外で生じる気温差や気圧差により風の流れが生じ、洞口を通じて体感的に速い大気循環がある洞窟の一形態」ということである。夏場には10℃前後の涼風が感じられるらしいのだが、冬場の現在は4℃だった。
風穴の上部には洒落たピラミッド型の屋根。写真にはないが、その向こうには何棟ものバンガローが立っている。右の写真は、階段を下りて帰り道で見上げた大きな一枚岩(と思われる)。
再び登山口を通り過ぎて山角(やまかど)バス停へと向かう。途中で見かけた木製の鳥居。
左手に萩戸・山角・大相地区簡易水道施設があり、その先から展望が開ける。地図を見ながら込み入った道を下りて行く。
民家を目にしてほっとする。道ばたに白玉のような山茶花の蕾ひとつ。
大相地区の道から高鉢山をふり返る。初めてみる綾上富士の姿をカメラに収める。
綾川町営バス山角停留所を確認して、隣接した山角薬師堂に参拝する。
時刻は13時、八十八茶屋の営業時間には余裕で間に合った。御影石の立派な碑には「高鉢山風穴入口 八十八茶屋 うどん・生そば処」とある。おおっ、なかなか元気の良いお店です。
ここでいただいたのは季節限定「柚子そばの鴨せいろ」。熱々の鴨せいろに柚子を入れ、ザルにのった細めの更科生そばと天麩羅などを漬けてツルツル。これはたまらない。お代は650円也。で、後はそば湯をいただいて・・・。しかしここで、山頂に設置されていたはずの三等三角点を確認していなかったことに気づく。