1.バスで登山口へ
2月は野菜づくりホームページの準備やワンボードコンピュータいじりで過ぎ行き、気がつけば3月。久しぶりの山歩きである。昼前に高梁駅備北バスセンターに着いて、東村行きバスに乗車する。
バスは国道484号に入ると急勾配の愛宕ループ橋を勢いよく上り、蛇行する急坂を走って10分ほどで山の上口バス停に着いた。道路を渡って登山口に向かう。
2.翠渓橋~山之上集落~熊野神社
484号線から山に向かう道は翠渓橋(すいけいばし)で始まり、ここから舗装道路をひたすら歩くことになる。勾配は緩いがどこまでも蛇行していて、汗がジワリと噴き出してくる。
今回最初に出合ったのは農家。手前の建家はずいぶん複雑な造りになっているが、何だろうか。どちらも今は使われていないようだ。
山の斜面に沿って山之上の集落が広がっている。少し行くと左側に山手に上がる道がある。
山側の遠方にアンテナが林立している。あのあたりが山頂だろう。ここは左折せず直進すると分岐に差し掛かった。
道標が立っているが肝心の標識部分が取り外されている。手元の地図から熊野神社への分岐であることを確認し、熊野神社に立ち寄るべく右側の道を進む。
しばらく進むと道が緩やかに左へとカーブして、西方向に雄大な眺めが広がる。左側の大きな農家の傍を歩いていたら、坂の上から女性の声で「どこへ行っとるん?」。熊野神社へ参拝して鶏足山へ登ることを伝えると、「熊野神社から民家の方へ回り込むと上の道に出られる。わからなかったらここまで戻って、我が家の脇道を上っても同じ道に出る」と教えていただいた。この部分は地図では読み取れなかったので助かった。
熊野神社はそこからすぐ先にあった。わずかに小高い場所に石鳥居が建ち、周囲にはヤブツバキが沢山花をつけている。
きれいに手入れされた広い境内に素朴な感じの社が建ち、何とも好い雰囲気だ。
小さな社では、賽銭箱のそばに藁縄のヘビらしきものが祀られていた。注連縄は二匹のヘビを模したものとも聞くので、そんなことも関係しているのかも知れない。
3.鶏足山山頂へ
熊野神社からは、教えてもらった民家の方向に進む。平行に伸びる左の方を行くと、家の前を横切って回り込み、ガードレールの付いた上の道にたどり着ける。知らずに歩くと手間取りそうな地形である。
これで熊野神社への分岐点で左に延びていた道路と合流したわけだ。このあたりは見晴らしが良い。
電波塔があり、その先で道が分岐している。ここにも道標はあるが標識部が取り外されている。これは左へ進む。
三差路に着いた。またもや道標の標識部分が撤去されている。
北に進むとすぐ左に道路が延び、何やら四差路のようになっている感じだ。直進するとノッポの電波塔が建ち、山之上配水池が設置されていた。どうも山頂とは思えないのでさらに北へ踏み込んだら、右の小高い位置に大きな電波塔が見えている。
そのまま右方向に登ることはできないので、元の三差路まで引き返して東に踏み込むと、すぐに舗装道は終わって山道になる。
曲がりくねった道を進むと中国電力の通信設備があり、その先には旧建設省無線中継所、KDDI無線局、岡山県無線中継局、高梁市無線中継局等々の電波塔が林立している。
眺望はまったくきかず、電波塔に挟まれた中で手早く昼食をかき込む。御影石に刻まれた「高梁観光百選 鶏足山」の石柱が不似合いだ。三角点だけでも確認しようとしたが、雑草を掻き分けるのもめんどうになり、それより早く下山して、できれば一便だけのバスに間に合わせたいとの思いで三角点は諦める。電波塔の近くに可愛いフキノトウを見つけてカメラに収める。
4.そして駆け足下山
梅の咲く風景も山並みも横目に眺めて、下山はバス時刻との競争。ウォーキング専科なので駆けっこは不得手だが、半分ジョギング混じりで時間を稼ぐ。かくして山頂から40分少々でバス停に着くと、ほぼ同時にバスがやって来た。
ループ橋を通過中のバスから見る高梁中心部、これを歩かずに済んでよかったよ(以前の臥牛山では閉口した)。そして備中高梁駅に早めの帰着。
プラットフォームから見上げる愛宕山。ここから縦走していれば、印象がかなり変わっていたのかも・・・・。それにしても、標識が外された道標のナゾは残るのだが・・・・。