6日目(7月1日):札幌見物と神戸へのフライト

 旅の最終日、家内と自分はスーパーカムイで旭川から札幌へ移動して、大通公園などをウォーク。
 車で移動する長男君と昼頃落ち合って、大倉山シャンツェと北海道大学へ。
 そして、新千歳空港から18時10分発ANA406便で神戸空港へひとっ飛び。
 ポートライナーと新幹線を乗り継いで岡山駅に帰る予定だ。
 最終日の朝も、早めに Go!!


残念なできごと

 旭川駅発8時の便にしようと急いだのだが、コンビニで朝食の手当に手間取って当初予定の8時半に変更。スーパーカムイ12号に切り替えた。
 駅に乗り入れる横断歩道でプジョーは一時停止。向こうでお巡りさんが見張っている。二人の通勤男性が横断するのを待っての発信、突然、女生徒の自転車が左後方から回り込むように進入してきた。
 急ブレーキで事故は回避できたものの、お巡りさんが駆けつけてきて検証の結果、バンパーに薄くついた2本線の痕跡から事故処理となった。
 いつもの長男君なら、確実に停止して慎重に状況を確認していたに違いないのだが、8時の便に間に合いそうだと急いだのかもしれない。まずは人身事故にならなくて安堵した次第。


大都会札幌にとまどう

 旭川からはスーパーカムイの快適な座席に身をまかせ、窓外の広大な風景を目で追いながら1時間20分、札幌駅に到着した。大きな駅舎、高層ビルと有名デパート、通りの人波、札幌は大都会である。
 音が、光が、ものの動きが、・・・。何もかもが昨日までとあまりにも乖離していることから、頭が完全にピンぼけ状態だ。

 計画にしたがって、まず大通公園に出かける。札幌駅から大通公園への周回コースを予定していて、あちこちに立ち寄りながら散策するつもりだったのだが、きれいな花壇も噴水も昨日までの風景とは比較にならない。何もかもが人工的に見えてしまって、気が乗らない。






 結局、札幌テレビ塔にも上ることなく、時計台に入ることもなく、そして店に立ち寄ることもなく時間が過ぎる。車で移動してきた長男君と落ち合って、北海道庁旧本庁舎のみを見学した。
 7日から北海道洞爺湖サミットが始まるため、いたるところに警備員や監視員が配置されていて、ちょっと異様な感じがする。


大倉山シャンツェ

 札幌の中心部から駐車場までは20分前後だろうか、大倉山シャンツェが市街地からこんなに間近とは以外だった。実は札幌に立ち寄った最大の理由は、ここのジャンプ台からの眺めを体感することだったのである。
 駐車場からやや離れた場所にある円筒傾斜状の長いエスカレータを上り詰めると、視界が急に開けて札幌の街を望むことができる。ショップとレストランのクリスタルハウス、札幌ウィンタースポーツミュージアム、案内所などがあり、スタート台まではさらにリフトで上る。


 往復500円のチケットを買って二人掛けのリフトに腰を下ろす。家内は以前、一人掛けのリフトに乗って降り際につまずきそうになった嫌な思い出があり、今回も緊張気味。しかしここのリフトには係員がいて、しかもセーフティガードが付いているのでノープロブレム。
 リフトを無事に降りてジャンプ台の真上に出てみると・・・・・・、これは滑降ではなく落下だ~、と足がすくむ感じ。ふ~む、やっぱり来て良かった!

    

 3階建ての屋上にある展望ラウンジに上がると、眼下に札幌市を一望できる。大通公園も札幌ドームも、北海道大学もはっきり見える。
 遊歩道を利用すれば15分ほどで降りられることがわかったので、下りは歩くことにする。
 やはり歩いてみてわかることが多いもので、特に上段・中段観客席などを歩いてみると、ここからジャンプがどのように見えるかが推測できる。またバッケンレコード(Jumping Hill Record)が145.0mであり、2005年3月25日の伊藤杯シーズンファイナル大倉山ナイタージャンプで、金子祐介選手が出した記録であることもわかった。それにその実際の位置を、間近で確認することができたのもウォーキングの賜物である。

    

 少し遅くなった昼食を、クリスタルハウス2Fのレストラン「ラム ダイニング大倉山」でとった。ラムのカットステーキと野菜を焼いておにぎりでいただき、パワーがついた。


北海道大学

 残り時間が少なくなって、北海道大学は駆け足で見学する。
 車で乗り入れようとしたらやんわりと止められた。愉快な管理員が、なぜ乗り入れられないかを丁寧に説明した後、学外の駐車場を紹介してくれてからキャンパス・ガイドマップを手渡し、「昼夜を問わずいつでもどうぞ」とにっこり。
 広いキャンパスを競歩よろしく歩んでクラーク像前でカシャッ。新渡戸稲造の像をカシャッ、ようやく辿り着いたポプラ並木でカシャカシャッ。ただただカメラのシャッターを切るのに精一杯。
 しかしこれが縁で、新渡戸稲造が北海道大学の前身である札幌農学校の第二期生であったことがわかり、したがってその像が、ポプラ並木傍の花木園に設置されていることが納得できたのだった。

     
     
 

 

平穏なフライト

 札幌駅から新千歳空港まではJR「快速エアポート」で36分。
 空港は洞爺湖サミットへの対応でものものしい警備・監視体制だ。
 搭乗手続きでは機内持ち込み品をすべてチェックされる。検査機をくぐり抜けた家内のバッグが留め置かれ、中に小型スプレーとペットボトルが見える(写っている)ので内容確認をされることに。もちろん何の問題もなかったのだが、これくらい厳密にチェックされるとかえって安心感が増すというものだ。

 出発は18時10分発ANA406便。テイクオフは、いつもながら何ともいえない恍惚のひと時。天空に向かって心身が引き上げられていく感じがたまらない。
 青空が広がり下界の景色を楽しみにしていたのだが、飛び立つと眼下には雲が立ちこめて見通しがきかない。しかし、その上は太陽が煌めいて眩しい世界が広がる。主翼エンジンのすぐ前あたりの右側座席(9E・9F)なので、視界は抜群。
 青空と雲を透かして下界の影を追い求めながら、時間が急速に過ぎていく。エアバスA320は気圧コントロールがいいためか、下降時に耳が痛くなる(航空性中耳炎というらしい)ことはなかった。
 フライト途中に飛行位置のアナウンスがあればもっと楽しいと思うのだが、ビジネス利用客などへの配慮からか、着陸寸前までず~っと在所は不明であった。
 しかし、ほんとうに安定したフライトだった。そして、かくも高速移動すると、時間の経過も加速することがわかった。でも、これって物理の法則(特殊相対性理論)に反していない?

 

無事岡山に到着

 神戸空港からはポートライナーで三宮へ移動。
 近くの中華料理店で軽く食べ、地下鉄で新神戸駅へ移動。
 先発の「こだま」に乗車したが、途中で追い越しの待ち時間が多くて疲労気味。
 かくして、23時頃に無事岡山駅に降り立った。


『さいごに:旅をふり返って』

 「素敵な旅をありがとう」のひと言に尽きる。これ以上の旅はないだろうと思っている。
 往路の船上では、思っていた通り最高に贅沢な時間をもつことができた。また復路のフライトも快適だった。そして道中は、旅慣れており、かつ車での美瑛・富良野事情に詳しい長男君のおかげで、限られた時間に多くのものを見て、楽しむことができた。しかも、限りなくゆっくり長閑にである。
 帰着すれば、留守中の野菜も元気いっぱい。しっかり留守をキープしてくれた末っ子君にも感謝だ。
 それに、予報を外して好天をもたらしたお天道様にも、いろんな出会いをプレゼントしてくれたチャンスの神々にも感謝である。