1.八幡宮西尾根を登る
グリーンシャワーの森駐車場に集合して支度をととのえる。簡単な会の紹介とコース説明があり、各自で適当に準備運動をして出発する。好天の青空の下に樹木のシルエットが美しい。登山口に向けてゆっくりと歩き始める。
扁額に「八幡宮」とある石鳥居。龍ノ口八幡宮への参道入口であり、八幡宮西尾根コースの登山口である。一礼して鳥居をくぐり快調にスタートする。
5分ばかり進むと、行く手に第2ピークと八幡宮のピークが現れる。次第に傾斜がきつくなってくる。
岩尾根になってきた。倉敷「山の会」の皆さんが先頭を行く。とても良いリズムを刻んでくれて歩きやすい。
2つの祠と「岡山朝日講社」と刻まれた石柱があり、すぐ上には石の祠といくつもの石碑が建つ一角がある。
かなり急な岩場もあるが、適当に凹凸があるのでスリップの心配は比較的少ない。しかし、合格祈願の参拝者が多いと聞くので、「すべり落ちたり」「ころげ落ちたり」してもおかしくない場所もあり、はてさて、験を担ぐむきは別のコースが無難かと・・・、と思っているうちに第2ピークに着いた。
北を流れる旭川方面の眺望が素晴らしい。中原橋を中心に岡山理科大学から笠井山までのカットを1枚、本宮高倉山の姿も1枚撮ってみた。
平坦な道になって駆け出しそうになる。が、急がなくても八幡宮はすぐそこ、露出岩には要注意だ。
2.龍ノ口八幡宮参拝と境内風景
すでに学校が始まっていて平日なので、さすがに受験生の祈願する姿は見当たらない。拝殿横にはたくさんの合格祈願の絵馬が奉納されている。一心な願いを目にすると、「どうぞ合格させてやってください」と祈りたくなる。
まずは参拝して山行の無事を感謝し、摂社・末社を訪ねる。
赤い鳥居は白糸稲荷大明神、八幡宮とどのような関係なのかは分からない。境内の西南西の位置に、八幡宮の総本家である宇佐八幡宮遙拝所があり、遙か彼方に思いを込めて拝礼する。
そして石鎚神社では、鈴をシャンシャン鳴らして参拝。その先では東から北東部の展望が素晴らしい。手前には牟佐地域が広がり、赤磐市の市庁舎周辺や山陽自動車道もくっきり見える。旭川に架かる新大原橋の向こうには、本宮高倉山がどっしりとした姿を見せる。
3.龍ノ口山山頂に向けて
10時32分、龍ノ口山山頂を目指してまずは五差路まで下山する。路面には岩が積み上げられていて、簡単に走り抜けることはできない。ストックを取り出して、バランスを崩さないようにゆっくりと下りる。
やがて石鳥居を抜けると石柱に注連縄を張っている。ここが神との境界線を示す結界である。竜之口学区連合町内会による『龍之口山城について』と題する解説板が設置されていて、「龍之口八幡宮の場所は、戦国の時代に穝所氏が山城を築いた所であります」とある。穝所は松田氏の家臣の穝所元常(さいしょ・もとつね)のことであり、対立していた宇喜田直家と戦うが不落の城で優位に立つ。なるほど、これで龍ノ口八幡宮への道が険しい訳がわかった。
解説板には、それにもかかわらず直家が送り込んだスパイによって敗れたと書かれている。さらに「現在でも城のあった遺跡が残っています」とのこと。城も歴史も詳しくはないが、ちょっと子細を知りたくなってくる。
このあたりは五差路になっている。南に直進して急坂を500mほど登ると龍ノ口山山頂だ。モヤがかかっていて、瀬戸大橋方面を見通せないのは残念だ。とりあえず三角点付近を撮影する。皆で記念写真を撮り、小休止して下山を始める。
4.賞田分岐から祇園コースを下りる
南展望台を経由して賞田分岐までの尾根歩きは快適だ。木洩れ日が心地よく、森林浴をしながらのハイキングである。
賞田分岐から祇園コースを歩くこと20分、グリーンシャワーの森駐車場へ帰着した。この後は車でグリーンシャワー公園へ移動し、楽しい昼食で盛り上がる。今回も、地域のボランティアの皆さんが整備・清掃されている施設をありがたく利用させていただき、感謝。