1.熊山駅から登山口へ
熊山駅から左手に進んで、右側の堤防の階段を上がって熊山橋を渡る。仲間のひとりがスマホを眺めて「あれが外国山ですね」と指さす。ナビ・アプリが明瞭なマップを表示している。が、それだけではない。橋の上からその方向にスマホをかざすと、液晶ディスプレイに映った山々に山名が表示されている。これにはビックリだ。いつも山名同定には苦労しているので、ドラえもんの世界にでも連れ込まれたようなビックリである。
猛暑日の晴天なら登山口までタクシー利用を提案しようと思っていたのだが、今日に限って最高気温が30℃を下回る予報で涼しくさえ感じる。吉井川の堤防を行くと、正面に送電鉄塔を戴いた外国山がそびえている。土手下の畑の栗が大きな実をつけている。
川をまたぐ送電線の少し手前を左へ下りて県道96号に出るが、通行車両が多く段差が無い歩道なので危険。あぜ道や農道を歩いて「本信号交差点」を渡ったが、この近くまで堤防を歩いた方が良かったようだ。
ここから県道417号を北に進む。左側に見えてくる消防器庫と赤い火の見櫓が目印で、左手の道を行く。
少し行くと電柱に道標がある。それに従って左折し突き当たりまで進む。
2.展望岩~外国山山頂
突き当たりには駐車スペースがあり数台は止められそうだ。その右手前が芝下(こうげ)登山口である。イノシシ・シカ対策の防御フェンスが設置されているので、ゲートを開閉して入山する。時刻は9時53分だ。
フェンスに沿って少し進むと急に傾斜がきつくなる。送電線路保守ルートでよく見られるプラ階段を登る。
急坂が続いて息が上がる。おいおい、運動不足がじわ~と効いて来たゾ。最初の目標地点のNo.223鉄塔は、まだあんなに遠い。
登山口から約30分、大きな露岩の直下で小休止する。鉄塔まではもう少しだが、眼下には登ってきた高さを実感できる風景が広がる。吉井川の流れが美しい。ここで冷たいピオーネの差し入れがあり、美味しく頂いて元気が出る。いつもありがとうございます。
No.223鉄塔に到着した。鉄塔真下からのシンメトリックな1枚を狙うが、足元が定まらず変形に! 南西方向の吉井川の流れの向こうには、渡ってきた熊山橋が見えている。
真南には熊山の雄姿。吉井川の向こう側にも紅白の鉄塔が建っている。その先に続く送電線路は山に描かれた模様のようだ。中央に山頂の電波塔らしきものが見える。
すぐ上の展望岩を滑らないように登る。右上の膨らみが進行方向に張り出していて、先に登った仲間が立っているのだが「のぞき込むと気持が悪うなりそう」とひと言。両側が切り立っている状態を撮りたいのだが、そこまで移動する勇気が出ない。
ナイフリッジの手前から見る神ノ上山、そして外国山山頂の向こうに建つNo.224鉄塔。
東には明神山と裾野に和気町立石生(いわぶ)小学校、和気総合グラウンドなどが見える。明神山の左向こうには和気富士も見えている。
写真左は切り立った岩壁の一部。その手前に、右を巻いて進む迂回路がある。
迂回路を行くと岩場が切り落ちた部分に橋が架かっている。そろりと渡って展望岩の反対側に出る。
振り返っての1枚だが、撮影角度が上向いたのとノッポの鉄塔が写り込んだことで、まったくリアリティがない。あの岩塊を乗り越えるには技術と度胸が要りそうだ。シダの繁る道を前進する。
5分ほどで山頂に到着する。山頂と言っても眺望はなく手書きの山名プレートが掛かるだけ。四等三角点にタッチする。
3.西山集落から大回りして熊山駅へ
山頂からわずかに下って登り直すとNo.224鉄塔に到着。時刻は11時を回ったばかりだが、見晴らしが良いので昼食にする。
ここから和気アルプスを一望でき、近くに観音山の和文字焼きの「和」が見える。
食後はいったん鞍部に下りて登り返すと、途中に「東円光寺 春日神社」への道標があった。外国山の西側の赤磐市東円光寺地区・春日神社に出られるようだ。
No.224とNo.225との送電鉄塔標識が立っていた。次に出合った送電鉄塔がNo.225であることがなかなか飲み込めず(てっきり紅白鉄塔だろうと思っていたので)、仲間が鉄塔番号を見つけたことで納得する。
ところが、そこから先の道が判らない。No.226への送電鉄塔標識があったので、そちらへ向いて急な傾斜を下って行く。スリップしたり足がつりそうになったりで、かなり体力を消耗しての下山になった。
水は無いが沢らしき所に出て、これが谷川出合に違いないと感じる。やがて小さな橋が現れた。
平坦な道になった。あちこちに、淡い紅紫の蕾からニョキッと白い花を咲かせているのはクサギである。雄しべが長いヒゲのように伸びている。葉をもむと嫌な匂いがすることからクサギ(臭木)と呼ばれるとか。花は綺麗なんだがなぁ。
西山側の害獣防御フェンスに着いた。ゲートを開閉して舗装道路に出る。地図を持参しているにもかかわらず、今回一番心残りになったミステイクのポイントがここだ。次の電柱の辺りを右折して南進すべきなのに、アテンションをあげることができなかった。結果的に県道417号まで直進してしまった。
かなり大回りして417号を歩くことになり、それでも13時20分頃に赤い火の見櫓へもどってこられたのは健脚揃いの証、よかったよかった。
「本信号交差点」付近のコンビニで冷菓を求めて一息つく。畑中の道を吉井川堤防まで出て、河原の風景を眺めながらの帰路。土曜日とあって、河川敷のショートコース「吉井川ふれあいパーク」でゴルフを楽しむ人たちも多い。熊山橋の真ん中に差し掛かると川を吹き抜ける涼風に足が止まる。外国山の姿を振り返って熊山駅へ。