1.出発~江文神社
まず、前回はバスの都合で立ち寄れなかった味工房志野に直行して、おいしそうな佃煮をゲット。ついでにトイレを借用して準備万端。
少し行くと道標25に出合い高野川を渡って道なりに歩く。やがて道標や石柱でにぎやかな27番があり、ここは江文峠へと直進する。左手には針葉樹林の山、右には田園風景が広がっている。
道路に面して変わった形の石があり「西之村霊神碑」と刻まれている。傍らに大原の里「おつう伝説」の解説板が設置されている。
静原まで2.9kmの地点。脇道があり朽ちた木の鳥居が立っていた。
道標28のわきに「江文神社」の石碑がある。
道標29は江文神社分岐である。トレイルコースはここを左折して江文峠・静原方面へ進むのだが、江文神社へ立ち寄ることにした。直進方向に鳥居が見えている。
江文神社の神殿は美しい。風水火と穀霊神が祀られており、いくつもの末社も見られる。手前に、比較的新しいつくりの拝殿がある。
江文神社といえば「大原雑魚寝」が知られている。伝承では、村の大淵という池に大蛇がすみ、里に出ては人を襲ったので、里人が一カ所に隠れて難を逃れたのが雑魚寝のはじまりとのこと。かつて節分の夜、老若男女が拝殿に参籠通夜することになり、この夜はどんなことがあっても許されたそうである。もちろん、今はこの風習はない。
2.江文神社分岐~静原神社
いったん江文神社分岐にもどって江文峠・静原方面へと進む。すぐに害獣対策のゲートがあり、通過して掛け金を確認する。
林間の小道は一部に石ころが多い場所もあるが、よく整備されていて歩きやすい。
ゲートから15分ほどで車道と出合う。すぐ手前に何とか二人が座れる場所を見つけ、ここで昼食とする。
13時15分、道標30から舗装道歩きを開始する。途中に金比羅大権現があり、「大原の里十名山・金比羅山登山口」があった。
このあたりが江文峠だ。道標31手前で車道を渡り山道にはいると、今度は「大原の里十名山・瓢箪崩山登山口」がある。
クマは出そうにないのだが注意案内板が掲示されている。相棒はクマ鈴を着用し、見通しの良い林道を注意深く進む。
人里が近くなりほっとひと安心する相棒。だが、トンネルの手前にまたもや「熊出没注意」の掲示が・・・・。
再び車道と合流して静原の里に出た。道標33にしたがって車道を歩くことに。
お屋敷の庭の枝垂れ桜が美しい。静原消防分団はおもしろいものを設置している。
道標34から静原の家並みに向かう。薬王坂までかなり近づいた。
静原神社に着いた。御神木の杉の巨木が際だっている。鳥居も神殿も拝殿も、すべてが地味で落ち着いている感じだ。
3.薬王坂~二ノ瀬
14時5分に静原神社を後にする。10分ほどで道標38に出合いV字型に折れて畑中を進む。
すぐ山に差しかかり、薬王坂へのアプローチはクマ注意と急坂で始まる。
途中にロッジのような建家がいくつもあるが、人の気配はない。
赤松の大木があり、その根に巻かれるように花崗岩の板碑が立っている。碑には二体の阿弥陀如来が刻まれ、「阿弥陀二尊板碑」の表示板が見える。
そこからさらに8分、14時47分にやっと薬王坂の頂上に着いた。道標40のそばに薬王坂の名の由来を説明した案内板があった。
薬王坂からは下りが続く。道標41を通り越して先を急ぐ。
薬王坂から25分で標識42に到達。すぐそばに地蔵寺があり、庭のかわいい石地蔵に一礼して左折する。
鞍馬寺に着いた。ここから貴船にかけてのコースは素晴らしいのだが、トレイル・コースからは大きく外れてしまう。時間的な余裕もないので、山門まで上がってすぐに引き返す。
鞍馬のシンボルとも言える巨大な天狗の面だが、鼻の皮がはげかけていて痛々しい感じ。このお面は叡山電鉄鞍馬駅の駐車場に設置されている。
京都府山岳連名の京都一周トレイル・コースガイドによると、鞍馬から二ノ瀬までの移動は、車で混雑する鞍馬街道を避けて電車を利用するようにとある。これにしたがって、出町柳行きの電車で二駅先の二ノ瀬駅に移動する。
二ノ瀬駅は高台にある。ここで今回の終着道標46まで歩き、さらに次回のスタート道標47を確認して駅に登り返した。
これで次回の準備もOK。出町柳へと帰路につく。
今回のトレイルは、所定のコースをたどるという目的に加えて、腰痛の回復状態を確認することでもあった。
昼食を含め何度かの小休止をとりはしたが、18km近くを歩き通すことができた。そして嬉しいことに、腰痛はまったく感じることがなかった。ただ、薬王坂への急坂では少々息が上がり、むしろ体力低下の方が気になった。しかしこれも何とか乗り切ることができて、体力もだいぶ以前の状態に回復してきているように思えた。
京都駅まで戻って、3回目の時に立ち寄った中華料理店で嬉しい乾杯をする。