名 称

なぎさん(なぎせん、なぎのせん)

所在地

岡山県勝田郡奈義町・鳥取県八頭郡智頭町

標 高

1,255m

山行日

2023年5月24日

天 候

晴れ

同行者

「大山、立山の会」の仲間たち

アクセス

車で第3駐車場へ

マップ

  

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

登山口 9:33B・Cコース分岐 9:36名木ノ城跡分岐 9:54大神岩 10:46~10:52図根点 11:04
三角点峰 11:36~11:39避難小屋(昼食)11:49~12:21那岐山山頂 12:26~12:43
A・Bコース分岐 13:02黒滝分岐 14:16木の橋 15:44B・Cコース分岐 15:50登山口帰着 15:53
※A・Bコース分岐以降の下山コースの時間は、トラブル発生による遅延のため参考になりません。

1.登山口から大神岩へ

 平日にもかかわらず第3駐車場はほぼ満車。その先の「那岐山麓周遊マップ」の前でコース説明があり、上りは大神岩を踏むCコース、下りは黒滝分岐を通過するBコースを歩くことになった。まずはゆっくりと歩き始める。

 5分ほどで菩提寺・鉢巻城跡分岐がある登山口を通過する。

 登山口からゴロ石の道を3分、B/Cコース分岐に到着して左へ進む。

 石ころの路面に慣れてきたころ、行く手をピンクに染めるのはタニウツギ(谷空木)。

 登山口から20分で名木ノ城跡分岐に着いた。丸太の階段に腰を下ろして水分を補給する。

 ここから山頂までは2.5km。歩きやすい傾斜を登ると、先ほどからチラチラ姿を見せていた白い花が待っていた。これはコガクウツギ(小額空木)で、白い花弁はガクであり中心部の薄黄色部分が花だ。

 大木の根元の、こびとが住んでいそうな小さな洞穴の前を通り過ぎる。「いまカッコウが鳴いたでしょう?」とHさん。注意を集中するが聴力低下気味の耳には聞こえない。他にも会話しているような鳴き声が聞こえるのだが、姿は見えず種類もわからない。ビデオで鳴き声だけでもと収録してみたのだが・・・。

 その先に水場があったが、水はほんの滴るほど。ふたたびHさんが「蛙が鳴いたでしょう?」 ふ~む、そうかも。ヒノキの根っ子が張った急な傾斜を登る。この一帯は「檜皮の森(ひわだのもり)」と呼ばれていたはずだが、確認できない(確認し損なった?)。

 麓ではすでに終わった藤の花が今を盛りに咲いている。藤の花といえばウィンウィン関係のクマバチがいないのは不思議な感じがする。「これは何?」とHさんが指さす先にギンリョウソウ(銀竜草)。よくぞ見つけてくださいました!

 急坂を登り切って大神岩に到着。海抜1,000mだ! 前回は大岩によじ登って奈義町の集落を眺めたのだが、今回は遠慮した。

「神仏ポイント1」の案内板が立っているので、何かわからないままカメラに収める。案内板には「不動明王」と「大日如来」を刻んだ岩の位置が載っていたのだが、そのまま通過してしまって残念。

2.三角点峰から那岐山山頂へ

 大神岩では5分ほど休憩して行動再開。ここから三角点峰を目指して標高差240mを直登する。アセビの新葉が輝いている。

 急坂が続く。新緑のハウチワカエデを透して頭上に注ぐ光からパワーをもらう。

 山頂まで1.1kmに迫る。境界測量の基準となる図根点(国土地理院の管理)が設置されている。

 図根点から少し下って登り返すと「神仏ポイント2」があった。これには須佐之男命(スサノオノミコト)が刻まれた岩の位置が記されていたのだが、解説板を撮影しただけで通り過ぎる。

 急坂の最後の登りをこなしていく。ピークが間近になった。

 滝山・那岐山分岐に到達だ。それにしても八合目はいつ通過したのだろう。八合目標識に気づかず通過してしまった。それに、8年前に八合目手前に植えられていたササユリの状態も確認できなかった。また、この時期はサラサドウダンや紅ドウダンの開花時期なのだが、それもまったく見えない。ここまで無事にたどり着いたが、何かおかしい。近くに滝山から広戸仙への美しい稜線が延びている。

 休憩舎が壊れている! 外壁も屋根もなくなり便器がむき出しの状態だ。後でわかったのだが、台風で倒壊して撤去作業中とのこと。すぐ先に設置されている1,240.3mの三角点にタッチする。

 山頂までは300m。その前に、昼食場所の避難小屋を目指す。

 少し下って登り返す途中に「神仏ポイント3」がある。本来ならこれを頼りに、「那岐神」や「伊邪那岐命(イザナギノミコト)」「天照大御神」「伊邪那美命(イザナミノミコト)」が刻まれた岩を探索して楽しむところをバイパスしてしまう。ここまで神仏ポイントの掲示版を撮影しただけで、岩に刻まれた文字にはまったお目にかかっていない。

 避難小屋でランチタイム。いつもより少し増量の愛妻弁当を口に運ぶ。皆さんから菓子や果物をいただき、毎々ご馳走になります! 温度計はちょうど10℃を示している。

 30分ほどで昼食を切り上げて山頂へ向かう。

 山頂の手前にトレイルラン大会「那岐ピークスタフトレイル・チャレンジ」の予告が掲示されている。山頂では先客数人がくつろいでいるようだ。

 山頂標石で北風を遮りコーヒーの準備が進む。南には瀬戸内海と小豆島がくっきり見え、遠く四国の山々が霞んでいる。

 北方面の山並。遠くに日本海まで見えている。

 南は奈義町から勝央町・美作市方面を見渡せる。

 眼下をズームで寄ってみる。池と水を張った水田と太陽光パネルが渾然一体になっているのが面白い。写真左は奈義小中学校から奈義町現代美術館・中央広場。右は総合運動公園・東工業団地・多目的グラウンドなど(クリックで拡大)。

 12時半を過ぎてそろそろ下山することに。右は現在の山頂標石に隣接した古い山頂標石で、「海抜1240メートル」と刻まれている。

3.尾根を歩きBコースを下山

 1,201mピークに向かって出発する。起伏が少ない尾根道なので散策気分だ。

 後方から賑やかな鈴の音が迫ってきて道を空ける。トレイルランの若者が挨拶して走り抜けて行った。数分後に、下山道を駆け下りている姿が見えてその速さに驚く。

 山頂から20分足らずでA/Bコース分岐点に到着した。右折してBコースへ入る。

 下りは急坂が多くて注意深く降りる。小さな渓流があり下山最初の渡渉をする。その間に仲間の一人がコンディション不調になり、ペースダウンして「登山口まで2.6km」の道標を通過する。

 カッコウの声が聞こえる道を行く。繰り返し鳴いていて山鳩の鳴き声も混じるが、どちらも音量が小さくてビデオの収録はできない。まだ新しい木製の階段を下りる。

 黒滝分岐に着くが滝見物はパス。山道の右側に渓流が現れた。登山口まで1.5kmまで下り進んだが、すぐ先に急坂と渡渉場所があり気を抜けない。コンディション不調の仲間は水分補給や筋肉の痙攣への対処などをしているが、膝のコントロールを失って後方へ倒れるのが心配だ。

 何度かの渡渉をこなして林間の平坦な道になる。時折右手の視界が開けるのだが眺望する余裕はない。コンディション不調の仲間が谷側に滑落するのを恐れて、Hさんが腕を組んで歩行をサポートする。自分は、ザック後ろのベルトをつかんで万一の転倒をガードするのが精一杯だ。

 渓流の音がいっそう明瞭になり「名木ノ城跡」の分岐まで下り進んだ。道標には「蛇淵の滝 0.8km」、もう少しの辛抱だ。

 名木ノ城跡分岐を過ぎたあたりで、福山から訪れている若いカップルに出会う。我々の状況を知って助っ人になってくれることに。山歩きに慣れた男性は、右腕でガッシリと体を抱えて下りて行く。やがて木橋が見えてきた。

 無事にB/Cコース分岐へ帰着して、先に下山して車を準備していたKさんにバトンタッチ。福山の二人のハイカーには大変お世話になりました。山での出会いの素晴らしさと支援に感動、感謝です。

 かくして登山口へたどり着く。無事帰着できてこそ登山行程の完結だ。この後、山麓の山の駅に立ち寄って小休止する。みんな元気で、お疲れ様!!