JR高松駅から琴平電鉄高松築港駅までは徒歩で5分弱、正面口をまっすぐ歩くと各所に案内標識があり分かりやすい。高松築港駅からは琴平線、長尾線、志度線の3本の路線があり、目的地の羽床(はゆか)駅までは琴平線で550円、45分の旅だ。10時ちょうどに出発する。
1.羽床駅から登山口へ
羽床駅は無人駅なので乗車券は車掌さんが回収する。駅を出ると踏切を渡って右方向の道を進む。
右側にこれから登る堤山。これはまさしく富士と呼ぶにふさわしい姿だ。すぐ先で道は右にカーブする。
堤山が正面に見える。左側の「よしだ医院」の前をとおり、県道377号を横切る。右は参考までに377号線北側から撮った写真で、左側に「よしだ医院」の看板がある。
県道を横切って直進するとT字路で、左折すると右側に酒店がある。
酒店の前に堤山登山道入口の標識が立っている。その正面、酒店の左側の細い舗装道を入って行く。
やがて右側にカーブして坂道になる。道なりに進むと「←堤山登山道」の標識がある。土地の人たちがお墓まわりの清掃をしている。どの墓も草取りされていて花が生けられ、あたり一帯が爽やかな感じだ。
お墓の前を進むと「堤山登山道」の標識が立ち、そばに竹の杖が備えられている。ここから登山道が始まる。
2.登山口から山頂へ
登山道に入るとすぐに「羽床富士の里山景観再生プロジェクト」と「堤山神社登山道・羽床小学校記念植樹」の掲示板がある。かつての身近な里山の景観を取り戻すために、公民館、自治会、森林ボランティア団体などで構成する「堤山景観保全プロジェクト実行委員会」が中心となって、地域住民とボランティア団体などが協働で、侵入・拡大した竹林の伐採などの森林づくり活動を行っているそうだ。
コンクリートブロックが設置されてトラロープが結わえられている。このロープはここから山頂まで続いている。
一合目ごとに標識があり、すぐに二合目を通過する。よく整備されているおかげで楽に登ることができる。地域の皆さんに感謝だ。登山道入口から5分ほどで木の鳥居が見えてきた。
扁額には「堤山神社」とある。急登で汗が噴き出し、五合目で上着を脱いで2分間の小休止。
山道は木々が繁茂していて風景を楽しむことはできない。しかし、こんな道も好い。七合目で右折し、静けさを味わいながらひたすら登る。落ち葉が多いので、下山ではスリップ転倒に気をつけなければと思う。
しだいにキツくなってきた傾斜が、九合目になるとさらにきつくなる。階段を登ると建家が見えてきた。
3.山頂風景
山頂に到着だ。まず堤山神社に参拝する。トタンとスレートの社には三宇の祠が祀られている。
社の外には石碑が建ち、壁に祭神が記されている。石鎚、剣、天神の三社が祀られている。
残念だが木々に覆われていて眺望はない。桜の木に結わえられたシルバー人材センターの登頂記念プレート。社の脇に三等三角点が設置されている。
たくさんの桜が植林されている。春には山頂が花に染まるに違いない。
4.羽床駅へ
下山にそなえてストックを取り出す。急坂に山積した落ち葉を払いながらゆっくり下りる。それでも10分ほどで鳥居まで戻れて、二合目を通過する。
登りでは気づかなかったが二合目の下は見晴らしがいい。今回唯一の展望である。
45分ほどで登山口へ着いたが、お墓掃除をしていた人たちはすでに帰ったようだ。山頂に10分ばかり滞在したので、ほぼ雑誌に記載されていたコースタイムどおりに歩けたようだ。酒店の手前まで戻って堤山をふり返る。
酒店のすぐ近くに町営バスの停留所がある。羽床駅方面へは一日5便、しかしこの時間帯には無い。来た道を羽床駅へもどる。その途中、11時59分の高松築港行き電車が通過する。
しかし、これは想定済み。駅舎のベンチに座り、JR高松駅の駅弁売店で買ってきた「讃岐名物・あなご飯」を開く。穏やかな春のような陽ざしの向こうに、下刈草でも燃やしているのだろうか淡い煙が揺れている。次の電車を待ちながらの昼食、こんな風景に旨さ二倍だ。