名 称

おくのほそみちあるぷす(つつじのこみち~だんがめやま~だいゆうざん)

所在地

岡山県瀬戸内市

標 高

ダンガメ山(無常山、荒神山)185m、 大雄山 175m

山行日

2021年4月6日

天 候

曇り時々晴れ

同行者

相棒と

アクセス

JR赤穂線・邑久駅(おくえき)下車

マップ

    

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

登山口 10:10砥石山城跡 10:23~10:34笠松明現宮 10:48~10:5110:53 躑躅の小径に到着
松山 11:17ベンチのある広場 11:23~11:33長谷山 11:44ダンガメ山(昼食)11:57~12:30
眼鏡池 13:00雄久峠 13:25車道出合 13:44大賀島寺(おおがしまじ)14:05~14:20
大権現堂 14:23~14:26大雄山山頂展望所 14:37~14:53大賀島寺前(七曲り)下山開始 15:00
豊原街区へ到着 15:34畠山製菓「おかき処」15:41

1.砥石山城跡から笠松神社へ

 3年ぶりの登山口にカメラを向けていると、後ろからご夫婦らしい二人がやって来る。先に登っていただき、軽い準備運動をすませてスタートする。

 途中で先の二人を追い越して「お先に!」。早くもツツジが現れて期待が膨らむ。10分少々の急坂を登ると砥石山城跡の広い空間。曇り空だが気温が低くて、里山歩きにはもってこいの天候だ。

 北には邑久町の中心部と街並みが一望できる。遠くに見えるのは熊山の山系。やや西には西大寺方面、備前富士と称される芥子山(けしごやま)の姿がいい。

 まずは三角点を確認。今回も美しい八重桜が咲いている。

 南端に立つ「砥石城跡」の標識。東の大雄山の山頂と思われるあたりに、ハンググライダーのランチャーらしきものが見えるのに気づいた。

 南へ下りて行くと今年もシデザクラ(ザイフリボク)がきれいだ。

 ここから先はほとんど高低差がない。「笠松明現宮」への道標を右に見て進む。

 参道の両側を彩るコバノミツバツツジ。柔らかい若葉の上にアズキナシ(小豆梨)の花。

 笠松明現宮の鳥居と山門が見えてきた。

 拝殿で参拝をすませて左後方の祠へ移動する。左側の祠の脇からツツジの道へと踏み込んで行く。

2.躑躅の小径を歩く

 雰囲気が変わって、あたりの空気が動きを止めているようだ。

 懐かしい絵看板が躑躅の小径の始まりを告げている。看板は「躑躅の小道」となっているが、ガイドマップにしたがってここでは「躑躅の小径」としている。すぐ先に「いろは坂」の道標があり、ここで道が分岐しているが先の方でまた合流する。右側(山側)を進む。

 小径を取り巻く満開のコバノミツバツツジ。最高に良いタイミングだったようだ。相棒も大満足の様子。

 蕾がチラホラ、まだ蕾だけのものもあるのでもうしばらくは楽しめそうである。

 こんなに美しい光景の中でひとつの花と視線が合う。何と、花弁1枚ほどの長さの透明な虫が居座っている。

 ツツジのトンネルをぐぐって進む。

 「ヒミツの広場」の絵看板。その先に10個足らずの白い花をつけたのがある。前回出会ったシロバナコバノミツバツツジだと思うのだが、踏みつけられないように願うばかりだ。

 「チョコッとお茶しよう」の絵看板。ここからの芥子山はいかにも富士らしい。

 その先で躑躅の小径は終わる。

 しばらく座っていたいような丸太のベンチ。振り返ると相棒が花の中に居る。

3.ダンガメ山へ

 風景が一変して登山道らしくなる。砥石城、長谷山、あすなろ坂・キャンプ場への道標が立つ。スロープの角度が増した先の高台が長谷山で、女性数名の話し声が聞こえてくる。女性6人と男性リーダーのグループで、挨拶を交わして「お先に!」。

 木の根の道を過ぎて撮影をしていると、先のグループが「お先に!」と追い越していく。

 道と広場に、丸太を組んだベンチがいくつも並んでいる。先のグループはここで休憩を始める。自分たちもベンチの広場で小休止をとる。

 「みどり」「峰古道」と書かれた古い絵看板が掛かっている。

 登山者向けの地図ソフト「カシミール」でシミュレーションした山名方位写真と、実写したものが設置されている。風景がやや霞んでいることもあり、駒の尾山~後山~日名倉山、広戸仙~滝山~那岐山のどちらも確認は難しかった。

 歩きやすい道になり長谷山を通過する。

 「足休目」の絵看板。すぐ先に「ダンガメ山」の道標がある。

 ところでこの葉っぱ、そもそも「小葉の三葉躑躅」は、このように枝先に葉が三枚輪状についているのが特徴。そして他のミツバツツジより葉が小さいのでこのように呼ばれるわけだ。

 最後の登り斜面、振り返ると相棒は元気にやって来る。

 ダンガメ山山頂に到着する。まずは三角点にタッチ。

 前回に観たヤマザクラが今回も咲いている。頭上一面に白い桜がまだたくさん残っているのだが、樹種は分からない。

 山頂広場には丸太のベンチがいくつもあり、ここで昼食をとる。賑やかになったと思ったら、女性5人のグループが通過する。先頭の人は手にスマートフォン、GPSを使っているのかな。皆さんマスクをしている。一行はいったん東へ移動したが、また戻ってきて北へ下りていった。さらに別の女性4人のグループがやって来て、東へ下りていった。どちらもダンガメ山山頂を通過点のようにスルリと通り抜けて行ってしまった。

 山頂からは児島湾を隔てて怒塚山~金甲山~貝殻山を望むことができる。昼食が一段落してこれからの行動を検討する。相棒は登山口からの急坂を下りるのが嫌なので、まだ余力があるから別のルートはないかと言う。ふ~む、あるんです。で、眼鏡池まで下りて大雄山を目指すことにする。

4.眼鏡池・雄久峠を経て大雄山へ

 緩やかな山道を下りて行くと、眼鏡池を中心に高尾山、ダンガメ山、長谷越、キャンプ場、大賀島寺方面への経路図が木に結わえられている。

 ツツジがきれいな急坂を下ると、岩が散在する広場に出た。

 その先からは急坂の連続で、赤テープを追いながらの前進。女性4人グループもここを通過したらしく、新しい踏み跡が残っている。

 ゆっくり慎重に足を運んで、沢をまたぐ丸太橋まで下りてきた。橋を渡ると分岐道標があり眼鏡橋へと進む。

 ダンガメ山から30分ほどで眼鏡橋に到着する。橋を渡ると高雄山から宿毛地区方面へ通じている。

 眼鏡橋のたもとを左折して、大雄山方面へと沢沿いの細い道を進む。

 途中に砂防ダムがある。一面にシダが繁茂してゼンマイのような新芽が伸びている。

 雄久峠に来た。西側には雄久山(おくやま)が聳えているはずだ。ここは雄久山、眼鏡池、大雄山、坪相峠(つばいとうげ)への結節点である。

 ここから20分ほど歩きやすい山道が続く。ウグイスの声を聞きながら、のんびりと散歩のペースで進む。

 舗装道に下り立った。「宝蔵岩」の絵看板の下に「ハイキングマップはおかきの畠山製菓に置かせていただいております。無料です」とある。

 左折して進むとキャンプ場へ下りる分岐があり、それを見ながら直進する。

 リキュウバイ(利休梅)のようなのがあり、その先にピンクと白のオドリコソウ(踊り子草)が群生している。まるで阿波踊りの連のようだ。

 大雄山への古い道標にしたがって進むと集落に入り、分岐を砥石城跡・大雄山方面へと左折する。

 大雄山の道標の先には大賀島寺(おおがしまじ)の山門が建つ。

 山門脇には白い桜が満開だ。後で調べたら「コバナヤエオオシマ(小花八重大島)」のようだ。長い階段を鐘楼門と思われる方へと登る。

 戦国大名の宇喜多氏の菩提寺で市の重要文化財に指定されている本堂に参拝する。大賀島寺は天台宗の寺院で、本尊は千手千眼観世音菩薩である。続いて権現堂に参拝して大雄山山頂方面へ移動する。

 権現堂前には梅香塚(ばいかづか)と呼ばれる芭蕉の名句を刻んだ句碑がある。
      梅が香に のっと日の出る 山路哉

 「宇喜多一門供養之塔」を見てさらに北へ進む。

 大雄山の山頂だ。広場の北に展望所がある。

 南東には小豆島、東には牛窓の太陽光発電所が望まれる。

 北には邑久町中心部から東西に広がる大パノラマ、背後には熊山山系が東の観音寺山へと延びている。

 展望台左下に見えるハンググライダーのランチャー。一機のハンググライダーが悠々と空を散歩している。

 下山ルートは北の猫の鼻登山道にしようかと思ったが、相棒は急坂を下りたくないと言う。そこで、地図上ではクネクネと曲がりくねっている新道七曲りを下りることにした。山頂付近に咲いているヒトツバタゴ、別名ナンジャモンジャノキの花を眺めて、大雄山の道標まで戻る。

5.新道七曲りを下山する

 下り始めるとすぐ砥石城跡への分岐がある。これを見ながら直進して、分岐を右折すると左への大きなカーブになる。ここが七曲りの最初のポイントのようだ。

 単調な舗装道路だが山側の岩の形が面白い。人面のようなのや動物の頭と見えるのやらで飽きない。

 ヘアピンカーブに差しかかると丸太のような椅子が二つ並んでいる。近づくと本物の丸太そのものだった。「六曲り・眺望」の案内板がある。

 あちこちでアオダモの白い花が咲いている。ねじ曲がっているヘアピンカーブを地図と照合する。

 五曲りの標識には「後少し頑張れ!」とある。と言うことは、この舗装道を登っている人へのメッセージか?しかし、この道を歩いて登る人っているのだろうか? このあたりにもアズキナシが花をつけている。

 三曲りの標識には「ここでひと休み」とあり、丸太の椅子がふたつ。

 ついに一曲りの標識だ。「七曲終点 1.6k、展望台 2.1k」とある。そして豊原街区へ無事帰着した。

 スタートの登山口はチラリと一瞥するだけ。そしてマスクを着用。いそいそと向かうのは畠山製菓の売店「おかき処・吉備の舎」。携帯トートバッグがどこまで膨らむことやら・・・。