§  ESP32による近距離無線通信の実験⑥ LoRa通信

 『ESP32による近距離無線通信の実験』シリーズを始めた頃、免許を必要としない無線通信を使って、Wi-Fiでは電波が届かない長距離通信ができる「LoRa」に強い関心をもっていました。しかし、LoRaは利用できる周波数が各国の電波法で決められていて、国によって利用できる周波数や電波の強さが異なります。
 北米(915MHz)やヨーロッパ(868MHz)向けには安価なLoRaモジュールボードがたくさんあったのですが、日本の920MHzに対応するものは種類が少なく、しかもかなり高価でした。ポケットマネーの都合から、送受信用2セットのLoRaモジュールを買って手軽に実験するわけにはいかず、諦めていました。
 ところが昨年(2024年)末に、マルツオンラインから「LoRa通信モジュール評価ボード」の案内が届き、かなり安くなっていることを知りました(遅ればせながら)。そこで、専用アンテナ共々2セットを購入。しばらくご無沙汰していたESP32の開発環境を刷新して実験に着手です。

 日本でも LoRaの活用事例が徐々に増えているようですが、今後さらに大きな成長が期待される分野です。簡単な装置を製作(あるいは購入)すれば、近距離のIoTのデータ伝送をほぼコストなしで運用でき、ネットワークの構成によっては広域でのデータ伝送も可能になります。今回の実験は、LoRaモジュールが2セットという制約はありますが、将来の応用に役立つ実験を目指したいと思います。
 全体の流れを以下のように考えていますが、必要に応じて変更するかもしれません。現時点ではあらすじとしてご了承願います。

Ⅰ. LoRa通信の基礎知識  ・LoRa通信とは  ・LoRaとLoRaWAN ・LoRaモジュールの選定
 ・LoRa通信ライブラリ ・実験準備(機材と配線)
Ⅱ. LoRaの通信機能とライブラリ  ・LoRaモジュールの通信機能 ・LoRaモジュールの制御方法
 ・LoRa通信ライブラリの使い方 ・簡単な送受信の実験
Ⅲ. シンプルな計測用端末の作成  ・シンプルな計測用端末の仕様 ・計測端末の組立 ・計測用スケッチ
 ・ESP32のディープスリープとウェークアップ ・シンプル計測システムの開発とテスト
Ⅳ. マルチタスクで双方向通信  ・双方向通信の考え方 ・ESP32のマルチタスク処理 ・順次送受信方式の実験
 ・ブロードキャスト方式の実験
Ⅴ. 省エネ計測端末の実験  ・省エネ端末の構想 ・省エネ計測端末の作成 ・送受信テストと評価
Ⅵ. 省エネ端末と中央制御  ・セントラル制御装置の作成 ・省エネ応答計測端末の作成 ・ゲートウェイ作成の課題