Ⅱ. OSのインストール

 Raspberry Pi FoundationからOSをダウンロードしてSDカードに書き込み、それをRaspberry Piにセットしてインストールするという手順で進めます。それに先立って、Windows PCでSDカードの初期化や焼き付け(書き込み)をするために必要なソフトを準備します。OSのインストールには2つのパターンがあり、それぞれについて解説しますが、ここでは、どちらもRaspberry Pi用のLinuxディストリビュータである「Raspbian」を選択してください。

1.SDカードのハンドリングソフトをダウンロードする

①SDカードフォーマッター

 SDカードの初期化用ソフトSDFormatterの最新バージョンを、SD Associationからダウンロードします。
     SD Association(https://www.sdcard.org/jp/downloads/)

 2016/03時点では、SDFormatter V4.0「SDFormatterv4.zip」が入手できました。画面から「SDカードフォーマッタWindows用」をクリックして適当な場所にダウンロードします。このファイルを解凍するとsetup.exeが現れるので、それを実行するとSDFormatter.exeがインストールされます。


②Image Writer for Windows

 ダウンロードしたOSをSDカードに焼きつけるためのソフトです。OSDNのサイトから最新のソフトをダウンロードします。
     OSDN(http://osdn.jp/projects/sfnet_win32diskimager/downloads/)

 2016/03時点では「Win32DiskImager-0.9.5-binary.zip」を入手することができました。それを選択して適当な場所にダウンロードします。このファイルを解凍すると、展開先のフォルダーに Win32DiskImager.exeが現れます。

2.OSのダウンロード

 OSはRaspberry Pi Foundationのサイトからダウンロードすることができます。
     Raspberry Pi Foundation(http://www.raspberrypi.org/downloads/)


  

 画面から明らかように、OSのインストールには2つの方法があります。ひとつはNOOBS(New Out of Box Software) をダウンロードして解凍し、これをSDカードにコピーして Raspberry Piを立ち上げる方法です。この方法では、立ち上げ時にインストールしたいOSの種別を選択することができます。もうひとつは目的とするRaspbianのイメージファイルをダウンロードしてSDカードに焼きつける方法です。
 ここではまずRaspbianのイメージファイルをインストールしています。NOOBSでもかまいませんが、その場合はRaspbianを選択してください。
 あらかじめRaspberry Piにキーボード、マウス、ディスプレイ、LANケーブルと電源ケーブルを接続し、電源ケーブルはコンセントに挿さない状態で待機してください。

●Raspberry Piの起動方法について
 Raspberry Piには起動スイッチがありません。USB電源を接続すれば起動します。以降の文中では「電源ケーブルをコンセントに挿す・抜く」などと記述していますが、これはボード側のUSB電源を抜き差しするよりもコンセント側でやったほうが、物理的に損傷しにくいためです。スイッチ付きのテーブルタップを使って電源をオン/オフさせるのがスマートです。

 (1)Raspbianイメージファイルをインストールする

 ①SDカードの初期化

  ・microSDカードをセットしたカードリーダー/ライターをWindows PCのUSBポートに挿入してください。
  ・SDFormatter.exeを起動します。
  ・[オプション設定]ボタンをクリックして初期化の条件を設定します。
  ・消去設定:クイックフォーマット、論理サイズ調整:ONに設定して[OK]をクリックします。
  ・[フォーマット]をクリックするとSDカードのフォーマット処理が始まり、数秒で終わります。

 ②Raspbianのダウンロード

  ・上のRaspberry Pi Foundationサイトのダウンロード画面で[RASPBIAN]を選択します。
  ・次の画面が表示されるのでRASPBIAN JESSIE(赤矢印)の[Download ZIP]を選択します。
  
  ・適当な場所に「2015-11-21-raspbian-jessie.zip」をダウンロードします。
  ・「2015-11-21-raspbian-jessie.zip」を解凍すると「2015-11-21-raspbian-jessie.img」が現れます。

 ③インストール用SDカードの作成

  ・Win32DiskImager.exeを起動して、「Device」にSDカードが選択されていることを確認します。
  ・「Image File」に 解凍した2015-11-21-raspbian-jessie.imgを指示して[Write]ボタンをクリック。
  ・特に問題がなければ確認画面で[Yes]を選択します。
  ・プログレスバーが伸びて焼き付けが進んで行きます。
   これで焼き付けが完了しました。USBを安全に外してMicroSDカードを取り出してください。

 ④OSのインストール

  ・Raspberry Piの電源ケーブルがコンセントに差し込まれてないことを確認してください。
  ・焼き付けが終わったSDカードをRaspberry Piにセットします。
  ・電源ケーブルをコンセントに挿すとシステムの起動が始まり、1分程度でGUI画面が表示されます。
  

※これでRaspbianのインストールが完了しました。まずはGUI画面右上のネットワークアイコン(赤矢印の部分)にマウスを移動してください。Raspberry Piのネットワークアドレスが表示されるのでメモしてください。


 ※NOOBSを試す必要がなければ、次の(2)は不要です。引き続き『Ⅲ.リモート環境の準備』に進んでください。

 (2)NOOBSをインストールする

 ①SDカードの初期化

  (1)の①と同様にしてMicroSDカードを初期化してください。

 ②NOOBSのダウンロードとインストール用SDカードの作成

  ・上のRaspberry Pi Foundationサイトのダウンロード画面で[NOOBS]を選択します。
  ・次の画面が表示されるのでNOOBS(赤矢印)の[Download ZIP]を選択します。
  
  ・適当な場所にダウンロードしたNOOBS_v1_5_0.zipを解凍します。
  ・解凍したすべての内容をMicroSDカードにコピーします(コピー&ペーストで)。

  
 ③OSのインストール

  ・Raspberry Piの電源が入ってないことを確認して、出来上がったSDカードをRaspberry Piにセットします。
  ・電源ケーブルをコンセントに挿すと、すぐにOS選択画面が表示されます。
   いろんなOSが表示されていますが、ここでは一番上のRaspbianを選択します。
  ・左上のアイコン[Install (i)]をクリックすると、SDカードの上書き確認メッセージが表示されます。
  ・[Yes]ボタンをクリックすると、プログレスバーが徐々に伸びてインストール作業が進行します。

 [OK]ボタンをクリックすると(1)の最後と同じGUI画面が表示されるので、同様にしてRaspberry Piのネットワークアドレスをメモしてください。