Ⅰ. LoRa通信の基礎知識 | ・LoRa通信とは ・LoRaとLoRaWAN ・LoRaモジュールの選定 ・LoRa通信ライブラリ ・実験準備(機材と配線) |
↓ | |
Ⅱ. LoRaの通信機能とライブラリ | ・LoRaモジュールの通信機能 ・LoRaモジュールの制御方法 ・LoRa通信ライブラリの使い方 ・簡単な送受信の実験 |
↓ | |
Ⅲ. シンプルな計測用端末の作成 | ・シンプルな計測用端末の仕様 ・計測端末の組立 ・計測用スケッチ ・ESP32のディープスリープとウェークアップ ・シンプル計測システムの開発とテスト |
↓ | |
Ⅳ. マルチタスクで双方向通信 | ・双方向通信の考え方 ・ESP32のマルチタスク処理 ・順次送受信方式の実験 ・ブロードキャスト方式の実験 |
↓ | |
Ⅴ. 省電力LoRa端末の開発 | ・ディープスリープとウェークアップの方法 ・省電力LoRa端末の構造 ・コードの解説 ・省電力LoRa端末の動作確認 |
↓ | |
Ⅵ. セントラル制御装置の開発 | ・セントラル制御装置の所要機能 ・主要機能の実装方法 ・コードの解説 ・システムの動作確認 |
↓ | |
Ⅶ. LoRa Gatewayの開発 | ・ネットワークとLoRaゲートウェイ ・データベースサーバーの準備 ・PDOによるデータベース操作 ・LoRa Gatewayのコード ・総合テスト ・今後の課題 |
『ESP32による近距離無線通信の実験』シリーズを始めた頃、免許を必要としない無線通信を使って、Wi-Fiでは電波が届かない長距離通信ができる「LoRa」に強い関心をもっていました。しかし、LoRaは利用できる周波数が各国の電波法で決められていて、国によって利用できる周波数や電波の強さが異なります。
北米(915MHz)やヨーロッパ(868MHz)向けには安価なLoRaモジュールボードがたくさんあったのですが、日本の920MHzに対応するものは種類が少なく、しかもかなり高価でした。ポケットマネーの都合から、送受信用2セットのLoRaモジュールを買って手軽に実験するわけにはいかず、諦めていました。
ところが昨年(2024年)末に、マルツオンラインから「LoRa通信モジュール評価ボード」の案内が届き、かなり安くなっていることを知りました(遅ればせながら)。そこで、専用アンテナ共々2セットを購入。しばらくご無沙汰していたESP32の開発環境を刷新して実験に着手です。
日本でも LoRaの活用事例が徐々に増えているようですが、今後さらに大きな成長が期待される分野です。簡単な装置を製作(あるいは購入)すれば、近距離のIoTのデータ伝送をほぼコストなしで運用でき、ネットワークの構成によっては広域でのデータ伝送も可能になります。今回の実験は、LoRaモジュールが2セット(最終的に3セット)という制約はありますが、将来の応用に役立つ実験を目指したいと思います。
<訂正> 2025/08/25
「Ⅰ. LoRa通信の基礎知識」のLoRa送受信機の配線図と「Ⅲ. シンプルな計測用端末の作成」の計測端末の配線図に
誤りがありました。変更箇所は下記のとおりで、お詫びして訂正いたします。
==> LoRaモジュールから ESP32側のUART2 TX(IO17)とUART2 RX(IO16)への接続が逆になっていました。