1.JR法隆寺駅~法隆寺
法隆寺駅から国道を北に進む。
県道との交差点を左折して200mほど行くと「聖徳宗総本山 法隆寺」の石碑が立ち、松並木の参道に入る。
桜が開花し始めている。南大門をくぐって直進すると、正面に大きなテントが見える。国宝・重要文化財の中門が修理中である。
三経院・西室を見て西円堂へ上がる。社務所で松尾山への道を確認する。
今回は通りすがりなので三重塔は西円堂から眺めるだけ。右に修理中の中門、左には金堂が見えている。西円堂を下りて東へ向かうと東大門に着く。
東大門の向こうに見える夢殿にズームイン!
東大門を出てすぐに左折して(道標「三井観光自動車駐車場」の方へ)、塀の間の細道を直進する。
天満池の堤に突き当たるので右に進む。松尾寺と松尾山詣りの道についての解説板があり、松尾寺は養老2年(718年)、舎人親王が日本書紀編纂の時に「42歳」の厄年であったことから、厄除けの願いをかけて建立されたこと、御本尊は厄除観音であり日本最古の厄除霊場として知られていることが記されている。また松尾寺への表参道は「松尾山詣りの道」として親しまれ、松尾寺まで1丁から18丁までの丁石が建てられていると説明がある。
天満池の南端に十八丁の丁石があった。
天満上池の右手には斑鳩神社(天満宮)。池の淵に純白の花がビッシリ咲いている。樹皮は桜のようなので霞桜かな?
池向こうと道路の右手は法隆寺カントリークラブで、プレイヤーの姿がチラホラ。その北の外れに十一丁の丁石が立つ登山口がある。ここ数年の豪雨で山道が荒れているため、登山の際に小石を持参して道の窪みに投入して欲しいとの協力要請が掲示されている。
2.参道を松尾寺へ
歩きやすい道だ。10分足らずで八丁の丁石。
時々こんなデコボコ道も現れる。間もなく五丁の丁石。
赤い前掛けのお地蔵様。若葉が森の霞のようだ。
三丁石が見えるとすぐ、次の地蔵さんと「七曲道」の解説板が立つ。七曲道(ななまがりみち)は大和の国から、また難波・摂津の国から暮らしや信仰を求めて多くの人が通った歴史のある道と解説されている。難波・摂津へは平群町から十三峠を越えて通じ、地元では近世まで「大阪街道」とも呼ばれていたとのこと。昨年歩いた「十三峠を目指して:業平ロマンの道」を思い出すなぁ。休憩用の丸太椅子が設置されている。
「松尾寺」の道標が現れるとすぐに、白壁が美しい松尾山瞑想道場が見えてくる。
道が円弧を描くと「本堂迄一丁」の丁石。間もなく松尾寺南惣門に着く。
惣門からの階段を上がるとさらに階段があるが、ここからは上がれない。
境内を北の端まで下りて北惣門に着く。
「平成29年・創建1300年」「開運厄除け祈願」の紅白の幟が立つ「百八つの階段」を登る。境内のベンチでは大勢の参拝者・ハイカーがくつろいでいる。
鐘楼(やくよけの鐘)を眺め、本堂に参拝する。グループ登山の一団に混じってベンチに腰を下ろし、ここで昼食をとる。
一段高所に建つ三重塔。寺伝では承和2年(835年)の創建とか。本堂背後の大岩にはいく体もの石仏が立つ。
大黒天と刻まれた門柱の奥には七福神堂があり参拝する。
三重塔まで上がって右に回り込むと急な石段が続く。
石段を登り詰めると一角に視界が開けるが、ガスに煙ってどこかは定かでない。
松尾山神社に着いた。松尾大明神を本社として、清滝権現・牛頭天皇を脇社とする三社が斎祀されている。
登って来た道とは別の道を下りると、舎人親王の毛骨を納祀したものと伝わる十三重塔があった。登り道との合流点まで下りて松尾山へ通じる道へ入る。
3.松尾山~国見台
相棒には話してなかったのだが、ここから縦走路を外れて松尾山山頂に向かうことにしていた。少しばかりキツい坂をゆっくり登る。足元が悪いところもあり、誰かがブツブツ言っているような気が・・・。
このとおり、道は間違っていないし、山中らしい細道になってきたゾ。
周囲は見渡せないが、これぞ尾根道。「近畿自然歩道」の道標が立っている。が、「松尾山 <---> 松尾寺」の道標部分が脱落している。
山頂への最後の坂が急だ。重心を思いっきり前にかけないとずり落ちそうな坂を登る。ようやく到着した山頂はNHKの放送施設が占拠していて、何もない。雑木が茂り何も見えない。
放送施設のフェンスの周りをたどって三角点を見つける。手書きの山頂標識もある。相棒共々三角点にタッチして、すぐ下りにかかる。
下り坂が急で手間取る相棒。「どうしてこんな所へ来たん?」、聞こえぬふりして下りて行く。再び近畿自然歩道の道標に出合って「矢田寺」の方向へ進む。
細道を歩き、ややあって縦走路に合流する。この辺りから北にかけての一帯は「矢田山遊びの森」で、各所に立派なマップが設置されている。
国見台の付近には「遊びの森」のプレートが立つ。ひときわ目に付く「矢田丘陵とMTB(マウンテンバイク)の共生」の看板。「MTB Field Code ~楽しく安全に乗ろう、マウンテンバイク・ルール~」と題して、8つのルールが書かれている。
国見台に到着した。名のとおりここからの眺望は素晴らしいのだが、ガスが出ていてどこがどこやら判らない。左は若草山から中央には天理市街、その右に桜井市街、そして右には大和三山が見えているはずなのだが・・・。
その先のベンチでは女性6人組がくつろいでいる。小休止して「こどもの森・榁木・乙田」方面へと出発だ。
4.矢田峠~頂上展望台~榁ノ木峠
すぐ先にまたベンチがあるが素通りする。ところどころに、しゃれた「矢田山遊びの森」のエンブレムが配置されている。
こんどは別バージョンの「遊びの森」のプレート。マップ上の現在地は南僧坊谷池の200mほど手前だ。
木立の道を歩いて南僧坊谷池を通過する。
ひときわ幅が広くなった道をマウンテンバイクがやって来た。「コンニチワー」と明るい声が響く。
マップ付きの高級感溢れる道標が出現。そこを下りたところが矢田峠である。
矢田峠は十字路になっていて「こどもの森」の方へと進む。「生駒市乙田 <---> 矢田寺」の分岐が現れるがここは直進する。
桧に「倒木・落枝に注意!!」の貼り紙。ナラ枯れ被害による倒木や落枝の危険性があるので、枯れ木の近くを通る時は注意するようにとのこと。隣接して「カエンダケに注意!」、オレンジ色の猛毒キノコは触るだけで皮膚がただれることがあるそうだ。
マウンテンバイクの4人組が通り過ぎる。ギヤをローにしてクルクル漕いで上って行く姿が面白い。そして、ついに最高地点の頂上展望台に到着した。
すぐ先にある「まほろば展望休憩所」へ足を運ぶ。ここも最高のビューポイントだがほとんど視界が利かず引き返す。
小高い山をトラバース気味に進んで小笹ノ辻に着く。東屋があるが、ここは休憩せずに前進。
榁木峠・南生駒駅方面への下山を始める。こんな細道でマウンテンバイクと出合ってビックリする。すぐに停車して道をゆずってくれた。
周辺にはスミレの群生。荒々しい様子の森だが道はしっかりしている。急坂で滑らないように注意して下り進む。今年初めてのウグイスの声、三度に一度は「ホ~ホケキョ」と上手に鳴いている。
舗装道路が見えてきた。榁ノ木峠に下り立って道標の「南生駒駅」へと下りて行く。
5.第二阪奈道に沿って近鉄生駒線一分駅へ
時々車がやって来る急坂の舗装道路を下りる。住宅地になって歩道のある道路にホッとする。
ところが、南生駒駅に向かう道路が判らない。第二阪奈道の高架をくぐることになってしまうが、手持ちのマップには第二阪奈道から北が載ってないのでわけが分からない。近くのガソリンスタンドで尋ねて、阪奈道に沿って西へ向かう。
その途中で、小学校低学年の娘さんと三匹の子犬を連れて散歩している男性に出会う。状況を説明して道を確認すると、ここからは一分駅の方が近いとのこと。散歩中だからと、わざわざ遠回りをして案内してくださった。一分駅への道はかなりややこしくて、それを気遣って同行してくれたのだ。お礼を述べると、「どうぞ、また奈良へお出でください」のひと言、おかげ様で素晴らしい旅になりました。